オズの魔法使い

オズの魔法使い

ライマン・フランク・ボーム 著

よき友人であり同志でもある、妻へ捧ぐ。 L.F.B.


はじめに

昔話や伝説、神話に童話。これらはいつの時代も子供たちと共にありました。健やかな子供というものは、空想に満ちた不思議で、明らかに現実離れした物語を本能的に、そして心から愛するものです。グリムやアンデルセンが描いた翼を持つ妖精たちは、人類のいかなる創作物よりも多くの幸福を子供たちの心にもたらしてきました。

しかし、長きにわたって親しまれてきた古き良き童話も、今や児童図書の「歴史資料」に分類されるべきかもしれません。ステレオタイプな魔神や小人、妖精を排除した、新しい「不思議な物語」の時代が到来したのです。そこには、かつての著者たちが教訓を無理やり植え付けるために考案した、恐ろしくて血の凍るような出来事はもう必要ありません。現代の教育には道徳が組み込まれています。ゆえに現代の子供たちが不思議な物語に求めるのは純粋な娯楽であり、不快なエピソードなど喜んでお断りなのです。

こうした考えに基づき、この「オズの魔法使い」は、現代の子供たちを喜ばせることだけを目的として書かれました。驚きと喜びをそのままに、心の痛みや悪夢を取り除いた、現代版の童話を目指したのです。

L. フランク・ボーム
シカゴにて 1900年4月

オズの魔法使い

第一章 竜巻

ドロシーはカンザスの広大な大平原の真ん中で、農夫のヘンリーおじさんと、その妻のエムおばさんと一緒に暮らしていた。家は小さかった。建材を運ぶワゴンを何マイルも走らせなければならなかったからだ。四枚の壁と床と屋根。それだけで一間きりの部屋ができあがり、そこには錆びついた調理用ストーブと、食器棚、テーブル、三、四脚の椅子、そしてベッドが置かれていた。部屋の隅にはヘンリーおじさんとエムおばさんの大きなベッドがあり、反対側の隅にドロシーの小さなベッドがあった。屋根裏部屋もなければ地下室もない。ただ一つ、床下に掘られた「竜巻避難壕サイクロン・セラー」と呼ばれる小さな穴を除いては。そこは、通り道のあらゆる建物を粉砕する猛烈な旋風が起きた際、家族が逃げ込むための場所だった。床の真ん中にある落とし戸を開け、梯子を下りれば、その暗くて狭い穴へとたどり着く。

ドロシーが戸口に立って辺りを見渡しても、目に入るのは四方の果てまで続く灰色の平原ばかりだった。どこまでも続く平らな土地に、一本の木も一軒の家も見当たらない。地平線の彼方まで広がるその光景を遮るものは何一つなかった。太陽は耕された土地を焼き、ひび割れた灰色の塊に変えていた。草さえも緑ではない。長い葉の先は太陽に焼かれ、辺り一面と同じ灰色に染まっていた。かつて家にはペンキが塗られていたが、日差しに水膨れ、雨に洗われ、今では家そのものも周囲と同じようにくすんだ灰色をしていた。

エムおばさんがここへ嫁いできたときは、若く美しい妻だった。しかし、太陽と風は彼女をも変えてしまった。瞳からは輝きが失われ、沈んだ灰色が残った。頬と唇から赤みが消え、やはり灰色になった。体は痩せこけ、今では決して笑うこともない。孤児だったドロシーが初めてやってきたとき、エムおばさんは子供の笑い声にひどく驚き、ドロシーの楽しげな声が聞こえるたびに悲鳴を上げて胸を必死に押さえたものだ。そして今でも、何がそんなに可笑しいのかと言わんばかりに、不思議そうな顔で少女を見つめるのだった。

ヘンリーおじさんは一度も笑わなかった。朝から晩まで必死に働き、喜びというものを知らなかった。長い髭から無骨なブーツに至るまで彼もまた灰色で、その風貌は厳格で荘厳、口を開くことも稀だった。

ドロシーを笑わせ、周囲と同じような灰色に染まらずにいさせてくれるのは、トトだけだった。トトは灰色ではなかった。絹のように長い毛を持つ、小さな黒い犬だ。おどけた小さな鼻の両脇では、小さな黒い目が楽しげに輝いている。トトは一日中遊び回り、ドロシーも一緒になって遊んだ。彼女にとってトトはかけがえのない宝物だった。

だが、今日ばかりは遊んでいる場合ではなかった。ヘンリーおじさんは戸口に腰を下ろし、いつも以上に灰色に淀んだ空を不安そうに見つめていた。ドロシーもトトを抱いて戸口に立ち、空を見上げていた。エムおばさんは皿洗いをしていた。

はるか北の方から、風の低い呻き声が聞こえてきた。ヘンリーおじさんとドロシーは、迫りくる嵐に押され、長い草が波打つように倒れていくのを目にした。南からも鋭い口笛のような風の音が聞こえ、そちらに目を向けると、やはり草が波立ってこちらに向かってきていた。

突然、ヘンリーおじさんが立ち上がった。

「エム、竜巻だ!」おじさんは妻に向かって叫んだ。「家畜を見てくる!」

おじさんは牛や馬がいる小屋へと走り出した。

エムおばさんは仕事を放り出し、戸口に駆け寄った。一目見ただけで、危険がすぐそばまで迫っていることがわかった。

「急いで、ドロシー!」おばさんは叫んだ。「地下室へ逃げて!」

トトがドロシーの腕から飛び出し、ベッドの下へ隠れてしまった。少女はトトを捕まえようと後を追った。恐怖に駆られたエムおばさんは床の落とし戸を蹴り開け、梯子を伝って狭くて暗い穴へと飛び込んだ。ドロシーはようやくトトを捕まえ、おばさんの後を追おうとした。部屋を半分ほど横切ったその時、風の凄まじい叫びが響き渡った。家が激しく揺れ、ドロシーは足を取られて床に尻餅をついた。

すると、奇妙なことが起こった。

家が二、三回くるくると回ったかと思うと、ゆっくりと宙に浮き上がったのだ。ドロシーはまるで気球に乗って上昇しているような気分だった。

北風と南風がちょうど家のある場所でぶつかり合い、そこが竜巻の真っ只中になったのだ。通常、竜巻の中心は穏やかだが、周囲からの凄まじい風圧が家をどんどん押し上げ、ついには竜巻の最上部まで持ち上げた。家はそこに留まり、羽根のように軽々と何マイルも先へと運ばれていった。

辺りは真っ暗で、周囲では風が恐ろしい音を立てていたが、ドロシーは案外心地よく揺られていることに気づいた。最初の旋回の後、一度家が大きく傾いた以外は、まるで揺りかごに揺られる赤ん坊のように穏やかな気分だった。

トトは気に入らない様子だった。激しく吠えながら部屋中をあちこち駆け回った。だがドロシーは床に静かに座り込み、これから何が起きるのかをじっと待った。

一度、トトが開いたままの落とし戸に近づきすぎて、中に落ちてしまった。ドロシーはトトを失ったと思って青ざめた。しかし、すぐに穴からトトの耳が突き出しているのが見えた。強い空気圧が下から押し上げていたため、トトは落ちることができなかったのだ。ドロシーは穴まで這っていき、トトの耳を掴んで部屋へ引き戻した。そして二度と事故が起きないよう、落とし戸をしっかりと閉めた。

何時間も過ぎ、ドロシーの恐怖は少しずつ和らいでいった。けれど、言いようのない孤独を感じ、周囲で鳴り響く風の咆哮に耳が聞こえなくなるかと思った。最初は、家が地面に叩きつけられたらバラバラになってしまうのではないかと心配したが、時間が経っても恐ろしいことは何も起きなかった。彼女はくよくよするのをやめ、落ち着いて運命に身を任せることに決めた。最後には、揺れる床を這って自分のベッドまでたどり着き、そこに横たわった。トトもついてきて、隣に丸まった。

家は揺れ続け、風は唸りを上げていたが、ドロシーはやがて目を閉じ、深い眠りに落ちていった。

第二章 マンチキンたちとの対面

ドロシーを呼び覚ましたのは、激しい衝撃だった。もし柔らかいベッドの上にいなければ、怪我をしていたかもしれない。あの大揺れに息を呑み、何が起きたのかと呆然とするドロシーの顔に、トトが冷たい鼻先を押し当て、心細そうにクンクンと鳴いた。身を起こすと、もう家は動いていなかった。暗闇も消え、窓からは明るい陽光が差し込み、小さな部屋を隅々まで照らしていた。ドロシーはベッドから飛び起き、トトを従えてドアを勢いよく開けた。

少女は驚きのあまり声を上げ、目を見開いて周囲を見渡した。あまりにも素晴らしい光景が、そこには広がっていたのだ。

竜巻は、この世のものとは思えないほど美しい国の中に、家をそっと――竜巻にしては実に穏やかに――降ろしていた。あたり一面には見事な緑の芝生が広がり、堂々たる巨木には瑞々しく豊かな果実が実っている。あちこちに豪華な花々が咲き誇り、珍しく色鮮やかな羽を持つ鳥たちが木々や茂みの間を歌いながら飛び交っている。少し先には小さな小川がさらさらと音を立てて流れ、緑の堤の間をきらめきながら進んでいた。乾燥した灰色の平原で長く暮らしてきた少女にとって、そのせせらぎは耳に心地よく響いた。

ドロシーがこの見慣れぬ美しい景色を熱心に見つめていると、これまで見たこともないような奇妙な姿をした一団がこちらに近づいてくるのに気づいた。ドロシーが知っている大人たちほど大きくはないが、かといって小人というほど小さくもない。背丈は、年頃のわりに背が高いドロシーと同じくらいだったが、見た目は彼女よりもずっと年かさに見えた。

男が三人、女が一人。誰もが風変わりな格好をしていた。頭には1フィート(約30センチ)ほどの高さがある尖った丸帽子を被り、その縁には小さな鈴がついていて、動くたびに可愛らしい音を奏でた。男たちの帽子は青色だった。小柄な女性の帽子は白で、肩からひだのついた白いガウンを纏っていた。そのガウンには小さな星が散りばめられ、太陽の下でダイヤモンドのように輝いている。男たちは帽子と同じ青い服を着て、磨き抜かれたブーツを履き、その履き口は太い青色の折り返しになっていた。ドロシーの目には、男たちはヘンリーおじさんと同じくらいの年に見えた。二人は髭を蓄えていたからだ。しかし、小柄な女性はもっとずっと年長に違いない。顔には皺が刻まれ、髪はほとんど真っ白で、その足取りはいくぶんぎこちなかった。

一行が家の近くまでやってくると、ドロシーが戸口に立っているのを見て立ち止まり、それ以上近づくのをためらうようにひそひそと囁き合った。だが、小柄な老婦人はドロシーのそばまで歩み寄ると、深々とお辞儀をして、甘い声でこう言った。

「ようこそ、気高き魔術師様。マンチキンの国へおいでくださいました。東の悪い魔女を仕留め、我らを束縛から解き放ってくださったこと、心より感謝申し上げます。」

ドロシーはこの言葉に困惑した。なぜこの人は自分を「魔術師」と呼び、東の悪い魔女を殺したなどと言うのだろう。ドロシーはただの罪のない少女にすぎない。竜巻に運ばれて家から遠く離れた場所へ流されてきただけで、これまでの人生で生き物の命を奪ったことなど一度もなかった。

しかし、老婦人は明らかに返答を待っていた。ドロシーは戸惑いながら答えた。「ご親切にありがとうございます。ですが、何かの間違いではないでしょうか。私は誰も殺してなどいませんわ。」

「おや、あなたの家がやったのですよ」老婦人は笑って言った。「それは同じことです。ほら、見てごらんなさい!」彼女は家の角を指差した。「あそこに、まだ足が二本、材木の下から突き出しているでしょう?」

ドロシーが視線を向けると、恐怖のあまり小さな悲鳴を上げた。確かに、家を支える太い梁のすぐ下に、銀色の靴を履いた二本の足が突き出していた。その靴はつま先が尖っている。

「なんてこと! どうしましょう!」ドロシーはうろたえて両手を握り締めた。「家がその人の上に落ちてしまったのね。どうすればいいのかしら。」

「どうもしなくてよいのです」老婦人は平然と言った。

「でも、その方はどなただったの?」

「申し上げた通り、東の悪い魔女ですよ」老婦人は答えた。「彼女は長年、マンチキンたちを隷属させ、昼も夜も奴隷のように働かせてきました。今、彼らは皆自由になったのです。この恩恵に感謝しておりますよ。」

「マンチキンって、どなたのこと?」

「この東の国に住む人々、悪い魔女に支配されていた者たちのことです。」

「あなたもマンチキンなの?」

「いいえ。私は北の国に住んでおりますが、彼らの友人です。東の魔女が死んだと知り、マンチキンたちが急使を寄越したので、すぐに駆けつけました。私は北の魔女です。」

「まあ! 本物の魔女様なの?」ドロシーは声を上げた。

「ええ、左様です」老婦人は答えた。「でも、私は良い魔女ですよ。民にも慕われています。ここを治めていた悪い魔女ほど強くはありませんが。そうでなければ、自分で彼らを解放していたでしょうから。」

「でも、魔女はみんな悪いものだと思っていましたわ」本物の魔女を前に、ドロシーは少し怯えながら言った。

「ああ、それは大きな間違いです。オズの国には魔女は四人しかいません。そのうち北と南に住む二人は良い魔女です。間違いありません、私自身がその一人なのですから。東と西に住む者たちは、確かに邪悪な魔女でした。けれどあなたが片方を仕留めてくださった今、オズの国に悪い魔女はたった一人――西に住む者だけになりました。」

「でも」ドロシーは少し考えてから言った。「エムおばさんは、魔女はずっと昔にいなくなったって言っていましたわ。」

「エムおばさんとは誰ですか?」老婦人が尋ねた。

「私の故郷、カンザスに住んでいるおばです。」

北の魔女は、うつむいて地面を見つめながらしばらく考え込んでいた。やがて顔を上げると、こう言った。「カンザスがどこにあるのかは知りません。そんな国の名は聞いたことがありませんからね。ですが教えてください。そこは『文明化』された国なのですか?」

「ええ、もちろんですわ。」

「なるほど、それで納得がいきました。文明化された国では、魔女も魔法使いも、魔術師も手品師も、もう残っていないのでしょう。けれど、ここオズの国は決して文明化されていません。世界の他の場所から切り離されていますからね。だから、まだ魔女や魔法使いが私たちの間にいるのです。」

「魔法使いって、どなたのこと?」

「オズ様こそが、大魔法使いです」魔女は声を潜めて囁いた。「あの方は、私たち全員が束になっても敵わないほど強力な御方。エメラルドの都に住んでおられます。」

ドロシーがさらに質問を重ねようとしたその時、黙って傍らに控えていたマンチキンたちが大きな歓声を上げ、東の悪い魔女がいた家の角を指差した。

「どうしました?」老婦人がそちらを見て、ふっと笑い声を上げた。死んだ魔女の足は跡形もなく消え失せ、あとに残されたのは銀色の靴だけだった。

「あまりに年老いていたので、太陽の下ですぐに干からびてしまったのですね。これでおしまいです。ですが、この銀の靴はあなたのものです。あなたが履きなさい。」

魔女は腰をかがめて靴を拾い上げ、埃を払うとドロシーに手渡した。

「東の魔女はこの銀の靴を自慢にしていました」マンチキンの一人が言った。「何か魔力が秘められていると言われていましたが、それがどんな力なのかは、誰も知りませんでした。」

ドロシーは靴を家の中に運び、テーブルの上に置いた。それから再びマンチキンたちのところへ戻って言った。

「早くおじさんやおばさんのところへ帰りたいのです。きっと心配しているでしょうから。帰り道を教えていただけませんか?」

マンチキンたちと魔女は、互いの顔を見合わせ、次にドロシーを見て、首を振った。

「ここから遠くない東の方角には、広大な砂漠がある。生きて渡れる者はいないよ」一人が言った。

「南も同じだ」別の男が言った。「私はそこへ行ったことがあるから知っている。南はクアッドリングの国だ。」

三番目の男が続けた。「西も同じだと聞いている。ウィンキーたちが住むその国は、西の悪い魔女が支配している。あそこを通れば、お前さんも奴隷にされてしまうだろう。」

「私の故郷は北にあります」老婦人が言った。「その果ても、このオズの国を取り囲む大砂漠です。お嬢さん、残念ながらあなたはここで私たちと暮らすしかなさそうです。」

ドロシーはそれを聞いて泣き出してしまった。見知らぬ人たちに囲まれ、心細くてたまらなくなったのだ。心優しいマンチキンたちは、彼女の涙を見ると自分たちも悲しくなり、すぐにハンカチを取り出して一緒に泣き始めた。一方、小さな老婦人は、自分の帽子を脱いで鼻の先に尖った方を載せ、厳かな声で「一、二、三」と数えた。すると帽子はたちまち石板に変わり、そこには大きな白いチョークでこう書かれていた。

『ドロシーをエメラルドの都へ行かせなさい。』

老婦人は鼻から石板を下ろし、その言葉を読むと尋ねた。「お嬢さん、お名前はドロシーというのですか?」

「ええ」少女は顔を上げ、涙を拭いて答えた。

「それなら、エメラルドの都へ行きなさい。おそらくオズ様が助けてくださるでしょう。」

「その都はどこにあるのですか?」

「この国のちょうど中心にあります。私が言った大魔法使い、オズ様が治めておられる場所です。」

「その方は、いい人なの?」少女は不安げに尋ねた。

「良い魔法使いですよ。人間かどうかは分かりませんが。お会いしたことがありませんのでね。」

「どうすればそこへ行けますか?」

「歩いて行くのです。長い旅になりますよ。楽しいところもあれば、暗くて恐ろしいところもあるでしょう。ですが、私の知る限りの魔法を使って、あなたが傷つかないよう守ってあげましょう。」

「一緒に行ってくださらない?」少女は、老婦人を唯一の頼りにして懇願した。

「いいえ、それはできません」魔女は答えた。「けれど、あなたに私の口づけを授けましょう。北の魔女の口づけを受けた者に、手出しをできる者などいませんから。」

彼女はドロシーに歩み寄り、額にそっと口づけをした。その唇が触れた場所には、丸くて光り輝く跡が残った。ドロシーがそれに気づくのは、もう少し後のことだ。

「エメラルドの都へ続く道は、黄色のレンガで舗装されています」魔女が言った。「だから、迷うことはありませんよ。オズ様にお会いしても、怖がってはいけません。自分の事情を話し、助けを求めるのです。さようなら、お嬢さん。」

三人のマンチキンは深々とお辞儀をして旅の無事を祈ると、木々の間を去っていった。魔女もドロシーに親しげに頷くと、左のかかとを軸に三回くるりと回り、瞬く間に姿を消した。トトはこれにひどく驚き、魔女がいなくなってから、ようやく激しく吠え立てた。彼女がそばにいる間は、唸ることもできないほど怖がっていたのだ。

だがドロシーは、相手が魔女であることを知っていたので、そうやって消えるのも当然だと思い、少しも驚かなかった。

第三章 ドロシー、かかしを助ける

一人になったドロシーは、お腹が空いていることに気づいた。食器棚からパンを切り出し、バターを塗った。トトにも分けてやり、棚から手桶を手に取ると、小川まで下りて澄んだきらめく水を汲んだ。トトは木の方へ駆けていき、そこに止まっている鳥たちに吠えかかっていた。ドロシーがトトを呼び戻しに行くと、枝には美味しそうな果実がたわわに実っていた。彼女はそれをいくつか摘み取り、朝食の足しにちょうどいいと思った。

家に戻り、トトと一緒に冷たく澄んだ水をたっぷり飲むと、いよいよエメラルドの都への旅支度に取りかかった。

ドロシーは着替えを一枚しか持っていなかったが、それは幸いにも洗濯したてで、ベッドの脇の釘にかかっていた。白と青のチェック柄のギンガムチェックで、何度も洗ったせいで青色は少し褪せていたが、それでも可愛らしい服だった。丁寧に顔と体を洗い、清潔なギンガムの服に着替え、ピンクの日除け帽子を頭に結んだ。小さな籠を手に取ると、棚のパンを詰めて白い布を被せた。ふと足元を見ると、履いている靴がひどく古びて傷んでいるのが目に入った。

「こんな靴じゃ、長旅は無理だわ、トト」ドロシーが言うと、トトは小さな黒い目で見上げ、言っていることが分かると言わんばかりに尻尾を振った。

その時、ドロシーの目に留まったのは、テーブルの上に置かれたあの銀色の靴だった。東の魔女の持ち物だった靴だ。

「私に合うかしら」彼女はトトに言った。「長距離を歩くにはぴったりよ。絶対にすり減らないんですもの。」

古い革靴を脱ぎ、銀色の靴を試してみると、まるであつらえたかのように足にぴったりだった。

最後に、彼女は籠を手に取った。

「さあ、行きましょう、トト。エメラルドの都へ行って、大魔法使いのオズ様に、どうすればカンザスへ帰れるか聞くのよ。」

ドアを閉め、鍵をかけると、その鍵を服のポケットに大切にしまった。こうして、ドロシーはトトを従えて、意気揚々と旅に出た。

近くには道がいくつかあったが、黄色のレンガで舗装された道を見つけるのに時間はかからなかった。ほどなくして、彼女は軽快な足取りでエメラルドの都を目指して歩き始めた。固い黄色の路面を叩く銀色の靴が、楽しげな音を立てている。太陽は明るく輝き、鳥たちは甘い声でさえずっていた。見知らぬ土地に突然放り出された少女にしては、ドロシーの気分は案外悪くなかった。

歩きながら、彼女は周囲の景色の美しさに驚いた。道の両側には、上品な青色に塗られた小奇麗な柵が続き、その向こうには穀物畑や野菜畑が豊かに広がっている。マンチキンたちが優れた農夫であり、多くの収穫を得ているのは明らかだった。時折、家の前を通りかかると、人々が出てきて彼女を見つめ、深々とお辞儀をした。誰もが、彼女が悪い魔女を滅ぼし、自分たちを奴隷の身から救い出してくれた恩人であることを知っていたのだ。マンチキンの家はどれも丸い形で、屋根には大きなドームが載っているという風変わりな造りをしていた。そして、それらはすべて青く塗られていた。この東の国では、青が一番好まれる色だったからだ。

夕暮れ時になり、長歩きで疲れてきたドロシーが今夜の宿を心配し始めた頃、他よりも少し大きな一軒の家にたどり着いた。その前の青々とした芝生の上では、大勢の男女が踊っていた。五人の小さなバイオリン弾きが力いっぱい演奏し、人々は笑い、歌っていた。そばの大きなテーブルには、美味しそうな果実や木の実、パイやケーキなど、ご馳走が山積みになっていた。

人々はドロシーを温かく迎え、夕食と宿泊に招待してくれた。ここは、この国で最も裕福なマンチキンの一人であるボックの家だった。彼は友人たちを集めて、悪い魔女の支配から解放されたことを祝っていたのだ。

ドロシーは心ゆくまで夕食を楽しみ、主人であるボック自らにもてなされた。その後、彼女は長い椅子に腰を下ろして、人々が踊るのを眺めた。

ドロシーの銀色の靴を見たボックが言った。「あなたはきっと、偉大な魔術師様なのですね。」

「どうしてそう思うの?」少女が尋ねた。

「銀色の靴を履き、あの悪い魔女を仕留めたのですから。それに、あなたの服には白が入っている。白を身に纏うのは魔女や魔術師だけですよ。」

「これは青と白のチェック柄ですわ」ドロシーは服の皺を伸ばしながら言った。

「それを着てくださるとは、お優しい。青はマンチキンの色、白は魔女の色。だからあなたは、私たちに友好的な魔女なのだと分かるのです。」

ドロシーは何と答えていいか分からなかった。誰もが自分を魔女だと思い込んでいるが、自分はただ、竜巻のいたずらで迷い込んできた普通の少女なのだと知っていた。

ダンスを見届けて疲れてくると、ボックは彼女を家の中へ案内し、可愛らしいベッドのある部屋を用意してくれた。シーツは青い布でできていた。ドロシーはその中でぐっすりと眠り、トトも隣の青いラグの上で丸まって朝まで眠った。

翌朝、ドロシーはしっかり朝食をとり、マンチキンの赤ん坊がトトと遊ぶ様子を眺めていた。赤ん坊はトトの尻尾を引っ張ったり、声を上げて笑ったりして、ドロシーを大いに楽しませた。この国の人々は犬というものを一度も見かけたことがなかったので、トトは皆にとって珍しくてたまらない存在だった。

「エメラルドの都までは、あとどれくらいかしら?」少女は尋ねた。

「分かりません」ボックは重々しく答えた。「私は一度も行ったことがありませんからね。用事がない限り、オズ様には近づかない方が無難だと言われています。ですが、エメラルドの都までは相当な距離があり、何日もかかるでしょう。この辺りは豊かで心地よい国ですが、旅の終わりまでには荒れ果てた危険な場所も通らねばなりません。」

これを聞いてドロシーは少し不安になったが、カンザスに帰る手助けができるのは大魔法使いのオズ様だけだと分かっていたので、決して引き返さないと心に決めた。

彼女は友人たちに別れを告げ、再び黄色のレンガの道へと歩み出した。数マイルほど進んだところで、少し休もうと考え、道の脇の柵に登って腰を下ろした。柵の向こうには広大なトウモロコシ畑があり、少し離れた場所に、熟したトウモロコシを鳥から守るための「かかし」が棒に突き立てられているのが見えた。

ドロシーは手に顎をのせて、ぼんやりとかかしを眺めた。頭は藁を詰めた小さな袋でできていて、目と鼻と口が描き込まれて顔のようになっていた。マンチキンの持ち物だったらしい古い尖った青い帽子が頭に載り、体は藁を詰めた古びて色褪せた青いスーツだった。足にはこの国でよく見かける青い縁取りの古いブーツを履き、背中に突き刺された棒によってトウモロコシの茎よりも高く掲げられていた。

ドロシーがかかしの奇妙な描き顔をじっと見つめていると、驚いたことに、片方の目がゆっくりと彼女にウィンクをしたのだ。最初は見間違いかと思った。カンザスのかかしがウィンクすることなどあり得ないからだ。だが、次にかかしは親しげに首を横に振って挨拶をした。ドロシーは柵から飛び下りてかかしに歩み寄り、トトは棒の周りを駆け回りながら吠え立てた。

「こんにちは」かかしが、少しかすれた声で言った。

「今、しゃべったの?」少女は驚いて聞き返した。

「もちろんだよ。ご機嫌いかがかな?」かかしが答えた。

「ええ、元気よ。ありがとう」ドロシーは丁寧に返した。「あなたはどう?」

「あまり良くないね」かかしは苦笑いした。「昼も夜もこんなところに突き立てられて、カラスを脅すなんて退屈でかなわないよ。」

「下りられないの?」

「ああ。背中にこの棒が刺さっているからね。もしよかったら、この棒を抜いてくれないかな。そうしてくれたら、本当に助かるんだけど。」

ドロシーは両手を伸ばし、かかしを棒から持ち上げた。藁が詰まっているだけなので、ひどく軽かった。

「本当にありがとう」地面に降ろされたかかしが言った。「生き返った気分だよ。」

ドロシーは戸惑った。藁が詰まった人形が話し、お辞儀をし、自分の隣を歩いているなんて、あまりに奇妙なことだったからだ。

「君は誰だい?」かかしは体を伸ばし、あくびをしてから尋ねた。「それから、どこへ行くところ?」

「私の名前はドロシー」少女は答えた。「エメラルドの都へ行くの。大魔法使いのオズ様に、私をカンザスへ帰してほしいって頼むためにね。」

「エメラルドの都ってどこだい? それに、オズって誰だい?」

「あら、知らないの?」ドロシーは驚いて聞き返した。

「さっぱりさ。僕は何も知らないんだ。見ての通り、中身は藁だから、脳みそがこれっぽっちもないのさ」彼は悲しげに答えた。

「まあ」ドロシーは言った。「それはお気の毒だわ。」

「ねえ」かかしが尋ねた。「もし君と一緒にエメラルドの都へ行ったら、オズは僕に脳みそをくれると思うかい?」

「さあ、どうかしら」彼女は答えた。「でも、よかったら一緒に行きましょう。もしオズ様が脳みそをくれなくても、今より悪くなることはないでしょうし。」

「それもそうだね」かかしは言った。それから、彼は打ち明けるように続けた。「足や腕や体に藁が詰まっているのは構わないんだ。怪我をしないからね。誰かに足を踏まれても、ピンを刺されても、何も感じないから平気だよ。でも、馬鹿だと思われるのは嫌なんだ。脳みその代わりに藁が詰まったままじゃ、君みたいに物事を知ることなんて、一生できないだろう?」

「お気持ちは分かるわ」少女は、彼を心から不憫に思って言った。「私と一緒に来なさい。オズ様に、あなたのためにできる限りのことをしてくださるよう頼んであげるから。」

「ありがとう」彼は感謝を込めて答えた。

二人は道に戻った。ドロシーは彼が柵を越えるのを手伝い、エメラルドの都を目指して黄色のレンガの道を歩き始めた。

トトは最初、この新しい仲間が気に入らなかった。藁の中にネズミの巣でもあるのではないかと疑うように鼻をクンクンさせ、時折かかしに向かって不機嫌そうに唸り声を上げた。

「トトのことは気にしないで」ドロシーは新しい友人に言った。「この子は噛んだりしないから。」

「ああ、怖くないよ」かかしは答えた。「藁を噛んだって痛くないしね。そうだ、その籠を僕に持たせてくれないか。僕は疲れることもないから、ちっとも苦じゃないんだ。……内緒だけどね」彼は歩きながら続けた。「この世でたった一つだけ、怖いものがあるんだ。」

「なあに? あなたを作ったマンチキンの農夫さん?」

「いいえ」かかしは答えた。「火のついたマッチさ。」

第四章 森の中の道

数時間もすると、道は険しくなり始めた。歩くのが難しくなり、かかしはあちこちでデコボコになった黄色のレンガに足を取られて、何度もつまずいた。場所によってはレンガが割れていたり、完全に欠けていたりして穴が開いていた。トトはそれを飛び越え、ドロシーは避けて歩いた。だが脳みそのないかかしは、まっすぐ突き進んで穴に足を踏み入れ、固いレンガの上に大の字になって転んだ。しかし、痛がる様子は微塵もない。ドロシーがかかしを助け起こして立たせると、彼は自分のドジを彼女と一緒に楽しそうに笑い飛ばした。

この辺りの農場は、先ほど通り過ぎた場所ほど手入れが行き届いていなかった。家も果実の木も少なくなり、進めば進むほど景色は殺風景で寂しいものへと変わっていった。

正午、二人は道端の小川のそばに腰を下ろした。ドロシーが籠を開けてパンを取り出すと、かかしにも一切れ勧めたが、彼は断った。

「僕は決してお腹が空かないんだ。ありがたいことだよ。僕の口は描き物だからね。もし食べるために穴を開けたりしたら、中から藁がこぼれ出して、せっかくの顔の形が台無しになっちゃうだろう?」

ドロシーも納得し、頷いてから一人でパンを食べ続けた。

「君のことや、君がいた国のことを教えてくれないか」食事が終わると、かかしが言った。そこで彼女は、カンザスのこと、そこがいかに灰色であるか、そして竜巻がいかにして自分をこの奇妙なオズの国へ運んできたかを詳しく話して聞かせた。

かかしは熱心に聞き入っていたが、こう言った。「こんなに美しい国を離れて、君がカンザスと呼ぶあの乾いた灰色の場所へ帰りたがる理由が、僕にはどうしても分からないよ。」

「それはあなたに脳みそがないからよ」少女は答えた。「家がどんなに殺風景で灰色でも、血の通った人間は、どんなに美しい他の国よりも自分の家で暮らしたいと思うものなの。やっぱり、我が家が一番だわ。」

かかしはため息をついた。

「もちろん、僕には理解できないけれど」彼は言った。「もしみんなの頭に僕みたいに藁が詰まっていたら、みんな美しい場所で暮らすようになって、カンザスには誰もいなくなっちゃうだろうね。カンザスにとって、君たちが脳みそを持っていてくれたのは幸運だったよ。」

「お休みしている間に、何かお話をしてくれない?」少女が尋ねた。

かかしは少し申し訳なさそうに彼女を見て答えた。

「僕の人生はまだ始まったばかりで、実は何も知らないんだ。作られたのは一昨日なんだよ。それより前の世界に何があったのか、僕にはさっぱり分からない。幸運だったのは、農夫が僕の頭を作ったとき、まず耳を描いてくれたことさ。おかげで周囲の音が聞こえた。農夫のそばにはもう一人のマンチキンがいて、僕が最初に聞いたのは『この耳はどうだい?』という農夫の言葉だった。

『少し曲がってるな』ともう一人が答えた。

『気にするな。耳であることに変わりはないんだから』と農夫が言った。全くその通りだったよ。

『次は目を作ろう』と農夫が言い、右目を描き始めた。それが描き終わるやいなや、僕は好奇心いっぱいに彼や周囲の景色を見つめていた。それが、僕にとって初めての世界の眺めだったんだ。

『なかなかいい目じゃないか』見ていたマンチキンが言った。『青いペンキは目にぴったりだ。』

『もう一方は、少し大きくしてやろう』農夫はそう言って、二つ目の目を描き上げた。すると、さっきよりもずっとよく見えるようになったんだ。それから鼻と口が描かれた。けれど、僕は何も言わなかった。その時は、口が何のためにあるのか知らなかったからね。それから、僕の体や腕や足が作られていくのを眺めるのは楽しかったよ。最後に頭が取り付けられたとき、僕はとても誇らしい気分になった。自分も立派な人間の一人だと思ったんだ。

『こいつなら、カラスどもを十分に驚かせてくれるだろう』農夫が言った。『まるで本物の人間みたいだ。』

『ああ、人間だよ』ともう一人が言い、僕も心から同意した。農夫は僕を脇に抱えてトウモロコシ畑へ運び、君が見つけたあの高い棒に突き立てたんだ。そして彼らはすぐに立ち去り、僕は一人残された。

そんなふうに見捨てられるのは嫌だったから、二人の後を追おうとしたんだ。でも足が地面に届かず、あの棒に留まるしかなかった。孤独な生活だったよ。作られたばかりで、考えることも何もなかったからね。カラスや他の鳥たちがトウモロコシ畑に飛んできたけれど、僕の姿を見ると、マンチキンだと思ってすぐに逃げていった。それが嬉しくて、自分はなんて重要な人物なんだろうと思ったよ。すると、一羽の年老いたカラスが近くに飛んできて、僕をじろじろと眺めた後、肩に止まってこう言ったんだ。

『あの農夫め、こんな下手な小細工で俺を騙せると思ったのか。分別のつくカラスなら、お前が藁を詰めただけの人形だってことくらい、お見通しだぜ』そう言うと、そいつは僕の足元に飛び下りて、好きなだけトウモロコシを食べたんだ。他の鳥たちも、僕が何もしないのを見て一緒に食べ始めた。あっという間に、僕の周りは鳥の群れでいっぱいになったよ。

悲しかったね。結局、僕はいい「かかし」じゃなかったんだ。でも、あの老いたカラスが慰めてくれた。『お前の頭に脳みそさえあれば、あいつらと同じくらい立派な男になれる。いや、連中の誰よりも立派になれるさ。カラスだろうが人間だろうが、この世で価値があるのは脳みそだけなんだからな。』

カラスたちが去った後、僕はその言葉をずっと考えていた。そして、何としても脳みそを手に入れようと決めたんだ。運良く君が通りかかって棒から外してくれたし、君の話を聞く限り、エメラルドの都へ行けばきっと大魔法使いのオズが僕に脳みそをくれるに違いないよ。」

「そうだといいわね」ドロシーは熱心に言った。「あなたがそんなに望んでいるんだもの。」

「ああ、本当にそうなんだ」かかしが答えた。「自分が馬鹿だと分かっているのは、とても居心地が悪いものだよ。」

「そうね。じゃあ、行きましょうか。」

ドロシーはかかしに籠を預けた。

道の脇にはもう柵がなくなり、土地は荒れて耕されなくなっていた。夕暮れ時、二人は大きな森にたどり着いた。そこには巨木が密に生い茂り、枝が黄色のレンガの道の上で重なり合っていた。枝が日光を遮り、森の中はほとんど真っ暗だった。だが一行は立ち止まらず、森の奥へと進んだ。

「この道に入り口があるなら、出口もあるはずだ」かかしが言った。「エメラルドの都はこの道の先にあるんだから、道がどこへ続いていようと進むしかないよ。」

「誰にだって分かることね」ドロシーが言った。

「もちろんだ。だから僕にも分かったのさ」かかしが言い返した。「考えるのに脳みそが必要なことだったら、僕には決して言えなかっただろうね。」

一時間ほどすると光は完全に失われ、彼らは暗闇の中を手探りで進むことになった。ドロシーには何も見えなかったが、トトには見えていた。犬というものは暗闇に強いからだ。かかしもまた、昼間と同じようによく見えると言った。そこで彼女はかかしの腕につかまり、なんとか進み続けることができた。

「もし家か、どこか夜を明かせる場所を見つけたら教えてね。暗い中を歩くのはとても不安だわ。」

しばらくして、かかしが立ち止まった。

「右手に小さな小屋が見えるよ。丸太と枝で作られている。あそこへ行ってみるかい?」

「ええ、ぜひそうしましょう」少女は答えた。「もう、くたくたなの。」

かかしに導かれ、木々の間を抜けて小屋にたどり着いた。中には乾いた落ち葉のベッドが隅にあった。ドロシーはすぐに横になり、トトを隣に眠らせると、たちまち深い眠りに落ちた。決して疲れを知らないかかしは、別の隅に立ち、朝が来るのをじっと待っていた。

第五章 ブリキの木こりの救出

ドロシーが目を覚ますと、木漏れ日が差し込んでいた。トトはずっと前から起きていて、周りの鳥やリスを追いかけ回していた。彼女は身を起こし、周囲を見渡した。隅には、やはりあのかかしが辛抱強く立ち、彼女を待っていた。

「水を探しに行かなきゃ」ドロシーが彼に言った。

「どうして水が必要なんだい?」かかしが尋ねた。

「道の埃で汚れた顔を洗うためよ。それから、喉が渇いているから。そうしないと、乾いたパンが喉に詰まってしまうわ。」

「肉体を持っているというのは不便なものだね」かかしはしみじみと言った。「眠らなきゃならないし、食べたり飲んだりしなきゃならない。けれど、君には脳みそがある。正しく考えるためなら、それくらいの苦労は厭わない価値があるよ。」

二人は小屋を出て木々の間を歩き、やがて澄んだ水が湧き出る小さな泉を見つけた。ドロシーはそこで水を飲み、顔を洗い、朝食をとった。籠の中のパンが残り少ないことに気づき、かかしが食事を必要としないことに感謝した。自分とトトの一日分でさえ、ギリギリの量だったからだ。

食事が終わり、黄色のレンガの道へ戻ろうとしたその時、ドロシーは近くで深い呻き声がしたのに驚いて立ち止まった。

「今の音は何かしら?」彼女は恐る恐る尋ねた。

「さあ、見当もつかない。でも、見に行ってみよう。」

すると再び呻き声が聞こえてきた。どうやら背後から聞こえてくるようだ。二人が振り返り、森の中を数歩進むと、木々の間に落ちる陽光を浴びてキラリと光るものがあるのをドロシーが見つけた。彼女はその場所へ駆け寄ると、驚きのあまり声を上げて足を止めた。

一本の巨木が、途中まで切り込みを入れられた状態で立っていた。その傍らには、斧を振り上げた姿勢のまま、全身がブリキでできた男が立っていたのだ。頭も腕も足も胴体に関節で繋がっていたが、彼はピクリとも動かず、まるで身動きが取れないかのようだった。

ドロシーは驚愕して彼を見つめた。かかしも同様だった。トトは激しく吠え、ブリキの足に噛みつこうとしたが、歯が立たずに痛い思いをしただけだった。

「あなたが呻いていたの?」ドロシーが尋ねた。

「そう、私だ」ブリキの男が答えた。「一年以上も呻き続けていたんだが、これまで誰も私の声を聞いてくれなかったし、助けにも来てくれなかったんだ。」

「私に何かできることはある?」ドロシーは優しく問いかけた。男の悲しげな声に、胸を打たれたからだ。

「油差しを持ってきて、私の関節に油を注いでくれ。ひどく錆びついていて、全く動けないんだ。油さえさせば、すぐに元通りになれる。小屋の棚に油差しがあるはずだ。」

ドロシーはすぐに小屋へ駆け戻って油差しを見つけ、不安そうに戻ってきて尋ねた。「関節はどこにあるの?」

「まず、首に注いでくれ」ブリキの木こりが答えた。彼女が油を差すと、そこはひどく錆びついていた。かかしがブリキの頭を掴んで、滑らかに動くようになるまで優しく左右に揺らしてやった。やがて、男は自分の力で首を回せるようになった。

「次は腕の関節だ」と彼が言った。ドロシーが油を差し、かかしが慎重に腕を曲げていくと、錆が取れて新品同様に動くようになった。

ブリキの木こりは満足そうにため息をつくと、斧を下ろして木に立てかけた。

「ああ、楽になった。錆びついて以来、ずっとあの斧を空中に掲げたままだったからね。ようやく下ろせて嬉しいよ。さあ、足の関節にも油を注いでくれれば、もう完璧だ。」

彼らは男の足に、自由に動かせるようになるまで油を注いだ。男は何度も何度もお礼を言った。彼はとても礼儀正しく、感謝に溢れた様子だった。

「君たちが通りかからなければ、私は永遠にあのまま立っていたかもしれない。命を救われたも同然だ。いったいどうしてここへ?」

「私たちはエメラルドの都へ行って、大魔法使いのオズ様に会いに行く途中なの」彼女は答えた。「昨夜はあなたの小屋で一晩過ごしたわ。」

「なぜオズに会いたいんだい?」

「私はカンザスへ帰してもらうため。かかしさんは、頭の中に脳みそを入れてもらうためよ。」

ブリキの木こりは、しばらく深く考え込んでいるようだった。やがて彼はこう言った。

「オズは私に心を――心臓をくれるだろうか?」

「ええ、きっと大丈夫よ」ドロシーは答えた。「かかしさんに脳みそをあげるのと同じくらい、簡単なことでしょうから。」

「そうだな」ブリキの木こりは答えた。「それなら、私も一行に加えてくれないか。エメラルドの都へ行って、オズに助けてもらいたいんだ。」

「ぜひ一緒に来なさい」かかしが快く答え、ドロシーも喜んで同行を承諾した。ブリキの木こりは斧を肩に担ぎ、一行は再び森を抜けて、黄色のレンガの道へと向かった。

ブリキの木こりはドロシーに、油差しを籠に入れておいてほしいと頼んだ。「もし雨に降られてまた錆びついたら、どうしても必要だからね。」

新しい仲間が加わったのは幸運だった。旅を再開して間もなく、道が木々や枝でひどく塞がれて通れない場所に差し掛かった。だがブリキの木こりは斧を振るい、実に見事に道を切り開いて、全員が通れるようにしてくれた。

ドロシーは考え事をしながら歩いていたので、かかしが穴につまずいて道の脇へ転げ落ちたのにも気づかなかった。かかしは彼女を呼んで、助け起こしてもらわなければならなかった。

「どうして穴を避けて歩かなかったんだい?」ブリキの木こりが尋ねた。

「僕には知恵がないからね」かかしは明るく答えた。「頭の中には藁が詰まっているんだ。だからオズに会いに行って、脳みそを分けてもらおうとしているのさ。」

「ああ、なるほど」ブリキの木こりは言った。「だが、結局のところ、脳みそがこの世で一番いいものだとは限らないよ。」

「君は持っているのかい?」かかしが聞き返した。

「いいえ、私の頭も空っぽだ」木こりは答えた。「だが、かつては脳みそも、そして心もあった。両方を経験した私からすれば、脳みそよりも心を持っている方がずっといい。」

「それはどうしてだい?」かかしが尋ねた。

「私の身の上話をしましょう。そうすれば分かるはずだ。」

森の中を歩きながら、ブリキの木こりは次のような物語を語り始めた。

「私は森で木を切り倒し、それを売って生計を立てていた木こりの息子として生まれた。大人になると私も木こりになり、父が死んだ後は年老いた母が亡くなるまで世話をした。それから私は、一人で暮らすよりも結婚して寂しくないようにしようと決めたのだ。

あるマンチキンの娘がいて、あまりの美しさに私はたちまち心から彼女を愛するようになった。彼女もまた、私がもっと立派な家を建てるだけの金を稼いだら結婚すると約束してくれた。だから私は、これまで以上に一生懸命働いた。だが、その娘と一緒に暮らしていた老婆が、結婚に反対したのだ。その老婆はひどく怠け者で、娘にずっとそばにいて家事や料理をさせたいと思っていたからだ。そこで老婆は東の悪い魔女のところへ行き、もし結婚を邪魔してくれたら羊二頭と牛一頭を差し出すと約束した。すると悪い魔女は私の斧に魔法をかけた。ある日、一日も早く家を建てて妻を迎えようと必死に斧を振るっていたら、突然斧が滑って私の左足を切り落としてしまったのだ。

最初はとんだ不運だと思った。片足の男では木こりの仕事も満足にできないからね。そこで私はブリキ職人のところへ行き、ブリキで新しい足を作ってもらった。慣れてしまえば、その足は実にうまく動いた。だが、このことが東の悪い魔女を怒らせた。あの老婆に、私を結婚させないと約束していたからだ。私が再び仕事を始めると、また斧が滑って右足を切り落とした。再びブリキ職人のもとへ行き、またブリキの足を作ってもらった。その後も、呪われた斧は私の腕を一本ずつ切り落としていったが、私は屈せず、それらもブリキに替えてもらった。ついには魔女の魔法で斧が滑り、私の頭をも切り落とした。これで最後かと思ったが、たまたま通りかかったブリキ職人が、ブリキで新しい頭を作ってくれたのだ。

これで魔女に勝ったと思った。私は以前にも増して懸命に働いた。だが、敵がいかに残酷であるかを私はまだ知らなかった。魔女は、美しいマンチキンの娘に対する私の愛を消し去るための新しい方法を思いついたのだ。またしても斧が滑り、今度は私の胴体を真っ二つに切り裂いた。またもやブリキ職人が助けてくれ、ブリキの胴体を作り、そこに関節でブリキの腕や足や頭を繋ぎ合わせてくれた。おかげで私は以前と同じように動けるようになった。だが、悲しいかな! 私にはもう『心』がなかった。マンチキンの娘に対する愛をすべて失ってしまったのだ。彼女と結婚しようがしまいが、どうでもよくなってしまった。彼女は今でもあの老婆と暮らしながら、私が迎えに来るのを待っているのだろう。

私の体は太陽の下でまばゆいほどに輝き、私はそれを誇らしく思った。今や斧が滑っても、体が切れる心配はないからね。ただ一つの危険は、関節が錆びつくことだった。だから私は小屋に油差しを置き、必要なときはいつでも自分に油を差すように気をつけていた。しかし、ある日それを忘れてしまった。雨に降られ、危険に気づく前に関節が錆びついて動けなくなり、君たちが助けに来てくれるまで、森の中に立ち尽くすことになったのだ。過酷な経験だったが、あの一年の間、私はじっくり考える時間を得た。私が失った最大のもの、それはやはり『心』だった。恋をしていた頃、私は地上で一番幸せな男だった。だが、心を持たない者は愛することができない。だから私はオズに心をくれるよう頼むことに決めたのだ。もし心が手に入ったら、あのマンチキンの娘のところへ戻って結婚するつもりだ。」

ドロシーもかかしも、ブリキの木こりの話に深く聞き入った。彼がなぜそれほどまでに新しい心を欲しがっているのか、今やよく分かった。

「それでも」とかかしが言った。「僕は心よりも脳みそを頼むよ。馬鹿な奴は、心を持っていてもそれをどう扱えばいいか分からないだろうからね。」

「私は心を選ぶ」ブリキの木こりは答えた。「脳みそがあっても幸せになれるとは限らないが、幸福こそがこの世で最高の宝物なのだから。」

ドロシーは何も言わなかった。二人の友人のどちらが正しいのか、彼女には判断がつかなかったのだ。彼女にとっては、カンザスのエムおばさんのもとへ帰ることさえできれば、木こりに脳みそがなかろうがかかしに心がなかろうが、あるいは二人が望むものを手に入れようが、それほど大きな問題ではなかった。

何より彼女を悩ませていたのは、パンがもうほとんど底を突きかけていることだった。自分とトトがあと一食でも食べれば、籠は空っぽになってしまう。木こりやかかしは食事をしないが、彼女はブリキでも藁でもない。食べなければ生きていけないのだから。

第六章 臆病なライオン

ドロシー一行は、深い森の中を延々と歩き続けていた。道は相変わらず黄色のレンガで舗装されていたが、あちこちが木々から落ちた枯れ枝や枯れ葉に覆われ、お世辞にも歩きやすいとは言えなかった。

森のこの辺りには鳥の姿がほとんどない。鳥は陽光溢れる開けた土地を好むものだ。その代わり、時折、茂みの奥に潜む野生動物の低い唸り声が聞こえてきた。その不気味な響きに少女の鼓動は速くなった。正体が分からず怖かったのだ。だがトトには分かっていたようで、ドロシーのすぐそばを離れず、唸り返すことさえしなかった。

「森を抜けるまで、あとどのくらいかしら?」ドロシーがブリキの木こりに尋ねた。

「見当もつかない」彼は答えた。「私はエメラルドの都へ行ったことがないんだ。だが、昔父が行ったことがあってね。あそこまでは危険な国を抜ける長い旅になるが、オズの住む都に近づけば景色は美しくなるそうだ。でも大丈夫。私には油差しがあるし、かかしは傷つくことがない。それに君の額には良い魔女の口づけの跡がある。それが君を災いから守ってくれるはずだ。」

「でもトトは!」少女は不安げに言った。「トトを守ってくれるものは何もないわ。」

「危なくなったら、私たちが守ってやればいい」ブリキの木こりが答えた。

彼がそう言った瞬間、森の奥から凄まじい咆哮が響き渡り、次の瞬間、一頭の巨大なライオンが道へと飛び出してきた。ライオンは前足の一撃でかかしを弾き飛ばし、かかしは道の端まで何度も回転しながら転がっていった。次にライオンは鋭い爪でブリキの木こりに襲いかかった。だが、いくら引っ掻いてもブリキの体には傷一つつけられない。ライオンが驚いている間に、木こりは道に倒れ伏して動かなくなった。

小さなトトは、立ち向かうべき敵を目の前にして、ライオンに向かって吠えながら駆け寄った。百獣の王がその大きな口を開けて犬を噛み殺そうとしたその時、ドロシーはトトの危機を察して前後不覚になり、前に飛び出してライオンの鼻面を思い切り平手打ちした。

「トトを噛むなんて許さないわ! あなたみたいな大きな獣が、こんなに小さな犬を噛もうとするなんて、恥ずかしくないの!」

「噛んでないよ」ライオンは、ドロシーに叩かれた鼻を前足でさすりながら言った。

「いいえ、やろうとしたわ」ドロシーが言い返した。「あなたはただの大きな弱虫よ。」

「分かっているさ」ライオンは恥じ入ってうなだれた。「ずっと前から分かっていたことだ。でも、どうしようもないんだよ。」

「どうしようもないですって。あんな中身が藁の人、可哀想なかかしさんを叩くなんて!」

「中身が藁なのかい?」ライオンは驚いて、ドロシーがかかしを抱き起こし、形を整えながら立たせる様子を見つめて尋ねた。

「そうよ、藁が詰まっているの」ドロシーはまだ怒りが収まらない様子で答えた。

「だからあんなに軽々と回っていったのか」ライオンは納得したように言った。「くるくる回るのを見て、たまげたよ。あっちのもう一人も、藁なのかい?」

「いいえ」ドロシーは言った。「あの方はブリキでできているの。」

彼女は木こりが立ち上がるのを手伝った。

「それで俺の爪が鈍りそうになったわけだ」ライオンは言った。「ブリキを引っ掻いたとき、背筋がゾッとしたよ。ところで、君がそんなに大事にしている小さな動物は何だい?」

「私の犬よ、トトっていうの」ドロシーが答えた。

「そいつもブリキなのかい? それとも藁が詰まっているのか?」ライオンが尋ねた。

「どっちでもないわ。この子は……その、お肉でできた犬よ。」

「へえ! 妙な動物だな。こうして見ると、驚くほど小さい。俺みたいな臆病者じゃなきゃ、あんなちっぽけなものを噛もうなんて思いもしないだろうな」ライオンは悲しげに続けた。

「どうして自分が臆病だと思うの?」ドロシーは、小さな馬ほどの大きさもあるこの巨獣を不思議そうに見つめて尋ねた。

「謎なんだ」ライオンは答えた。「生まれつきこうなんだろう。森の他の動物たちは、俺が勇敢だと思い込んでいる。ライオンはどこでも『百獣の王』だとされているからな。大きな声で吠えれば、生きとし生けるものが皆震え上がって道を空けることを学んだよ。人間に会ったときも、実は死ぬほど怖かったんだが、思い切り吠えてみせたら、あいつら一目散に逃げていった。もし象や虎や熊が本気で俺に立ち向かってきたら、俺の方こそ逃げ出していただろうな――俺はそれほどの臆病者なんだ。でも、俺の咆哮を聞いただけでみんな逃げていくから、もちろんそのまま逃がしてやるのさ。」

「でも、それは良くないわ。百獣の王が臆病だなんて」かかしが言った。

「分かっているよ」ライオンは尻尾の先で目元の涙を拭いながら答えた。「それが俺の最大の悩みで、人生をとても不幸にしているんだ。危ないことがあると、すぐに心臓がドキドキし始めるんだから。」

「心臓病かもしれないな」ブリキの木こりが言った。

「そうかもしれない」ライオンが同意した。

「もしそうなら」ブリキの木こりは続けた。「喜ぶべきだよ。それは君に心臓があるという証拠なのだから。私には心がない。だから心臓病にもなれないんだ。」

「そうか」ライオンは考え込んだ。「もし俺に心臓がなかったら、こんな臆病者にならずに済んだのかもしれないな。」

「君には脳みそがあるのかい?」かかしが尋ねた。

「あると思うよ。中を見たことはないがね」ライオンは答えた。

「僕は大魔法使いのオズに、脳みそを分けてもらいに行くところなんだ」かかしが言った。「僕の頭には藁が詰まっているから。」

「私は心をくれるよう頼みに行くんだ」木こりが言った。

「私はトトと一緒にカンザスへ帰してもらうよう頼むつもりよ」ドロシーも加わった。

「オズは俺に『勇気』をくれるだろうか?」臆病なライオンが尋ねた。

「かかしに脳みそをあげるのと同じくらい簡単だろうね」かかしが言った。

「私に心をくれるのと同じくらいだろう」ブリキの木こりが言った。

「私をカンザスに帰すのと同じくらいだわ」ドロシーが言った。

「それなら、俺も一緒に行ってもいいかな」ライオンが言った。「勇気のない人生なんて、もう耐えられないんだ。」

「ええ、大歓迎よ」ドロシーが答えた。「あなたがいてくれれば、他の猛獣を追い払ってくれるもの。あなたに簡単に驚かされるあいつらの方が、よっぽど臆病なんだわ、きっと。」

「全くだよ」ライオンは言った。「でも、それが俺を勇気づけるわけじゃない。自分が臆病だと分かっている限り、俺は不幸なままなのさ。」

こうして、小さな一行は再び旅を始めた。ライオンはドロシーの隣を堂々とした足取りで歩いた。トトは最初、この新しい仲間を警戒していた。ライオンの大きな顎に押しつぶされそうになった恐怖が忘れられなかったからだ。しかし、やがて打ち解け、いつの間にかトトと臆病なライオンは仲良しの友人になっていた。

その日の残りの旅路は、平和そのものだった。一度だけ、ブリキの木こりが道を這っていた甲虫を踏み潰して殺してしまったことがあった。心優しい木こりは、生き物を傷つけないよう常に気をつけていたので、ひどく落ち込み、後悔のあまり涙を流した。その涙が頬を伝って顎の蝶番に流れ込み、そこで錆びついてしまった。ドロシーが質問を投げかけたとき、木こりは口を開くことができなかった。顎が錆びて固まってしまったのだ。彼は狼狽し、身振り手振りでドロシーに助けを求めたが、彼女には何が起きたのか分からなかった。ライオンも不思議そうにしていた。だが、かかしがドロシーの籠から油差しを引ったくり、木こりの顎に油を注いでやった。数分後、彼は再び自由に話せるようになった。

「いい教訓になった」と彼は言った。「足元をよく見て歩かなきゃ。もしまた虫を殺して泣いてしまったら、顎が錆びて話せなくなってしまうからな。」

それ以来、彼は道の小さな蟻さえも踏まないように、足元を注意深く見つめながら歩いた。ブリキの木こりは自分に心がないことをよく分かっていたので、それゆえに、決して残酷なことや不親切なことをしないよう、細心の注意を払っていたのだ。

「心を持っている人たちには」と彼は言った。「自分を導いてくれるものがあるから、道を誤ることはないだろう。だが私にはそれがないから、とても気をつけなきゃいけないんだ。オズが私に心をくれたら、これほど神経質にならなくて済むんだろうけれど。」

第七章 大魔法使いへの旅路

その夜、近くに民家がなかったため、一行は森の大きな木の下で野宿をすることにした。その木は茂った葉で露を防いでくれ、ブリキの木こりが斧で薪を山ほど用意したおかげで、ドロシーは立派な焚き火を起こすことができた。火は彼女の体を温め、孤独な気分を和らげてくれた。ドロシーとトトは最後のパンを食べ終えた。明日の朝食をどうしたものか、彼女には見当もつかなかった。

「よければ」ライオンが言った。「俺が森へ行って鹿を仕留めてこよう。それを火で焼いて食べるといい。君たちは調理した食べ物を好むという変わった趣向を持っているようだからね。そうすれば、素晴らしい朝食になるだろう。」

「やめて! お願いだから」ブリキの木こりが懇願した。「可哀想な鹿を殺したりしたら、私は絶対に泣いてしまう。そうしたらまた顎が錆びてしまうよ。」

そこでライオンは一人で森へ入り、自分の夕食を済ませてきた。それが何であったか、彼は口にしなかったので誰も知る由もなかった。かかしは木の実がいっぱいなっている木を見つけ、ドロシーの籠をそれでいっぱいにしてくれた。これでしばらくは空腹をしのげるだろう。ドロシーはかかしの親切を嬉しく思ったが、その不器用な収穫の様子には思わず吹き出してしまった。パッドの入った手はひどく無骨で、木の実はあまりに小さく、籠に入れるそばから同じくらいの量を地面に落としていたからだ。だが、かかしはどれほど時間がかかっても気にしなかった。彼は火に近づくのを恐れていたのだ。火花が藁に飛んで、燃えてしまうのが怖かった。だから彼は火から十分な距離を保ち、ドロシーが眠りに就くときに乾いた葉っぱをそっと掛けてあげる時だけ近づいた。その葉っぱのおかげで、ドロシーは朝まで暖かくぐっすりと眠ることができた。

夜が明けると、少女はさらさら流れる小川で顔を洗い、一行はエメラルドの都へと出発した。

この日は、旅人たちにとって波乱に満ちた一日となる。歩き始めて一時間も経たないうちに、行く手に巨大な溝が現れたのだ。その溝は道を分断し、森の両側へ果てしなく続いていた。縁まで歩み寄って中を覗き込むと、底は気が遠くなるほど深く、鋭く切り立った岩がいくつも突き出していた。壁面はあまりに急で、誰も下りることはできない。彼らの旅は、ここで終わりを告げたかのように見えた。

「どうすればいいの?」ドロシーは絶望的な声を上げた。

「さっぱり思いつかない」ブリキの木こりが答え、ライオンはふさふさのたてがみを揺らしながら考え込んだ。

だが、かかしが言った。「僕たちは飛べない、これは確かだ。この巨大な溝を下りることもできない。だから、飛び越えられない限り、ここで立ち止まるしかないよ。」

「俺なら、飛び越えられるかもしれない」臆病なライオンが、頭の中で距離を測りながら言った。

「それなら解決だ」かかしが答えた。「君が一人ずつ僕たちを背中に乗せて、向こう側へ運んでくれればいい。」

「よし、やってみよう」ライオンが言った。「誰から行く?」

「僕だ」かかしが名乗りを上げた。「もし君が飛び損ねて谷底へ落ちたとしても、ドロシーなら死んでしまうし、ブリキの木こりなら岩に当たって体が凹んでしまう。でも、僕なら落ちても痛くないからね。」

「俺だって落ちるのは死ぬほど怖いよ」ライオンは言った。「でも、やってみるしかなさそうだ。さあ、背中に乗りなよ。挑戦だ。」

かかしがライオンの背にまたがると、巨獣は谷の縁まで歩み、身を屈めた。

「助走をつけて飛ばないの?」かかしが尋ねた。

「ライオンのやり方はそうじゃないんだよ」彼はそう答えると、力強く踏み切った。巨体は宙を舞い、無事に向こう岸へと着地した。あまりにも鮮やかな跳躍に皆が喜んだ。かかしが背中から下りると、ライオンは再び溝を飛び越えて戻ってきた。

次は自分だと考えたドロシーは、トトを腕に抱き、ライオンの背中に登った。片手でたてがみをしっかりと掴む。次の瞬間、空を飛んでいるかのような感覚が襲い、考える間もなく、気づけば向こう側に立っていた。ライオンは三度戻ってブリキの木こりを運んだ。それから一同は、ライオンが休息するのを待つために少し腰を下ろした。あの大きな跳躍のせいでライオンは息を切らし、走りすぎた大きな犬のようにハアハアと肩を揺らしていた。

こちら側の森はさらに木々が密集し、辺りは暗く沈んだ雰囲気が漂っていた。ライオンが回復すると、一行は黄色のレンガの道を進み始めた。それぞれが、この暗い森を抜けて明るい陽光の下に出られる日は来るのだろうかと心の中で案じていた。追い打ちをかけるように、森の奥深くから奇妙な物音が響いてきた。ライオンは声を潜め、この辺りにはカリダが住んでいるのだと教えた。

「カリダってなあに?」少女が尋ねた。

「体は熊、頭は虎という怪物のことだ」ライオンが答えた。「あいつらの爪はとても長くて鋭い。トトを殺すのと同じくらい簡単に、俺の体を真っ二つに引き裂くだろう。カリダは本当に恐ろしいよ。」

「怖がるのも無理はないわ」ドロシーは言った。「なんて恐ろしい獣なんでしょう。」

ライオンが答えようとしたその時、行く手に再び深い谷が現れた。だが今度の谷は、ライオンが一目見ただけで飛び越えられないと分かるほど幅が広かった。

一同は腰を下ろし、どうすべきか知恵を絞った。熟考の末、かかしが言った。

「道のすぐ脇に大きな木が立っているね。もしブリキの木こりがこの木を、向こう岸へ届くように切り倒してくれたら、簡単に歩いて渡れるよ。」

「それは名案だ」ライオンが言った。「君の頭の中には、藁じゃなくて脳みそが入っているんじゃないかと疑いたくなるよ。」

木こりはすぐに作業に取りかかった。斧の切れ味は抜群で、ほどなくして大木は切り倒されそうになった。そこでライオンが逞しい前足を木に当てて力いっぱい押し込むと、巨木はバリバリと音を立ててゆっくりと傾き、向こう岸の枝を叩いて橋のように横たわった。

一行がこの奇妙な橋を渡り始めたその時、鋭い唸り声が響き、全員が顔を上げた。恐怖に凍りついた彼らの視線の先には、熊の体と虎の頭を持つ二頭の巨大な獣がこちらに向かって走ってきていた。

「カリダだ!」臆病なライオンがガタガタと震え始めた。

「急いで!」かかしが叫んだ。「早く向こうへ渡るんだ!」

まずドロシーがトトを抱いて渡り、次にブリキの木こり、その次にかかしが続いた。ライオンは内心死ぬほど怖がっていたが、カリダに立ち向かうために振り返り、恐るべき咆哮を轟かせた。そのあまりの凄まじさに、ドロシーは悲鳴を上げ、かかしは仰向けにひっくり返った。獰猛なカリダたちでさえ、一瞬足を止めて驚いたほどだった。

しかし、自分たちの方がライオンよりも大きく、しかも二頭対一頭であることを思い出すと、カリダたちは再び突進してきた。ライオンは倒れた木を渡りきり、敵がどう出るかを見守った。カリダたちは躊躇することなく、やはり木の上を渡り始めた。ライオンはドロシーに言った。

「もうおしまいだ。あの鋭い爪でバラバラにされてしまう。だが、俺の後ろに隠れていろ。命のある限り戦ってやる。」

「待って!」とかかしが叫んだ。彼は最善の策を練っていたのだ。彼は木こりに、自分たちの側の木の根元を切り落とすよう命じた。ブリキの木こりが猛烈な勢いで斧を振るうと、二頭のカリダがちょうど渡りきろうとしたその瞬間、巨木は轟音と共に谷底へ崩れ落ちた。唸り声を上げる醜悪な獣たちを道連れにして。二頭は底にある鋭い岩に叩きつけられ、粉々になった。

「ふう」臆病なライオンは、安堵のため息を深くついた。「どうやらもう少しだけ長生きできそうだ。嬉しいよ、生きていないというのは随分と居心地が悪そうだからね。あいつらにひどく脅かされたせいで、まだ心臓がバクバクしているよ。」

「ああ」ブリキの木こりが悲しげに言った。「私にもバクバクする心があればいいのに。」

この一件で、一行は一刻も早く森を抜け出したいという思いを強くした。ドロシーが疲れて歩けなくなるほどの速さで進み、彼女はライオンの背中に乗せてもらった。進むにつれて木々はまばらになり、彼らの喜びは増していった。午後のこと、突然、眼前に幅の広い川が勢いよく流れているのが現れた。川の向こう岸には、色鮮やかな花々が点在する緑の牧草地が広がり、道の両側には美味しそうな果実がたわわに実る木々が立ち並ぶ、美しい景色の中に黄色のレンガの道が続いていた。この晴れやかな光景を目の当たりにして、彼らは大いに喜んだ。

「どうやって川を渡りましょう?」ドロシーが尋ねた。

「簡単なことさ」かかしが答えた。「ブリキの木こりに筏を作ってもらって、向こう岸まで流れていけばいい。」

そこで木こりは斧を振るい、筏を作るための小さな木を切り倒し始めた。彼が作業に没頭している間、かかしは川岸に見事な実をつけた木を見つけた。一日中木の実しか食べていなかったドロシーは大喜びし、熟した果実で心ゆくまで腹を満たした。

だが、勤勉で疲れ知らずのブリキの木こりをもってしても、筏作りには時間がかかる。夜になっても完成しなかったため、彼らは木の下に心地よい場所を見つけて眠ることにした。ドロシーはエメラルドの都の夢を見た。そして、すぐに自分を家へ帰してくれるであろう、親切な魔法使いオズの夢を。

第八章 恐ろしいケシの原

小さな旅の一行は翌朝、爽快な気分と希望に満ちて目を覚ました。ドロシーは川沿いの木から桃やプラムを摘み、お姫様のような朝食をとった。背後には数々の困難を乗り越えて抜けてきた暗い森が広がり、前方にはエメラルドの都へと誘うような、太陽の光が降り注ぐ美しい国が広がっていた。

もちろん、今はこの広い川がその美しい土地との間を隔てている。だが筏はほぼ完成しており、ブリキの木こりがさらに数本の丸太を切り出し、木の釘で繋ぎ合わせると、いよいよ出発の準備が整った。ドロシーは筏の真ん中に座り、トトを腕に抱いた。臆病なライオンが乗り込むと、その巨体と重みで筏が大きく傾いたが、かかしと木こりが反対側に立ってバランスを取り、長い棒を手に取って水面を押し始めた。

最初は順調だったが、川の真ん中まで来ると、激しい流れが筏を押し流し始め、黄色のレンガの道からどんどん引き離されていった。しかも水深が深くなり、長い棒が川底に届かなくなってしまった。

「これはまずいぞ」ブリキの木こりが言った。「岸にたどり着けなければ、西の悪い魔女の国へ流されてしまう。そうなれば魔法をかけられて、あいつの奴隷にされてしまうだろう。」

「そうなれば、僕は脳みそをもらえない」とかかしが言った。

「俺は勇気をもらえない」と臆病なライオンが言った。

「私は心をもらえない」とブリキの木こりが言った。

「私は二度とカンザスへ帰れないわ」とドロシーが言った。

「何としてもエメラルドの都へ行かなければ」かかしはそう言うと、力いっぱい棒を突き立てた。すると、棒が川底の泥に深く突き刺さってしまった。抜くことも、手を離すこともできないうちに筏は流され、可哀想なかかしは川の真ん中で棒にしがみついたまま取り残されてしまった。

「さようなら!」彼が叫ぶ声が聞こえ、一行は彼を残していくのを心から惜しんだ。ブリキの木こりは泣き出したが、幸いにも錆びることを思い出し、ドロシーのエプロンで涙を拭った。

かかしにとっても、これは最悪の事態だった。

「ドロシーに出会った時よりもひどい有様だ」と彼は思った。「あの時はトウモロコシ畑の棒の上で、カラスを驚かすふりくらいはできた。でも、川の真ん中で棒に突き刺さっているかかしなんて、何の役にも立ちゃしない。結局、僕は一生脳みそを持てないのか……」

筏は下流へ流され、哀れなかかしは遠く後ろへ消えていった。するとライオンが言った。

「俺たちを救うために、何かしなきゃならない。俺が岸まで泳いで、この筏を引っ張っていけると思う。君たちが俺の尻尾の先をしっかり掴んでいればね。」

彼は川に飛び込み、ブリキの木こりがその尻尾をがっしりと掴んだ。ライオンは巨体を躍らせ、岸に向かって懸命に泳ぎ始めた。その巨体をもってしても重労働だったが、やがて激しい流れから抜け出すことができた。ドロシーも木こりの長い棒を借りて筏を押し、ようやく一行は岸にたどり着いた。

美しい緑の芝生の上に降り立った時、全員が疲れ切っていた。川の流れに流され、エメラルドの都へ続く黄色のレンガの道からは、ずいぶん遠ざかってしまったことを悟った。

「さて、どうしましょう?」ライオンが太陽の下で体を乾かすために横たわっている間、ブリキの木こりが尋ねた。

「どうにかして、あの道に戻らなきゃ」ドロシーが言った。

「川沿いに歩いていけば、いつかあの道に出るだろう」ライオンが提案した。

休息を終えると、ドロシーは籠を持ち上げ、一行は川沿いの芝生を進み始めた。川に流される前にいたあの道を目指して。周囲は花々が咲き乱れ、果実が実り、太陽の光が降り注ぐ美しい国だった。かかしのことが心配でなければ、さぞかし幸せな気分だっただろう。

彼らは足早に進んだ。ドロシーが一度、美しい花を摘むために足を止めた以外は立ち止まることもなかった。しばらくして、ブリキの木こりが叫んだ。「見て!」

全員が川の方へ目を向けると、そこには川の真ん中の棒にしがみつき、寂しげで悲しそうな顔をしたかかしの姿があった。

「どうすれば助けてあげられるかしら?」ドロシーが尋ねた。

ライオンも木こりも、どうしていいか分からず首を振るばかりだった。一同が岸に座り込み、かかしを恨めしそうに見つめていると、一羽のコウノトリが通りかかり、一行の姿を見つけて水際で羽を休めた。

「あなた方は誰? どこへ行くところ?」コウノトリが尋ねた。

「私はドロシー」少女が答えた。「こっちは友達のブリキの木こりと臆病なライオン。エメラルドの都へ行く途中なの。」

「ここは道じゃないわよ」コウノトリは長い首を曲げ、奇妙な一団を鋭い目で見つめて言った。

「ええ、分かっているわ。でも、かかしさんと離ればなれになってしまって。どうすれば助けられるか考えていたの。」

「あの方はどこに?」

「あそこの川の真ん中にいるわ。」

「あの方がもっと軽ければ、私が運んできてあげるのだけれど」コウノトリが言った。

「あの方は少しも重くないわ!」ドロシーは身を乗り出して言った。「中身は藁なんですもの。もし連れ戻してくれたら、一生感謝するわ。」

「そうね、やってみましょう。でも、もし運べないほど重かったら、また川に落としてしまうかもしれないわよ。」

大鳥は空へ舞い上がり、川を越えてかかしが棒にしがみついている場所まで飛んでいった。そして大きな爪でかかしの腕をがっしりと掴むと、再び空へ上がり、ドロシーたちが待つ川岸へと彼を運んできた。

かかしは再び友人たちの間に戻れると分かった時、あまりの嬉しさに全員を抱きしめた。ライオンやトトまでも。歩きながら彼は「トル・デ・リ・デ・オー!」と上機嫌で歌い、喜びを爆発させた。

「一生あの川にいることになるかと思ったよ」と彼は言った。「でも親切なコウノトリさんが助けてくれた。もし脳みそを手に入れたら、いつかコウノトリさんを見つけて恩返しをするんだ。」

「気にしないで」コウノトリは一行の横を飛びながら言った。「困っている人を助けるのは当然のことよ。でも、私はもう行かなくちゃ。巣で子供たちが待っているから。エメラルドの都が見つかって、オズ様が助けてくださるといいわね。」

「ありがとう」ドロシーが答えると、優しいコウノトリは空高く舞い上がり、すぐに視界から消えていった。

一行は鮮やかな色の鳥たちのさえずりに耳を傾け、美しい花々を眺めながら歩き続けた。花々は次第に密集し、地面を埋め尽くす絨毯のようになった。黄色、白、青、紫の大きな花に混じって、深紅のケシの花の大群落が現れた。その色はあまりに鮮烈で、ドロシーの目がくらむほどだった。

「なんて美しいのかしら」明るい花々のスパイシーな香りを吸い込みながら、少女は言った。

「そうかもね」かかしが答えた。「脳みそがあれば、もっと好きになれるんだろうけれど。」

「心さえあれば、大好きになったでしょうに」ブリキの木こりも言った。

「俺は昔から花が好きだった」ライオンが言った。「弱々しくて、儚げに見えるからな。でも、森にはこんなに明るい花はなかったよ。」

進むにつれて深紅のケシの花は増え、他の花々は姿を消していった。気づけば彼らは広大なケシの原の真っ只中にいた。ところで、これほど多くのケシが密集している場所では、その香りが極めて強烈になり、吸い込んだ者は深い眠りに落ちてしまうことはよく知られている。そして、香りの届かない場所へ運び出されない限り、その者は永遠に眠り続けることになるのだ。だがドロシーはそのことを知らなかったし、辺り一面に広がる鮮やかな赤い花から逃れることもできなかった。やがて彼女の瞼は重くなり、どうしても座って休みたくなり、眠気に襲われた。

だが、ブリキの木こりはそれを許さなかった。

「急いで。暗くなる前に黄色のレンガの道に戻らなきゃ」彼は言った。かかしもそれに同意した。彼らは歩き続けたが、ドロシーはもう立っていられなくなった。抗いようもなく目は閉じ、自分がどこにいるかも分からなくなり、ケシの花の中に崩れ落ちて深い眠りに落ちた。

「どうしましょう?」ブリキの木こりが尋ねた。

「ここに置いていけば、彼女は死んでしまう」ライオンが言った。「この花の香りが俺たちを殺そうとしているんだ。俺だって、もう目を開けていられない。犬はもう眠っているぞ。」

その通りだった。トトは小さな主人のそばで眠り込んでいた。だが、肉体を持たないかかしかブリキの木こりは、花の香りに悩まされることはなかった。

「走るんだ!」かかしがライオンに向かって叫んだ。「一刻も早くこの恐ろしい花畑から抜け出すんだ。お嬢さんは僕たちが連れて行く。だが君が眠ってしまったら、大きすぎて運べないよ。」

ライオンは自分を奮い立たせ、持てる限りの力で前方へ駆け出した。一瞬で彼の姿は見えなくなった。

「手で椅子を作って、彼女を運ぼう」かかしが提案した。彼らはトトを拾い上げてドロシーの膝に載せると、手と腕を組んで椅子を作り、眠れる少女を支えて花の間を進んだ。

歩いても歩いても、死の香りを放つ花の絨毯は終わらないかに見えた。川の曲がり角に沿って進み続け、ようやく友人であるライオンがケシの中で深く眠り込んでいるのを見つけた。百獣の王をもってしても花の魔力には勝てず、ついには力尽きたのだ。ケシの原が終わるまであとわずか、その先には美しい緑の野原が広がっているという場所で、彼は倒れていた。

「俺たちには何もできない」ブリキの木こりは悲しげに言った。「あいつを持ち上げるには重すぎる。ここに残して永遠の眠りにつかせるしかない。せめて、夢の中でようやく勇気を見つけられるといいな。」

「残念だよ」かかしかも言った。「臆病なわりには、いい相棒だったのに。さあ、行こう。」

二人は眠っている少女を川沿いの心地よい場所まで運び出した。ケシの毒をこれ以上吸い込まないように十分な距離を置き、柔らかな草の上に彼女をそっと横たえた。そして、涼やかな風が彼女を呼び覚ましてくれるのをじっと待った。

第九章 野ねずみの女王

「黄色のレンガの道までは、もう遠くないはずだ」眠る少女の傍らでかかしが言った。「川に流された分と同じくらいは歩いてきたからね。」

ブリキの木こりが答えようとしたその時、低い唸り声が聞こえてきた。蝶番のおかげでスムーズに動く頭を巡らせると、奇妙な獣が草の上をこちらに向かって猛烈な勢いで駆けてくるのが見えた。それは巨大な黄色い山猫だった。耳を伏せ、醜い歯を剥き出しにして口を大きく開け、火の玉のような赤い目を爛々と輝かせている。何かを追いかけているに違いない。木こりはさらに目を凝らすと、その獣の前を小さな灰色の野ねずみが必死に逃げているのが見えた。木こりには心がなかったが、山猫があんなに小さくて無害な生き物を殺そうとするのは間違っていると思った。

そこで木こりは斧を振り上げ、山猫がそばを通り過ぎる瞬間に鋭い一撃を食らわせた。山猫の首は胴体から鮮やかに切り離され、二つの肉塊となって彼の足元に転がった。

敵から解放された野ねずみは、急に足を止めた。そして、おずおずと木こりのもとに歩み寄り、小さな甲高い声で言った。

「ああ、ありがとうございます! 私の命を救ってくださって、本当にありがとうございました。」

「お礼には及びませんよ」木こりは答えた。「私は心を持っていませんが、困っている友人がいれば、たとえそれがネズミ一匹であっても、助けるように気をつけているのです。」

「ネズミ一匹ですって!」小さな動物は憤然として叫んだ。「私は女王なのです。すべての野ねずみたちの女王なのですわ!」

「おや、それは失礼いたしました」木こりはお辞儀をした。

「ですから、私の命を救ったことは、勇敢であると同時に、とても大きな偉業なのですわ」と女王は付け加えた。

その時、大勢のネズミたちが小さな足で一生懸命駆けてくるのが見えた。彼らは女王の姿を見ると叫んだ。

「ああ、女王陛下! 殺されてしまったかと思いました! あの恐ろしい山猫から、どうやって逃げ延びたのですか?」

ネズミたちは皆、小さな女王に対して、逆立ちしそうなほど深くお辞儀をした。

「この風変わりなブリキの男が」彼女は答えた。「山猫を殺して私を救ってくれたのです。だからこれからは、皆でこの方に仕え、どんな望みも聞き届けるのですよ。」

「承知いたしました!」ネズミたちは甲高い声で一斉に応じた。そして、彼らはあちこちへ散らばっていった。ちょうどトトが目を覚まし、周りにたくさんのネズミがいるのを見て、大喜びで一吠えし、群れの真ん中に飛び込んだからだ。カンザスにいた頃からネズミを追いかけるのが大好きだったトトに、悪気はなかった。

だが、ブリキの木こりはトトを腕の中にがっしりと抱え込むと、ネズミたちに呼びかけた。「戻っておいで! 大丈夫だ。トトには指一本触れさせないよ。」

それを聞いて、ネズミの女王は草むらから顔を出し、不安げな声で尋ねた。「本当にかじられたりしませんか?」

「私がさせません。だから安心しなさい」木こりは言った。

ネズミたちは一匹、また一匹と這い戻ってきた。トトは木こりの腕から抜け出そうと暴れ、もし相手がブリキでできていなければ噛みついていただろうが、もう吠えることはしなかった。やがて、一番大きなネズミが進み出て言った。

「女王陛下の命を救っていただいたお礼に、私たちができることはありますか?」

「思いつくことはないけれど……」木こりが答えたが、知恵を絞っていたかかしが――頭の中は藁だったが――素早く言った。「ああ、あるよ。ケシの原で眠り込んでいる僕たちの友達、臆病なライオンを救い出してほしいんだ。」

「ライオンですって!」小さな女王は叫んだ。「そんな、私たちを皆食べてしまいますわ。」

「いいえ、そんなことはさせない」かかしは断言した。「あのライオンは臆病なんだ。」

「本当に?」ネズミが尋ねた。

「本人がそう言っているんだ」かかしは答えた。「僕たちの友人である君たちを傷つけるようなことは絶対にしない。もし彼を救うのを手伝ってくれたら、彼が君たちに優しくすることを僕が約束しよう。」

「分かりました」女王が言った。「あなたを信じましょう。私たちは何をすればいいのですか?」

「あなたを女王と呼び、命令に従うネズミたちはたくさんいるのかい?」

「ええ、何千匹もいますわ」彼女は答えた。

「それなら、できるだけ早く全員をここへ集めてほしい。そして、一匹ずつ長いひもを持ってこさせてくれ。」

女王は付き添いのネズミたちに向き直り、すぐに仲間に知らせるよう命じた。命令を聞くやいなや、彼らはあらゆる方向へ全速力で駆け去っていった。

「さて」かかしはブリキの木こりに言った。「君は川沿いのあの木へ行って、ライオンを運ぶための荷台を作ってくれ。」

木こりはすぐに木の方へ行き、作業を始めた。枝から葉や小枝を切り落とし、丸太を組み合わせて荷台を作った。木の釘で固定し、太い幹を輪切りにして四つの車輪を作った。彼があまりにも素早く見事に作業をこなしたので、ネズミたちが集まり始める頃には、荷台はもう完成していた。

ネズミたちは四方八方から集まってきた。大きなネズミ、小さなネズミ、中くらいのネズミ。数千匹はいただろう。どの一匹も口にひもをくわえていた。ちょうどその頃、ドロシーが長い眠りから覚めて目を開けた。自分が草の上に寝かされ、周りを数千匹のネズミが不安げに見つめているのを見て、彼女はひどく驚いた。だがかかしが事情をすべて説明してくれた。彼は威厳ある小さなネズミの方を向いて言った。

「ご紹介しましょう。こちらが女王陛下です。」

ドロシーが重々しく頷くと、女王はお辞儀をし、少女とすっかり仲良くなった。

かかしと木こりは、ネズミたちが持ってきたひもを使って、彼らを荷台に繋ぎ始めた。ひもの片端をネズミの首に結び、もう片端を荷台に固定していく。もちろん、荷台は引く側のネズミたちの一千倍も大きかったが、すべてのネズミが繋がれると、案外楽々と引くことができた。かかしと木こりも荷台に乗ることができ、一行はこの風変わりな「小馬」たちに引かれて、ライオンが眠る場所へと急いだ。

ライオンの巨体は重く、乗せるのは大変な作業だったが、なんとか荷台の上に引き上げた。女王はすぐに出発の命令を出した。ケシの中に長く留まれば、ネズミたちまで眠り込んでしまうのではないかと恐れたからだ。

最初は、いくら数が多いとはいえ、重い荷台を動かすのは至難の業に見えた。だが、木こりとかかしが後ろから押すと、動きはスムーズになった。やがて彼らはライオンをケシの原から連れ出し、花の毒ではなく甘く新鮮な空気を吸える緑の野原まで運び出した。

ドロシーは彼らを迎え、仲間を死の淵から救ってくれた小さなネズミたちに心からの感謝を伝えた。彼女はあの大きなライオンをとても気に入っていたので、救出されたことが嬉しくてたまらなかった。

ネズミたちは荷台から外されると、草むらを通ってそれぞれの家へと帰っていった。ネズミの女王が最後に残った。

「もしまた私たちが必要になったら」彼女は言った。「野原に出て呼びなさいな。私たちが聞きつけて、助けに駆けつけますわ。さようなら!」

「さようなら!」一同が答え、女王は走り去った。ドロシーはトトが後を追って彼女を脅かさないよう、しっかりと抱きかかえていた。

一行はライオンが目を覚ますのを待つことにし、かかしが近くの木から果実を摘んできてくれたので、ドロシーはそれを昼食として食べた。

第十章 門の守護者

臆病なライオンが目を覚ますまで、しばらく時間がかかった。ケシの中に長く横たわり、あの死の香りをたっぷり吸い込んでいたからだ。だが、ようやく目を開けて荷台から転げ落ちたとき、自分がまだ生きていることを知って、彼はこの上なく喜んだ。

「精一杯走ったんだが」彼は腰を下ろしてあくびをしながら言った。「あの花には勝てなかった。どうやって俺を運び出したんだ?」

彼らは野ねずみたちのこと、彼らがいかに寛大に彼の命を救ってくれたかを話して聞かせた。臆病なライオンは笑って言った。

「自分を大きくて恐ろしい存在だと思い込んでいたけれど、花みたいなちっぽけなものに殺されかけ、ネズミみたいな小さな動物に命を救われるなんて。不思議なものだ。……さて、仲間たちよ、これからどうする?」

「黄色のレンガの道を見つけるまで旅を続けなきゃ」ドロシーが答えた。「そうすればエメラルドの都まで行けるわ。」

ライオンもすっかり回復し、本来の調子を取り戻したので、一行は再び旅を始めた。瑞々しい草の上を歩くのは実に心地よく、間もなく黄色のレンガの道にたどり着いた。そして再び、大魔法使いオズが住むエメラルドの都を目指して歩き出した。

道は滑らかで美しく舗装されており、周囲の景色も素晴らしいものだった。一行は森を遠く後ろに残し、あの薄暗い陰の中で出会った多くの危険から解き放たれたことを喜んだ。再び道の脇には柵が現れたが、それらはすべて緑色に塗られていた。農夫が住んでいるらしい小さな家に行き当たると、それもまた緑色だった。午後の間にそのような家を何軒か通り過ぎたが、人々は戸口に出てきて、まるで何か尋ねたいことがありそうな様子で一行を見守っていた。しかし、あの大きなライオンをひどく恐れていたため、誰一人近づこうとも話しかけようともしなかった。彼らは皆、美しいエメラルドグリーンの服を纏い、マンチキンと同じような尖った帽子を被っていた。

「ここはもうオズの国に違いないわ」ドロシーが言った。「エメラルドの都が近づいているのね。」

「そうだね」かかしが答えた。「マンチキンの国では青が一番の色だったけれど、ここは何もかもが緑だ。でも、マンチキンほど愛想が良くないみたいだし、今夜泊まれる場所が見つかるか不安だよ。」

「果実以外のものが食べたいわ」少女が言った。「トトだって、もうお腹がペコペコなはずよ。次の家で誰かとお話ししてみましょう。」

立派な農家が見えてくると、ドロシーは勇気を出して玄関まで歩み寄り、ドアをノックした。

一人の女性が、中から覗き込めるだけの隙間を開けてドアを開けた。「何のご用かしら、お嬢ちゃん。それに、どうしてそんな大きなライオンを連れているの?」

「よろしければ一晩泊めていただきたいのです」ドロシーが答えた。「このライオンは私の友達で仲間です。決してあなたを傷つけたりしませんわ。」

「飼い慣らされているの?」女性はドアを少し広く開けて尋ねた。

「ええ」少女は言った。「それに、この子はとても臆病なんです。あなたに怖がられるよりも、この子の方があなたを怖がっていますわ。」

「まあ」女性は少し考え、もう一度ライオンを盗み見てから言った。「そういうことなら、入りなさい。夕食を出してあげるし、寝る場所も用意してあげましょう。」

一行が家に入ると、そこには女性の他に二人の子供と一人の男性がいた。男性は足を怪我しており、隅の長椅子に横たわっていた。彼らはこの奇妙な一行を見てひどく驚いたようだった。女性がテーブルの支度をしている間、男性が尋ねた。

「皆さんは、どこへ向かっているのですか?」

「エメラルドの都へ」ドロシーが答えた。「大魔法使いのオズ様にお会いするために。」

「おや、それは驚いた!」男性が声を上げた。「オズ様が会ってくださると思っているのかね?」

「ええ、いけないかしら?」

「何しろ、あの方は誰の前にも姿を現さないと言われている。私は何度もエメラルドの都へ行ったことがある。あそこは美しく素晴らしい場所だが、大魔法使いオズ様にお会いすることを許されたことは一度もない。実際に会ったという者にさえ、会ったことがないよ。」

「あの方は一度も外へ出ないのですか?」かかしが尋ねた。

「決して出ない。毎日、宮殿にある大きな玉座の間に座っておられる。あの方にお仕えしている者たちでさえ、顔を見たことはないそうだ。」

「どんなお姿をしているの?」少女が尋ねた。

「それは答えるのが難しいな」男性は考え込みながら言った。「何しろオズ様は大魔法使いだから、どんな姿にでもなれるのだ。ある人は鳥のようだと言い、ある人は象、またある人は猫のようだと言う。あるいは美しい妖精や小人の姿で現れることもある。だが、あの方の本当の姿がどんなものか、それを知る生きた人間は一人もいない。」

「とても不思議だわ」ドロシーは言った。「でも、どうにかしてお会いしなきゃ。そうでなければ、旅をしてきた意味がなくなってしまうもの。」

「なぜ、あの恐ろしいオズ様に会いたいのだね?」男性が尋ねた。

「脳みそを分けてもらいたいんです」かかしが熱心に言った。

「ああ、それならオズ様には造作もないことだ」男性が言った。「あの方は余るほどの脳みそを持っておられるからね。」

「私は心をいただきたいのです」ブリキの木こりが言った。

「それも問題ないだろう」男性は続けた。「オズ様は、あらゆる形や大きさの心のコレクションをお持ちだ。」

「俺は勇気をいただきたいんだ」臆病なライオンが言った。

「オズ様は玉座の間に勇気の入った大きな壺を置いておられる」男性が言った。「溢れ出さないように金の皿で蓋をしてあるそうだ。喜んで分けてくださるだろうよ。」

「そして私は、カンザスへ帰していただきたいの」ドロシーが言った。

「カンザスとは、どこにあるのかね?」男性は不思議そうに尋ねた。

「分かりません」ドロシーは悲しげに答えた。「でも私の家なんです。どこかに必ずあるはずなんです。」

「そうだろうね。まあ、オズ様は何でもおできになる。君のためにカンザスを見つけてくださるだろう。だが、まずはお会いすることだ。それは至難の業だよ。大魔法使いは誰にも会いたがらないし、あの方はいつも自分の思い通りになさるから。……ところで、お前さんは何を望んでいるんだね?」彼はトトに向かって尋ねた。トトは尻尾を振るだけだった。不思議なことに、トトはしゃべることができなかったからだ。

女性が夕食の支度ができたと呼び、一行はテーブルを囲んだ。ドロシーは美味しいお粥と、スクランブルエッグ、そして上質な白いパンの食事を楽しんだ。ライオンもお粥を食べたが、あまりお気に召さなかったようで、これは馬の食べ物であってライオンの食べ物ではない、とこぼしていた。かかしとブリキの木こりは何も食べなかった。トトはすべてを少しずつ食べ、再びまともな夕食にありつけたことを喜んだ。

その後、女性はドロシーに寝床を与え、トトも隣に横たわった。ライオンはドロシーが邪魔されないように部屋のドアの前で見張りに立った。かかしとブリキの木こりは隅に立ったまま一晩中静かに過ごした。もちろん、彼らは眠ることができなかったからだ。

翌朝、太陽が昇るとすぐに一行は出発した。間もなく、前方の空に美しい緑色の輝きが見えてきた。

「あれがエメラルドの都に違いないわ」ドロシーが言った。

歩みを進めるにつれ、緑色の輝きはますます明るさを増した。旅の終わりがついに近づいているようだった。それでも、街を囲む巨大な壁にたどり着いたのは午後になってからだった。壁は高く厚く、鮮やかな緑色をしていた。

行く手、黄色のレンガの道の突き当たりには、大きな門があった。門にはびっしりとエメラルドが散りばめられ、太陽の下であまりにも眩しく輝いていたため、描き目の持ち主であるかかしさえもその美しさに目を奪われた。

門の脇には呼び鈴があり、ドロシーがボタンを押すと、中で銀色の涼やかな音が響くのが聞こえた。やがて巨大な門がゆっくりと開き、一行が中へ入ると、そこは高いアーチ状の部屋で、壁は無数のエメラルドできらめいていた。

目の前には、マンチキンと同じくらいの背丈をした小柄な男が立っていた。頭の先から足の先まで全身緑色の服を纏い、肌の色までが緑がかって見えた。その傍らには、大きな緑色の箱が置かれていた。

ドロシーたちを目にすると、その男は尋ねた。「エメラルドの都に何のご用かな?」

「大魔法使いのオズ様にお会いしにまいりました」ドロシーが答えた。

男はその答えにひどく驚いたようで、腰を下ろして考え込み始めた。

「オズ様に会いたいという者が現れたのは、もう何年も前のことだ」彼は困惑したように首を振って言った。「あの方は強大で恐ろしい御方。もし、大魔法使いの賢明な思索を邪魔するような、くだらない、あるいは愚かな用件でやってきたのなら、あの方は怒って一瞬で君たちを消し去ってしまうかもしれんぞ。」

「ですが、決して愚かな用事ではありませんし、くだらないことでもありません」かかしが答えた。「重要なことなのです。それに、オズ様は良い魔法使いだと伺っております。」

「左様、その通りだ」緑の男が言った。「あの方はこのエメラルドの都を賢明に、そして見事に治めておられる。だが、不誠実な者や好奇心だけで近づく者にとって、あの方はこの上なく恐ろしい御方だ。あの方の顔を見たいなどと申し出る勇気のある者は、滅多にいない。私は『門の守護者』だ。諸君がどうしても大魔法使いに会いたいと言うのなら、宮殿まで案内せねばなるまい。だがその前に、眼鏡をかけてもらわなければ。」

「どうして?」ドロシーが尋ねた。

「眼鏡をかけなければ、エメラルドの都のあまりの眩しさと栄光に、目が潰れてしまうからだ。この街に住む者たちでさえ、昼も夜も眼鏡をかけていなければならないのだ。これらはすべて鍵がかかっている。都が初めて造られた際、オズ様がそうお命じになったのだ。これを解く鍵を持っているのは、世界で私だけだ。」

彼が大きな箱を開けると、中にはあらゆる形と大きさの眼鏡が詰まっていた。どれも緑色のレンズが嵌められている。門の守護者はドロシーにぴったりのものを見つけ、彼女の目に装着した。眼鏡には二本の金のバンドが付いており、頭の後ろで回され、守護者が首から下げている鎖の先の小さな鍵でロックされた。装着されると、ドロシーが外そうと思っても外すことはできなかった。もちろん、彼女も街の光で目を痛めたくはなかったので、何も言わなかった。

次に緑の男は、かかし、ブリキの木こり、ライオン、さらには小さなトトにまで眼鏡を装着し、すべてを鍵でしっかりと固定した。

それから門の守護者は自分自身も眼鏡をかけ、宮殿を案内する準備ができたと言った。壁の釘から大きな金の鍵を手に取り、別の門を開けると、一行は彼に導かれて、エメラルドの都の通りへと足を踏み入れた。

第十一章 オズの素晴らしい都

緑色の眼鏡で目を守っていても、ドロシーと仲間たちは、最初は都のあまりの眩しさに目がくらんだ。通りには美しい家々が立ち並び、それらはすべて緑の大理石で造られ、あちこちにきらめくエメラルドが散りばめられていた。足元の舗装も同じ緑の大理石で、ブロックの継ぎ目にはエメラルドがびっしりと嵌め込まれ、太陽の光を受けて輝いていた。窓ガラスも緑色で、街の上の空さえも緑がかって見え、降り注ぐ陽光もまた緑色を帯びていた。

街には大勢の人々――男、女、そして子供たち――が歩いていたが、誰もが緑色の服を着て、肌も緑がかっていた。彼らはドロシーと、その妙な組み合わせの一行を不思議そうな目で見つめていた。ライオンの姿を見ると子供たちは皆母親の背後に隠れて逃げていったが、誰も話しかけてくる者はいなかった。通りにはたくさんの商店が並び、ドロシーが見る限り、店内のものはすべて緑色だった。緑のキャンディ、緑のポップコーンが売られ、緑の靴、緑の帽子、あらゆる種類の緑の服が並んでいた。ある場所では男が緑のレモネードを売っており、子供たちがそれを買う際、緑色のペニー硬貨で支払っているのをドロシーは目にした。

馬や他の動物の姿は見当たらなかった。男たちは荷物を小さな緑色のカートに載せ、それを押して運んでいた。誰もが幸せそうで、満足し、豊かに暮らしているように見えた。

門の守護者は一行を連れて通りを進み、街のちょうど真ん中にある巨大な建物にたどり着いた。それこそが大魔法使いオズの宮殿だった。入口には、緑色の軍服を纏い、長い緑の髭を蓄えた兵士が立っていた。

「見慣れぬ客人を連れてきた」門の守護者が兵士に言った。「大魔法使いオズ様への謁見を望んでいる。」

「中へ入れ」兵士が答えた。「伝言を届けてこよう。」

一行は宮殿の門をくぐり、緑の絨毯とエメラルドを散りばめた豪華な緑の家具が置かれた広い部屋へと案内された。兵士は中に入る前に、全員に緑のマットで足を拭くよう命じた。彼らが席に着くと、兵士は丁寧に言った。

「私が玉座の間の入り口まで行き、オズ様に諸君の来訪を告げてくる間、楽にして待っていてくれたまえ。」

兵士が戻ってくるまで、かなりの時間がかかった。ようやく彼が戻ってくると、ドロシーが尋ねた。

「オズ様にお会いできたの?」

「いや」兵士は答えた。「私は一度もあの方にお会いしたことがないのだ。だが、衝立の向こう側に座っておられるあの方に語りかけ、諸君の伝言を伝えた。オズ様は、どうしてもというのであれば謁見を許すと仰せだ。ただし、あの方の前に出るのは一人ずつでなければならず、一日にお一人しか会わないとのことだ。ゆえに諸君は数日間、この宮殿に滞在してもらうことになる。旅の疲れを癒やせるよう、心地よい部屋を用意させよう。」

「ありがとうございます」少女は答えた。「オズ様のご配慮に感謝しますわ。」

兵士が緑の笛を吹くと、すぐに緑の絹のドレスを着た若い娘が部屋に入ってきた。彼女は美しい緑の髪と緑の瞳をしており、ドロシーの前で深くお辞儀をして言った。「こちらへ。お部屋へ案内いたしますわ。」

ドロシーはトト以外の仲間たちに別れを告げ、犬を腕に抱いて緑の少女の後に続いた。七つの廊下を通り、三つの階段を上がると、宮殿の正面にある部屋にたどり着いた。それはこの世で最も可愛らしい小部屋だった。緑の絹のシーツと緑のビロードのベッドカバーがかかった、柔らかく心地よいベッドが置かれていた。部屋の中央には小さな噴水があり、緑の香水を空中に吹き上げ、美しく彫刻された緑の大理石の洗面台に降り注いでいた。窓辺には美しい緑の花々が咲き、棚には緑の本が並んでいた。後にドロシーがその本を開いてみると、そこには風変わりで滑稽な緑の挿絵が満載で、思わず笑い出してしまうほどだった。

クローゼットには、絹やサテン、ビロードでできた緑のドレスがたくさん入っており、どれもドロシーに誂えたようにぴったりだった。

「どうぞご自由におくつろぎください」緑の少女が言った。「御用があれば、このベルを鳴らしてくださいね。オズ様は明日の朝、あなたをお呼びになりますわ。」

彼女はドロシーを一人残し、他の仲間たちのところへ戻っていった。彼らもそれぞれ、宮殿内の非常に快適な部屋へと案内された。もちろん、こうしたもてなしもかかしには無意味だった。一人部屋に残されると、彼はただドアのすぐ内側に突っ立って朝を待った。横になっても休まるわけではなく、目も閉じられない。だから彼は一晩中、部屋の隅で蜘蛛が巣を張る様子をじっと眺めて過ごした。そこがこの世で最も素晴らしい部屋の一つであることなど、全く気に留めていないかのようだった。ブリキの木こりは、生身の人間だった頃の習慣でベッドに横たわったが、眠ることはできないため、関節がちゃんと動くかどうか一晩中動かして確かめていた。ライオンは森の乾いた葉っぱのベッドの方が好みだったし、部屋に閉じ込められるのも嫌だった。だが、そんなことでくよくよするほど愚かでもなかった。彼はベッドに飛び乗ると、猫のように丸くなって一分でいびきをかき始めた。

翌朝、朝食が済むと緑の乙女がドロシーを迎えに来た。彼女はドロシーに、緑の緞子でできた最高に美しいドレスの一枚を着せてくれた。ドロシーは緑の絹のエプロンを締め、トトの首に緑のリボンを結ぶと、大魔法使いオズの玉座の間へと向かった。

まず、豪華な衣装を纏った宮廷の貴婦人や紳士たちが大勢集まっている広いホールを通った。この人々には話し相手としゃべる以外にすることはないのだが、毎朝玉座の間の外で待機するのが習慣になっていた。もっとも、オズに会えることなど決してないのだが。ドロシーが入ってくると、彼らは好奇の目で彼女を見つめ、一人が耳打ちした。

「本当に、あのおぞましきオズ様の顔を拝むつもりなのかい?」

「ええ」少女は答えた。「あの方が会ってくださるなら。」

「ああ、会ってくださるだろうとも」彼女の伝言を運んだ兵士が言った。「もっとも、あの方は人に会うのを好まれないがね。実は最初、あの方は怒って、君を元いた場所へ送り返せと仰ったのだ。だが、君がどんな姿をしているかとお尋ねになり、銀色の靴のことを話すと、急に興味をお持ちになった。最後に、君の額にある印のことを告げると、謁見を許すと決められたのだ。」

その時、ベルが鳴り、緑の少女がドロシーに言った。「合図ですわ。一人で玉座の間にお入りなさい。」

彼女が小さなドアを開けると、ドロシーは勇気を持って足を踏み入れた。そこは、言葉を失うほど素晴らしい場所だった。高くアーチを描く屋根を持つ大きな円形の部屋で、壁も天井も床も、隙間なく敷き詰められた巨大なエメラルドで覆われていた。天井の中央には太陽のように明るい巨大な灯りがあり、エメラルドを見事なまでにきらめかせていた。

だがドロシーの目を最も引いたのは、部屋の中央に鎮座する緑の大理石でできた巨大な玉座だった。それは椅子の形をしており、他のすべてと同様に宝石が散りばめられていた。そして、その椅子の中央には、支える胴体も、腕も足も一切ない、巨大な「頭」が載っていた。その頭には毛が一本もなかったが、目と鼻と口があり、どんな巨人の頭よりも遥かに大きかった。

ドロシーが驚きと恐怖で見つめていると、その瞳がゆっくりと動き、彼女を鋭く、そしてじっと見据えた。やがて口が動き、ドロシーの耳に声が届いた。

「我はオズ、偉大にして恐ろしき者なり。汝は何者だ、そして何ゆえに我を求める?」

それは、あの巨大な頭から響くとは思えないほど、穏やかな声だった。そこで彼女は勇気を出し、答えた。

「私はドロシー、小さくて卑小な存在です。あなたの助けを求めてまいりました。」

その瞳は一分間ほど、考え込むように彼女を見つめた。やがて声が言った。

「その銀色の靴は、どこで手に入れた?」

「東の悪い魔女からですわ。私の家があの人の上に落ちて、死んでしまった時に」と彼女は答えた。

「その額にある印は、どこで手に入れた?」声は続けた。

「北の良い魔女様が、お別れの時に口づけをしてくださいました。あなたを訪ねるようにと私を送り出す時に」少女は言った。

再び、その瞳は彼女を鋭く見つめ、彼女が真実を語っていることを見抜いた。そしてオズが尋ねた。「我に何を望む?」

「私をカンザスへ帰してください。エムおばさんとヘンリーおじさんのところへ」彼女は熱心に答えた。「あなたの国はとても美しいけれど、私はここが好きになれません。私がこんなに長くいないのを、エムおばさんがひどく心配しているに違いないんです。」

その瞳は三回瞬きをすると、次に天井を向き、床を向き、部屋の隅々まで見渡すように奇妙に動き回った。そして最後に、再びドロシーに視線を戻した。

「なぜ我がお前のために、そんなことをせねばならぬ?」オズが尋ねた。

「あなたは強くて私は弱いからです。あなたは偉大な魔法使いで、私はただの小さな女の子だからですわ。」

「だがお前は、東の悪い魔女を仕留めるほど強かったではないか」オズが言った。

「それは偶然起きたことです」ドロシーは素直に答えた。「私にはどうしようもなかったんです。」

「よかろう」頭が答えた。「答えを授けよう。我に何かを差し出さぬ限り、カンザスへ送り返せと望む権利はお前にはない。この国では、誰もが得るものに対して代償を払わねばならぬのだ。もしお前が私の魔法の力で家に帰りたいと願うなら、まず私のために一つのことをせよ。我を助けよ、さらば我もお前を助けん。」

「何をすればいいのですか?」少女が尋ねた。

「西の悪い魔女を殺せ」オズが答えた。

「そんな、私にはできません!」ドロシーは驚愕して叫んだ。

「お前は東の魔女を殺し、強力な魔力を持つ銀色の靴を履いている。今やこの地には悪い魔女はたった一人。その女が死んだと報告しに来たとき、お前をカンザスへ帰してやろう。……それまでは断じてな。」

あまりの失望に、少女は泣き出した。瞳は再び瞬きをし、まるで「お前ならできるはずだ、協力してくれればよいのだが」とでも言いたげに、不安そうに彼女を見守った。

「私はこれまで、何一つ自分から殺したことなんてありませんわ」彼女はむせび泣いた。「たとえやりたいと思ったって、どうやって悪い魔女を殺せばいいの? 偉大で恐ろしいはずのあなたにできないことが、どうして私にできるっていうの?」

「それは分からぬ」頭が言った。「だが、それが私の答えだ。悪い魔女が死ぬまで、お前がおじやおばに会うことはない。忘れるな、あの魔女は『悪い』のだ――とてつもなく邪悪なのだ。殺されて当然の存在だ。さあ、立ち去れ。目的を果たすまで、二度と我に会おうとするな。」

悲しみに暮れながら、ドロシーは玉座の間を後にした。ライオンとかかし、ブリキの木こりがオズの言葉を待っている場所へ戻ると、彼女は力なく言った。「もうおしまいだわ。西の悪い魔女を殺さない限り、オズ様は私を帰してくださらない。そんなの、私には絶対に無理だわ。」

友人たちは彼女を不憫に思ったが、どう助ければいいか分からなかった。ドロシーは自分の部屋に戻ると、ベッドに横たわって泣きじゃくり、そのまま眠りについた。

翌朝、緑の髭の兵士がかかしの元へやってきて言った。

「来なさい、オズ様がお呼びだ。」

かかしは兵士に従い、広大な玉座の間へと案内された。そこで彼がエメラルドの玉座に見たのは、この上なく美しい「貴婦人」だった。彼女は緑色の絹の紗を纏い、なびく緑の髪には宝石の冠を戴いていた。その肩からは色鮮やかな翼が伸びており、微かな空気の揺れにもひらひらと舞うほど軽やかだった。

かかしが、中身が藁である自分にできる限りの優雅さでお辞儀をすると、その美しい存在は優しく彼を見つめて言った。

「我はオズ、偉大にして恐ろしき者なり。汝は何者だ、そして何ゆえに我を求める?」

ドロシーから聞いていた「巨大な頭」を予想していたかかしは、ひどく驚いた。だが、彼は勇気を持って答えた。

「私はただの藁が詰まったかかしです。ですから脳みそがありません。頭の中に藁の代わりに脳みそを入れていただき、あなたの領土に住む他の人々と同じような人間になりたいと願って、ここへまいりました。」

「なぜ我がお前のために、そんなことをせねばならぬ?」貴婦人が尋ねた。

「あなたは賢明で強力な御方であり、あなた以外に私を助けられる者はいないからです」とかかしが答えた。

「対価なしに願いを叶えることはない」オズが言った。「だが、これだけは約束しよう。もしお前が西の悪い魔女を殺したなら、私はお前に山ほどの脳みそを授けよう。オズの国で一番の賢者になれるほど、素晴らしい脳みそをな。」

「オズ様はドロシーに魔女を殺せと仰ったのではないのですか?」かかしは驚いて尋ねた。

「左様。誰が殺そうと構わぬ。だが、あの女が死なぬ限りお前の願いは叶えぬ。さあ、立ち去れ。脳みそを手に入れたいなら、まずその功績を立ててから再び訪ねよ。」

かかしは悲しげに仲間たちの元へ戻り、オズの言葉を伝えた。ドロシーは、大魔法使いの正体が自分が見た「頭」ではなく、美しい「貴婦人」だったことに驚いた。

「どちらにしても」かかしが言った。「あの御方には、ブリキの木こりと同じくらい心が必要なようだ。」

その翌朝、緑の髭の兵士がブリキの木こりの元へ来て言った。

「オズ様がお呼びだ。ついてきなさい。」

ブリキの木こりは兵士に従い、玉座の間へと入った。オズが美しい貴婦人なのか頭なのかは分からなかったが、できれば美しい貴婦人であってほしいと願っていた。「もし頭だったら」と彼は心の中で思った。「きっと心はもらえないだろう。頭にはそれ自身の心がないのだから、私に同情してくれるはずがない。だが美しい貴婦人なら、熱心に頼めばきっと心をくれるだろう。女性というものは皆、優しい心を持っているものだと言うからね。」

だが、木こりが玉座の間に入ると、そこにいたのは頭でも貴婦人でもなかった。オズは、世にも恐ろしい「獣」の姿を取っていたのだ。それは象と同じくらいの大きさがあり、緑色の玉座がその重みに耐えきれず壊れてしまいそうなほどだった。獣の頭は犀のようだったが、顔には五つの目が並んでいた。体からは五本の長い腕が伸び、やはり五本の細長い足があった。全身が厚く縮れた毛で覆われ、これほど恐ろしい怪物は想像もできないほどだった。幸いにもこの時、ブリキの木こりには心がなかった。さもなければ恐怖で心臓が激しく波打っていただろう。だがブリキにすぎない彼は、少しも怖くはなかった。ただ、ひどく失望しただけだった。

「我はオズ、偉大にして恐ろしき者なり」獣が言った。その声は凄まじい咆哮だった。「汝は何者だ、そして何ゆえに我を求める?」

「私は木こり、ブリキでできています。ですから心がなく、人を愛することができません。他の人々と同じように人を愛せるよう、心を授けていただきたいのです。」

「なぜ我がお前のために、そんなことをせねばならぬ?」獣が詰問した。

「私がそれを願い、それを叶えられるのはあなたお一人だからです」木こりが答えた。

オズは低い唸り声を上げたが、ぶっきらぼうに言った。「どうしても心が欲しいというのなら、それを勝ち取ってみせよ。」

「どうやって?」

「ドロシーが西の悪い魔女を殺すのを助けるのだ」獣が答えた。「魔女が死んだ時、私の元へ戻れ。その時、オズの国で最も大きく、最も優しく、最も愛に満ちた心を授けてやろう。」

こうして、ブリキの木こりもまた悲しげに仲間たちの元へ戻り、自分が見た恐ろしい獣の話をした。一行は大魔法使いがいかにして多くの姿を自在に使い分けるのかと不思議に思った。するとライオンが言った。

「俺が行く時に獣の姿だったら、思い切り吠えて脅かして、願いをすべて聞き届けさせてやる。もし美しい貴婦人だったら、飛びかかるふりをして命令に従わせてやる。もし巨大な頭だったら、俺の思うがままだ。望みを叶えると約束するまで、その頭を部屋中で転がしてやる。だから元気を出せ、友よ。最後にはすべてうまくいくさ。」

翌朝、緑の髭の兵士がライオンを玉座の間へと案内し、オズの前へ出るよう告げた。

ライオンはすぐさまドアをくぐった。あたりを見回すと、驚いたことに玉座の前には「火の玉」があった。あまりにも激しく燃え盛っていたため、正視することさえままならないほどだった。ライオンは、オズが不運にも火に包まれて燃えているのではないかと思った。近づこうとしたが、熱気があまりに強烈で髭が焦げてしまったため、彼は震えながらドアの近くまで後ずさった。

すると、火の玉の中から低く穏やかな声が響いた。語られたのは、次のような言葉だった。

「我はオズ、偉大にして恐ろしき者なり。汝は何者だ、そして何ゆえに我を求める?」

ライオンは答えた。「俺は臆病なライオンだ。何もかもが怖くてたまらない。俺を、名実ともに『百獣の王』になれるような勇気ある者に変えてほしくて、ここへやってきた。」

「なぜ我がお前のために、勇気を授けねばならぬ?」オズが問うた。

「数ある魔法使いの中でも、あなたは最高の方であり、俺の願いを叶える力を持っているのはあなただけだからだ」ライオンが答えた。

火の玉はしばらくの間激しく燃え続け、やがて声が言った。「悪い魔女が死んだという証拠を持ってこい。その瞬間に勇気を授けよう。だが、あの魔女が生きている限り、お前は臆病者のままだ。」

ライオンはこの言葉に腹を立てたが、言い返す言葉も見つからなかった。黙って火の玉を見つめていると、あまりにも熱さが激しくなったため、彼は尻尾を巻いて部屋から飛び出した。仲間たちが待っているのを見て安心すると、彼は魔法使いとの恐ろしい謁見について語った。

「これから、どうしましょう?」ドロシーが悲しげに尋ねた。

「できることはたった一つだ」ライオンが答えた。「ウィンキーの国へ行き、悪い魔女を見つけ出し、あいつを滅ぼすことだ。」

「もし、できなかったら?」少女が言った。

「そうしたら、俺は一生勇気を持てないままだ」ライオンは断言した。

「僕は一生脳みそをもらえない」とかかしが付け加えた。

「私は一生心を持てない」とブリキの木こりが言った。

「そして私は、二度とエムおばさんとヘンリーおじさんに会えないのね」ドロシーは泣き出した。

「気をつけて!」緑の少女が叫んだ。「そんなに泣いたら、緑の絹のドレスにシミができてしまうわ。」

そこでドロシーは涙を拭いて言った。「分かったわ、やってみる。でも、エムおばさんに会うためだからといって、誰かを殺したいなんて思っていないわ。」

「俺も一緒に行くよ。でも、魔女を殺すには俺は臆病すぎるけれどね」ライオンが言った。

「僕も行くよ」かかしが言った。「でも僕は大馬鹿者だから、大して役には立てないだろうけれど。」

「魔女ですら、傷つけるのは忍びないな」ブリキの木こりが言った。「だが、君たちが行くなら私も必ずついていくよ。」

こうして、翌朝から旅に出ることが決まった。木こりは緑の砥石で斧を研ぎ、関節の隅々まで丁寧に油を差した。かかしは自分の中に新鮮な藁を詰め込み、ドロシーは彼がよく見えるように目に新しくペンキを塗ってやった。親切な緑の少女は、ドロシーの籠に美味しい食べ物を詰め、トトの首に緑のリボンで小さな鈴を結んでくれた。

彼らは早めに床に就き、翌朝、宮殿の裏庭に住む緑の雄鶏が鳴き、緑の卵を産んだ雌鶏が鳴き声を上げるまで、ぐっすりと眠った。

第十二章 悪い魔女を探して

緑の髭の兵士に導かれ、一行はエメラルドの都の通りを抜けて、門の守護者がいる部屋にたどり着いた。守護者は彼らの眼鏡の鍵を開けて大きな箱にしまい、丁寧に門を開けてくれた。

「西の悪い魔女のところへ行くには、どの道を行けばいいの?」ドロシーが尋ねた。

「道なんてないよ」門の守護者が答えた。「あっちの方へ行きたがる者なんて、誰もいないからね。」

「じゃあ、どうやってあいつを見つければいいのかしら?」

「簡単なことだ」男は答えた。「君たちがウィンキーの国に入ったと知れば、向こうから見つけにくる。そして君たちを全員、奴隷にするだろうよ。」

「そうはいかないよ」かかしが言った。「僕たちはあいつを滅ぼしに行くんだから。」

「おや、それは話が違う」門の守護者は言った。「あいつを滅ぼした者など、これまで一人もいない。だから、当然他のみんなと同じように奴隷にされるものだと思ったよ。だが、気をつけなさい。あいつは邪悪で凶暴だ。そう簡単に滅ぼされてはくれないだろう。日が沈む方角、西を目指しなさい。そうすれば必ずあいつに行き当たる。」

一行はお礼を言って別れを告げると、西へと向かった。デイジーやバターカップの花が点在する、柔らかな草の野原を歩いていく。ドロシーは宮殿で着せてもらったあの美しいドレスをまだ着ていたが、驚いたことに、都を出るとそれはもう緑色ではなく、純白に変わっていた。トトの首のリボンも緑色が消え、ドロシーのドレスと同じように真っ白になっていた。

エメラルドの都は、あっという間に遠く後ろへ去っていった。進むにつれて地面は荒れ、起伏が激しくなっていった。西のこの辺りには農場も家もなく、土地は手つかずのまま放置されていたからだ。

午後の太陽は、遮る木一本ない一行の顔を容赦なく照らした。夜になる前にドロシーとトト、そしてライオンは疲れ果て、草の上に横たわって眠ってしまった。木こりとかかしが番に立った。

ところで、西の悪い魔女には目が一つしかなかったが、その目は望遠鏡のように強力で、どこまでも遠くを見渡すことができた。彼女が自分の城の門に座って辺りを見回していると、ちょうどドロシーたちが眠り、仲間たちが周囲に控えているのが目に入った。彼らは遥か彼方にいたが、悪い魔女は自分の領土に見知らぬ者が入り込んだことに腹を立て、首から下げた銀の笛を吹いた。

すると、たちまちあらゆる方角から、巨大な狼の群れが彼女の元へ駆け寄ってきた。足が長く、獰猛な瞳と鋭い牙を持つ狼たちだ。

「あの者たちのところへ行け」魔女が命じた。「そして全員、バラバラに引き裂いてしまえ。」

「奴隷にしないのですか?」狼のリーダーが尋ねた。

「いや」彼女は答えた。「一人はブリキ、一人は藁。一人は小娘で、もう一頭はライオンだ。どれも使い物にならん。細切れにしてしまえ。」

「承知いたしました」狼はそう言うと、他の仲間を連れて全速力で駆け出した。

幸いなことに、かかしと木こりは起きており、狼が近づいてくる音を聞きつけた。

「ここは私の出番だ」ブリキの木こりが言った。「私の後ろに隠れていろ。私が奴らを迎え撃つ。」

彼は斧をしっかりと握り、鋭く研ぎ澄まされた刃を構えた。狼のリーダーが襲いかかると、木こりは腕を一閃させ、その首を胴体から切り落とした。狼は即死した。次の狼が飛びかかろうとした瞬間、再び鋭い刃が閃き、それも仕留められた。狼は四十頭いたが、四十回、木こりの斧が振るわれた。やがて、木こりの前には四十頭の狼の死骸が山積みになっていた。

彼は斧を置くと、かかしの隣に座った。かかしが言った。「見事な戦いだったよ、友よ。」

翌朝、ドロシーが目を覚ますのを彼らは待った。少女は毛むくじゃらの狼が山をなしているのを見てひどく驚いたが、ブリキの木こりが一部始終を話してくれた。彼女は自分たちを救ってくれた木こりに感謝し、朝食を済ませると、再び旅に出た。

さて、同じ日の朝、悪い魔女が城の門に出て、遠くまで見えるあの片目で外を覗いた。すると、狼たちが一頭残らず死んでおり、見知らぬ一行が依然として自分の領土を旅しているのが見えた。彼女は前にも増して激怒し、銀の笛を二回吹いた。

すると今度は、空が暗くなるほどの野生のカラスの群れが飛んできた。

悪い魔女はカラスの王に命じた。「すぐにあの者たちのところへ行け。奴らの目をつつき出し、バラバラに引き裂いてしまえ。」

野生のカラスたちは巨大な群れとなって、ドロシーたちの元へ押し寄せた。その姿を見て少女は怯えた。

「今度は僕の出番だ」かかしが言った。「僕の隣に伏せているんだ。そうすれば傷つかずに済むよ。」

かかし以外の全員が地面に伏せ、かかしは立ち上がって両腕を大きく広げた。カラスたちはその姿を見ると、いつものようにかかしを恐れて、それ以上近づこうとはしなかった。だが、カラスの王が言った。

「ただの藁人形じゃないか。俺があいつの目をつつき出してやる。」

カラスの王がかかしに襲いかかったが、かかしはその頭を掴むと、死ぬまで首をねじ切った。次のカラスも、その次のカラスも、かかしは首をねじ切っていった。カラスは四十羽いたが、四十回、かかしは首をねじった。やがて、すべてのカラスがかかしの傍らで息絶えていた。彼は仲間たちに起き上がるよう声をかけ、再び一行は歩き始めた。

悪い魔女が再び外を覗き、カラスの山を見て、凄まじい怒りに駆られた。彼女は銀の笛を三回吹いた。

直ちに、空中で凄まじい羽音が響き、黒い蜂の群れが彼女の元へ飛んできた。

「あの者たちのところへ行き、刺し殺してしまえ!」魔女が命じると、蜂たちは旋回してドロシーたちの元へ急行した。だが、木こりがその接近に気づき、かかしはどうすべきか決めていた。

「僕の中の藁を全部引き抜いて、お嬢さんと犬とライオンの上に被せてくれ」かかしは木こりに言った。「そうすれば蜂も刺せないはずだ。」

木こりは言われた通りにし、ドロシーがライオンの隣でトトを抱いて伏せると、その上を藁が完全に覆い隠した。

やってきた蜂たちは、刺すべき相手が木こりしかいないのを見つけると、彼に一斉に襲いかかった。だが彼らの針はブリキの体に当たってことごとく折れ、木こりは無傷のままだった。蜂という生き物は、針が折れれば生きていけない。こうして黒い蜂たちは全滅し、木こりの周りに細かい石炭の山のように降り積もった。

ドロシーとライオンが起き上がり、少女は木こりを手伝って、藁を再びかかしの中に詰め戻した。かかしが元通りになると、一行は再び旅を続けた。

悪い魔女は、黒い蜂が細かい石炭の山のように転がっているのを見て、あまりの怒りに地団駄を踏み、髪をかきむしり、歯ぎしりをした。そして、彼女の奴隷であるウィンキーたちを十二人呼び出し、鋭い槍を渡すと、こう命じた。「あの者たちのところへ行き、皆殺しにしてこい!」

ウィンキーたちは勇敢な民ではなかったが、命令には逆らえなかった。彼らはドロシーたちの近くまで行進していった。するとライオンが凄まじい咆哮を上げ、彼らの方へ躍りかかった。哀れなウィンキーたちは震え上がり、一目散に逃げ帰っていった。

彼らが城に戻ると、悪い魔女は革紐で彼らをこっぴどく叩き、仕事に戻らせた。それから彼女は腰を下ろし、次の一手を考えた。なぜ自分の計画がこれほどまでにことごとく失敗するのか、彼女には理解できなかった。だが彼女は悪い魔女であると同時に、強力な魔女でもあった。彼女はすぐに決断した。

食器棚の中に、「黄金の冠」があった。その周りにはダイヤモンドとルビーが散りばめられている。この黄金の冠には、ある魔力が備わっていた。これを持つ者は、「翼のある猿」たちを三回だけ呼び出し、いかなる命令も聞かせることができるのだ。ただし、この奇妙な生き物たちを呼び出せるのは三回きりだ。悪い魔女はすでに二回、その魔力を使っていた。一度目は、ウィンキーたちを奴隷にし、自分がこの国を統治するために。翼のある猿たちはそれを手伝った。二度目は、大魔法使いオズ本人と戦い、彼を西の国から追い出すために。翼のある猿たちはこの時も彼女を助けた。彼女がこの黄金の冠を使えるのは、あと一度きりだった。それゆえ、彼女はすべての力を使い果たすまで、これを使いたくはなかったのだ。だが、獰猛な狼も、野生のカラスも、刺す蜂もいなくなり、奴隷たちは臆病なライオンに怯えて逃げ出してしまった今、ドロシーと仲間たちを滅ぼすにはもうこれしか道は残されていなかった。

悪い魔女は棚から黄金の冠を取り出し、それを頭に載せた。そして左足で立ち、ゆっくりと唱えた。

「エッペ、ペッペ、カッケ!」

次に、右足で立ち、唱えた。

「ヒッロ、ホッロ、ヘッロ!」

最後に、両足で立って大声で叫んだ。

「ズィズィ、ズズィ、ズィク!」

すると呪文が効き始めた。空が暗くなり、空中で低い鳴動が聞こえてきた。数えきれないほどの羽ばたきの音、喧しい喋り声と笑い声が響き、暗い空から太陽が顔を出すと、悪い魔女の周りは猿の群れで埋め尽くされていた。どの猿も、肩に巨大で強力な翼を備えていた。

他の猿たちよりも一際大きな猿がリーダーのようだった。彼は魔女のそばへ飛んでくると言った。「三度目にして最後の呼び出しだ。我々に何を命じる?」

「我が領土にいる見知らぬ者たちのところへ行き、ライオン以外の全員を滅ぼせ」悪い魔女が言った。「あの獣は連れてこい。馬のように繋いで、私の馬車を引かせてやるつもりだ。」

「命じられた通りにいたしましょう」リーダーが答えた。凄まじい喋り声と騒音を立てて、翼のある猿たちはドロシーと仲間たちが歩いている場所へと飛び去った。

数匹の猿がブリキの木こりを捕まえると、彼を空高く運び、鋭い岩が密集する地帯まで連れていった。そこで彼らは哀れな木こりを突き落とした。彼は遥か高みから岩場に叩きつけられ、ひどく凹み、打ち身だらけになって、呻くことも身動きもできない状態になった。

別の猿たちはかかしを捕まえ、長い指で彼の服や頭から藁をすべて引き抜いてしまった。彼らは帽子とブーツと服をひとまとめにして結び、高い木の梢に放り投げた。

残りの猿たちは太いロープをライオンに投げつけ、その体や頭や足に何度も巻き付けた。ライオンは噛むことも引っ掻くことも、抵抗することもできなくなった。猿たちは彼を持ち上げると、魔女の城へと運び、周囲を高い鉄柵で囲まれた狭い庭の中に閉じ込めた。

だが、ドロシーにだけは指一本触れなかった。彼女はトトを抱いて立ち尽くし、仲間たちの悲惨な末路を目の当たりにしながら、次は自分の番だと覚悟していた。翼のある猿のリーダーが彼女に向かって飛んできた。毛むくじゃらの長い腕を伸ばし、醜い顔で恐ろしくニヤついていた。だが彼は、ドロシーの額にある良い魔女の口づけの跡を目にすると、急に動きを止めた。そして他の猿たちに、彼女に触れるなと合図を送った。

「この娘には手出しできない」彼は仲間たちに言った。「彼女は『善の力』に守られている。それは『悪の力』よりも強大だ。我々にできるのは、彼女を悪い魔女の城へ運んで置いてくることだけだ。」

そこで猿たちは注意深く、優しくドロシーを腕に抱き上げ、空中を飛んで城の正面玄関の前へ降ろした。リーダーは魔女に告げた。

「できる限りの命令は果たした。ブリキの木こりとかかしは滅ぼし、ライオンは庭に縛り上げた。だがこの娘と、その腕の中の犬には手出しができない。我々に対するお前の支配力は今この時をもって終わりだ。もう二度と我々を見ることはないだろう。」

翼のある猿たちは、笑い声と騒音を残して空へ舞い戻り、すぐに姿が見えなくなった。

悪い魔女はドロシーの額の印を見て、驚きと不安を覚えた。翼のある猿たちも、自分自身も、この娘を傷つけることは決してできないと分かっていたからだ。彼女がドロシーの足元に目をやると、あの銀色の靴が見えた。魔女は恐怖で震え上がった。その靴にどれほど強力な魔力が秘められているかを知っていたからだ。最初はドロシーから逃げ出そうと考えたが、ふと少女の目を見ると、その魂がいかに無垢であるかに気づいた。この少女は、銀色の靴が自分に与えてくれる素晴らしい力のことを何も知らないのだ。悪い魔女は心の中でほくそ笑んだ。「まだこの子を奴隷にできる。力の使い道を知らないのだからな。」

彼女は厳しく、残酷な声でドロシーに言った。

「ついてきなさい。私の言うことはすべて守るのよ。さもなければ、あの木こりやかかしと同じ目にあわせてやるからね。」

ドロシーはおとなしく従った。美しい部屋をいくつも通り過ぎ、台所にたどり着くと、魔女は彼女に鍋や釜を磨き、床を掃き、ストーブに薪を絶やさないように命じた。

ドロシーは、悪い魔女が自分を殺さないと決めてくれただけでもありがたいと思い、精一杯働こうと心に決めて仕事に取りかかった。

ドロシーが働いている間、魔女は中庭へ行き、臆病なライオンを馬のように繋いでやろうと考えた。彼に自分の馬車を引かせ、ドライブに行くのはさぞかし愉快だろうと思ったのだ。だが彼女が門を開けた瞬間、ライオンは凄まじい咆哮を上げ、激しく飛びかかってきた。魔女は恐怖のあまり逃げ出し、門を閉めた。

「繋がれないというのなら」魔女は門の柵越しにライオンに言った。「飢えさせてやる。私の言うことを聞くまで、何も食べさせはしないよ。」

それ以来、彼女は囚われのライオンに食べ物を与えなかった。毎日正午になると門までやってきて尋ねた。「馬のように繋がれる気になったかい?」

するとライオンは答えるのだった。「いいえ。この庭に入ってきたら、噛みついてやるぞ。」

ライオンが魔女の言いなりにならずに済んだのは、毎晩、女が眠っている間にドロシーが食器棚から食べ物を運んできてくれたからだ。食事が終わるとライオンは藁のベッドに横たわり、ドロシーは彼の隣に寄り添って、柔らかなたてがみに頭を預けた。二人はこれからの不安を語り合い、脱出する方法を考えようとした。だが城から逃げ出す方法は見つからなかった。悪い魔女の奴隷である黄色いウィンキーたちが、常に周囲を見張っていたからだ。彼らは魔女を恐れるあまり、逆らうことなど考えもしなかった。

少女は日中、過酷な労働を強いられた。魔女はいつも手に持っている古びた傘で彼女を叩くと脅した。だが実際には、額の印のせいでドロシーを打つことはできなかった。子供はそのことを知らず、自分とトトの身を案じていた。一度、魔女がトトを傘で打つと、勇敢な小さな犬は彼女に飛びかかり、その足を噛みついた。噛まれたところから血が出ることはなかった。あまりにも邪悪な彼女の血は、何年も前に干からびていたからだ。

カンザスへ帰り、エムおばさんに会うことがますます難しくなったと悟るにつれ、ドロシーの生活は悲しみに包まれていった。彼女は何時間も激しく泣き続けることがあった。トトはその足元に座り、小さな主人の顔を見上げながら、自分も悲しいのだと伝えるように心細い声で鳴いた。トトは、ドロシーと一緒にいられればカンザスだろうがオズの国だろうが構わなかった。だが、大好きな彼女が不幸なのは彼にとっても不幸なことだった。

悪い魔女は、ドロシーがいつも履いている銀色の靴が欲しくてたまらなかった。狼もカラスも蜂も今はもう死に絶え、黄金の冠の力も使い果たしてしまった。だが、あの銀色の靴さえ手に入れば、失ったすべての力を上回る強大な力が得られるのだ。彼女は、ドロシーが靴を脱ぐ瞬間を狙って盗もうと、注意深く見守っていた。だが少女はその靴をとても気に入っており、夜寝る時とお風呂に入る時以外は決して脱がなかった。魔女は暗闇が怖くてたまらなかったため、夜中にドロシーの部屋に忍び込んで靴を盗む勇気はなかった。そして水に対する恐怖は、暗闇への恐怖よりもさらに強かったため、ドロシーが入浴している時も決して近づかなかった。実際、この老婆は一度も水に触れたことがなく、一滴の水も自分にかかることを許さなかったのだ。

しかし、邪悪な魔女は非常に狡猾だった。彼女はついに望みのものを手に入れるための罠を思いついた。彼女は台所の床の真ん中に鉄の棒を置き、魔法でその棒を人間の目には見えないようにした。そのため、ドロシーが床を歩いたとき、見えない棒に足を取られて派手に転倒してしまった。大怪我はなかったが、転んだ拍子に片方の銀色の靴が脱げてしまった。ドロシーが手を伸ばすより早く、魔女はそれをひったくり、自分のガリガリに痩せた足に履いてしまった。

魔女はこの罠の成功に大喜びした。片方の靴を持っているだけで、その魔力の半分を手に入れたことになるし、使い道を知らないとはいえドロシーがそれを使って反撃してくることも防げるからだ。

お気に入りの靴を奪われた少女は怒り、魔女に言った。「靴を返して!」

「嫌だよ」魔女は言い返した。「これはもう私の靴だ、あんたのじゃない。」

「あなたはなんて悪い人なの!」ドロシーは叫んだ。「私の靴を盗む権利なんてないわ。」

「それでも私は手放さないよ」魔女は彼女を嘲笑って言った。「そのうち、もう片方もあんたから奪ってやるからね。」

ドロシーはあまりの怒りに、そばにあった水入りのバケツを掴むと、それを魔女に思い切りぶっかけた。老婆は頭から足の先まで、びしょ濡れになった。

その瞬間、悪い女は恐怖に満ちた叫び声を上げた。ドロシーが驚いて見守る中、魔女の体がみるみるうちに縮み、崩れ始めた。

「なんてことをしてくれたんだ!」彼女は悲鳴を上げた。「あと一分で、私は溶けてなくなってしまう!」

「本当にごめんなさい」ドロシーは言った。目の前で、魔女がまるで黒砂糖のように本当に溶けていくのを見て、彼女は心底震え上がっていた。

「水が私の命取りになると、知らなかったのかい?」魔女は泣き叫ぶような、絶望的な声で尋ねた。

「知るわけないわ」ドロシーが答えた。「どうして私にそんなことが分かるの?」

「ああ……あと数分で私は完全に溶け、この城はあんたのものだ。これまで散々悪いことをしてきたが、まさかあんたみたいな小娘に溶かされて、悪事の終わりを迎えることになるとは思わなかったよ。……ああ、ほら、消えていく……!」

そう言い残すと、魔女は茶色の溶けた形のない塊となって床に崩れ落ち、台所の清潔な板張りの上に広がっていった。彼女が本当に消えてしまったのを確認すると、ドロシーはもう一杯の水を汲んできて、その汚れの上にぶちまけた。そして箒で掃き出し、ドアの外へすべて追い出した。老婆の形見となった銀色の靴を拾い上げると、布できれいに拭いて乾かし、再び自分の足に履いた。ようやく自由になったドロシーは、中庭へと駆け出した。そしてライオンに、西の悪い魔女が消え去ったこと、もう自分たちは囚われの身ではないことを知らせた。

第十三章 救出

臆病なライオンは、悪い魔女がバケツ一杯の水で溶けてしまったと聞き、大いに喜んだ。ドロシーはすぐに彼の牢の鍵を開けて自由にした。二人は一緒に城の中へ戻り、ドロシーはまずすべてのウィンキーたちを呼び集めて、彼らがもう奴隷ではないことを告げた。

黄色いウィンキーたちの間には大きな歓喜の声が上がった。彼らは長年、残忍な悪い魔女の下で過酷な労働を強いられてきたからだ。彼らはその日を祝日とし、それ以来ずっと、宴会とダンスでその日を祝うようになった。

「友達のかかしさんとブリキの木こりさえ一緒にいれば」ライオンが言った。「俺は最高に幸せなんだけどな。」

「二人を助け出せないかしら?」少女は不安げに尋ねた。

「やってみる価値はある」ライオンが答えた。

そこで彼らはウィンキーたちを呼び、友人たちの救出を手伝ってくれないかと頼んだ。ウィンキーたちは、自分たちを隷属から救ってくれたドロシーのためなら喜んで何でもすると答えた。彼女はウィンキーの中でも特に賢そうな者たちを数人選び、一行は出発した。その日と翌日の午前中をかけて歩き続け、ようやく、あのみすぼらしく凹んだブリキの木こりが横たわっている岩場にたどり着いた。傍らには斧があったが、刃は錆びつき、柄は短く折れていた。

ウィンキーたちは彼を優しく腕に抱き上げ、再び黄色の城へと運び戻した。道中、ドロシーは旧友のあまりにも無惨な姿を見て涙をこぼし、ライオンも沈んだ顔で悲しんでいた。城に着くと、ドロシーはウィンキーたちに尋ねた。

「あなた方の中に、ブリキ職人はいますか?」

「ええ。とても腕の良い職人が何人もいます」彼らは答えた。

「それなら、その人たちを呼んできて」彼女は言った。職人たちが道具を籠に入れてやってくると、ドロシーは頼んだ。「ブリキの木こりの凹みを直して、元の形に戻してくれませんか? 折れたところをハンダで繋ぎ合わせてほしいのです。」

職人たちは木こりの体を注意深く調べ、元通りに直せると答えた。彼らは城の大きな黄色の部屋の一つで作業に取りかかった。三日三晩、ハンマーで叩き、ひねり、曲げ、ハンダ付けし、磨き上げ、木こりの足や体や頭を叩き続けた。やがて、彼は以前の通りの姿を取り戻し、関節もかつてのようにスムーズに動くようになった。確かに体にはあちこち継ぎ目があったが、職人たちの仕事は見事で、木こりも虚栄心の強い男ではなかったので、継ぎ目など全く気にしなかった。

ついに、彼がドロシーの部屋に歩み寄り、助けてくれたお礼を言った。彼はあまりの嬉しさに喜びの涙を流したが、関節が錆びないようにドロシーがエプロンで丁寧に一滴残らず拭ってやった。同時にドロシー自身も、旧友との再会の喜びに涙が溢れて止まらなかったが、こちらの涙は拭う必要がなかった。ライオンも、何度も尻尾の先で目元を拭ったため尻尾がびしょ濡れになり、中庭に出て太陽に当てて乾かさなければならなかった。

「あとかかしさんさえ一緒にいれば」ドロシーから今までの経緯をすべて聞き終えた後、ブリキの木こりが言った。「私は最高に幸せです。」

「探しに行かなきゃ」少女が言った。

彼女は再びウィンキーたちの助けを借りて出発した。その日一日と翌日の午前中まで歩き、ようやく、翼のある猿がかかしの服を放り投げた高い木の下にたどり着いた。

それは非常に高い木で、幹はつるつるとしており、誰も登ることはできなかった。だが木こりはすぐに言った。「切り倒しましょう。そうすれば服を取り戻せます。」

ところで、職人たちが木こり自身を修理している間、別のウィンキーの金細工師が、折れた柄の代わりに純金で作った斧の柄を取り付けてくれていた。刃も錆び一つなくなるまで磨き上げられ、磨かれた銀のように輝いていた。

木こりが斧を振るうと、ほどなくして巨木は轟音と共に倒れた。枝の中からかかしの服がこぼれ落ち、地面に転がった。

ドロシーがそれを拾い上げ、ウィンキーたちに城まで運ばせた。そこで中にかっこいい清潔な藁を詰め込むと――見よ! かかしが元通りの姿で現れ、救ってくれた皆に何度も何度も感謝を伝えた。

こうして全員が再会し、ドロシーと仲間たちは黄色の城で数日間の幸福な時を過ごした。そこには彼らが快適に過ごすために必要なものがすべて揃っていた。

だが、ある日少女はエムおばさんのことを思い出し、言った。「オズ様のところへ戻らなきゃ。約束を果たしてもらうために。」

「そうだ」木こりが言った。「ついに私も心がもらえるんだな。」

「僕は脳みそがもらえる」かかしが嬉しそうに付け加えた。

「俺は勇気がもらえる」ライオンが静かに言った。

「そして私はカンザスへ帰れるわ」ドロシーは手を叩いて喜んだ。「ねえ、明日エメラルドの都へ出発しましょう!」

一同はそれに同意した。翌日、彼らはウィンキーたちを集めて別れを告げた。ウィンキーたちは彼らが行ってしまうのを寂しがり、特にブリキの木こりを慕っていたため、このまま残って自分たちとこの黄色の国を統治してほしいと懇願した。だが決意が固いことを知ると、ウィンキーたちはトトとライオンにそれぞれ金の首輪を贈った。ドロシーにはダイヤモンドを散りばめた美しいブレスレットを、かかしにはつまずかないように金の手元がついた杖を、そしてブリキの木こりには金細工と宝石で飾られた銀の油差しを贈った。

旅人たちはそれぞれ感謝のスピーチをし、腕が痛くなるほどウィンキーたちと握手を交わした。

ドロシーは旅の食料を補充するために魔女の棚へ行き、そこで「黄金の冠」を見つけた。試しに被ってみると、彼女の頭にぴったりだった。彼女はその冠に秘められた魔力のことは何も知らなかったが、とても綺麗だったので、それを被っていくことにした。自分に似合うピンクの日除け帽子は籠の中にしまった。

こうして準備を整え、一行はエメラルドの都を目指して出発した。ウィンキーたちは三唱の万歳を送り、彼らの旅に多くの幸運を祈った。

第十四章 翼のある猿たち

覚えておいでだろうか、悪い魔女の城とエメラルドの都の間には道というものがなく、小道さえ存在しないことを。四人の旅人が魔女を探しに来た時は、魔女が遠くから彼らを見つけ、翼のある猿を遣わして城へ運ばせたのだ。バターカップや黄色いデイジーが咲き乱れる広大な野原を自力で戻るのは、運ばれるよりもずっと大変なことだった。もちろん、日が昇る方角、真東を目指せばいいことは分かっていたし、正しい方向へ出発した。だが正午になり、太陽が真上に来ると、どちらが東でどちらが西か分からなくなり、大平原の真ん中で道に迷ってしまった。それでも歩き続け、夜には月が明るく輝き始めた。そこで一行は、芳しい黄色い花々の間に横たわり、朝までぐっすりと眠った。眠らないかかしとブリキの木こりを除いては。

翌朝、太陽は雲に隠れていたが、彼らは自分たちの進む道が正しいと信じて歩き出した。

「歩き続けていれば」ドロシーが言った。「いつかどこかへ着くはずだわ。」

だが日は過ぎ、目の前には相変わらず真紅の野原が広がるばかりだった。かかしが少し不満を漏らし始めた。

「道に迷ったのは間違いない。早くエメラルドの都を見つけないと、僕は一生脳みそをもらえないよ。」

「私も心がもらえません」ブリキの木こりが断言した。「オズのところへ着くのが待ちきれない。それにしても、随分と長い旅だ。」

「見てくれよ」臆病なライオンが泣き言を言った。「どこにも着かないまま永遠に歩き続ける勇気なんて、俺にはないんだ。」

ついにドロシーも気落ちしてしまった。彼女は草の上に座り込み、仲間たちを見つめた。仲間たちも座って彼女を見つめた。トトは生まれて初めて、目の前を飛んでいく蝶を追いかける気力も出ないほど疲れ切っていた。彼は舌を出し、ハアハアと息を切らしながら、これからどうすればいいのと尋ねるようにドロシーを見つめた。

「野ねずみたちを呼んでみましょう」彼女が提案した。「あの子たちなら、エメラルドの都への道を教えてくれるかもしれないわ。」

「全くだ!」かかしが叫んだ。「どうして今まで気づかなかったんだろう。」

ドロシーは、ネズミの女王からもらって以来ずっと首から下げていた小さな笛を吹いた。数分後、無数の小さな灰色のネズミたちが駆けてくる足音が聞こえてきた。その中に女王本人の姿もあり、彼女は甲高い声で尋ねた。

「私の友人たちに、何かできることはありますか?」

「道に迷ってしまったの」ドロシーが言った。「エメラルドの都がどこにあるか教えてくれるかしら?」

「もちろんですわ」女王が答えた。「でも、かなり遠いですわよ。ずっと背中の方にして歩いてこられたのですから。」

その時、女王はドロシーが被っている黄金の冠に気づき、言った。「どうしてその冠の魔力を使って、翼のある猿たちを呼ばないのですか? あの子たちなら、一時間もしないうちにオズの都まで運んでくれますわよ。」

「魔力があるなんて知らなかったわ」ドロシーは驚いて尋ねた。「どんな力なの?」

「黄金の冠の裏側に書いてありますわ」ネズミの女王が答えた。「でも、猿たちを呼ぶなら私たちは逃げなくては。あの子たちはいたずら好きで、私たちをいじめるのが大好きなんですもの。」

「私に乱暴したりしないかしら?」少女は不安げに尋ねた。

「いいえ。冠の持ち主の命令には絶対に従いますわ。それでは、さようなら!」

女王は急いで去っていき、他のネズミたちも慌てて後を追った。

ドロシーが黄金の冠の裏側を覗き込むと、裏地にいくつかの言葉が書かれていた。これが呪文に違いないと思い、彼女は注意深く指示を読み、冠を頭に載せた。

「エッペ、ペッペ、カッケ!」彼女は左足で立って唱えた。

「何て言ったんだい?」ドロシーが何をしているか分からないかかしが尋ねた。

「ヒッロ、ホッロ、ヘッロ!」

ドロシーは続け、今度は右足で立った。

「やあ(ハロー)!」ブリキの木こりが落ち着いて返事をした。

「ズィズィ、ズズィ、ズィク!」今度は両足で立って叫んだ。これで呪文を唱え終えると、凄まじい羽音と喋り声が響き、翼のある猿の群れが彼らの元へ飛んできた。

王がドロシーの前で深々とお辞儀をし、尋ねた。「命令は何だ?」

「エメラルドの都へ行きたいのです」少女が答えた。「道に迷ってしまったので。」

「お運びいたしましょう」王が答えるが早いか、二匹の猿がドロシーを腕に抱えて飛び上がった。他の猿たちはかかし、木こり、ライオンを運び、一匹の小さな猿は、必死に噛みつこうとするトトをひっ掴んで後に続いた。

かかしと木こりは、以前猿たちにひどい目に合わされた記憶があったので、最初は怖がっていた。だが悪意がないことが分かると、空からの快適な旅を楽しみ、遥か下の美しい庭園や森を眺めて愉快な時間を過ごした。

ドロシーは、二匹の大きな猿――その一匹は王自身だった――の間に挟まれて楽に乗っていた。猿たちは手で椅子を作り、彼女を傷つけないよう注意を払っていた。

「どうして黄金の冠の命令に従わなければならないの?」彼女が尋ねた。

「それは長い話になりましてね」王は翼のある笑い声を上げながら答えた。「目的地まではまだ時間がありますし、お望みならお話ししましょう。」

「ぜひ聞かせてちょうだい」と彼女は答えた。

「昔々」リーダーが語り始めた。「我々は大きな森で自由に、幸せに暮らしていた。木から木へと飛び移り、木の実や果実を食べ、誰を主人と呼ぶこともなく、気ままに過ごしていたのだ。時には少々いたずらが過ぎることもあった。翼のない動物たちの尻尾を引っぱったり、鳥を追いかけたり、森を歩く人々に木の実を投げつけたりしてな。だが我々はのんきで幸せで、遊びに満ち、毎日を楽しんでいた。これはオズ様が雲の中から現れてこの地を統治するより、ずっとずっと昔のことだ。

当時、北の果てに美しく、また強力な魔術師でもある王女が住んでいた。彼女の魔法はすべて人々を助けるために使われ、善い人々を傷つけたことは一度もなかった。名はガエレットといい、巨大なルビーの塊で造られた見事な宮殿に住んでいた。誰もが彼女を愛していたが、彼女の最大の悩みは、愛する相手が見つからないことだった。周りの男たちは、彼女のような美しく賢い女性の伴侶とするには、あまりにも愚かで醜すぎたのだ。だがついに、彼女は一人の少年を見つけた。若さに似合わず逞しく、賢明で美しい少年だった。ガエレットはその子が大人になったら夫にしようと決め、ルビーの宮殿へ連れていき、魔法を尽くしてその子を女性が望む限りの強く、正しく、美しい男へと育て上げた。その子が成長したとき、クエララというその名は、この地で最も優れた賢者として知れ渡っていた。その凛々しき美貌ゆえにガエレットは彼を深く愛し、婚礼の準備を急いだ。

私の祖父は、当時ガエレットの宮殿の近くの森に住む翼のある猿の王だった。この老いた祖父は、ご馳走を食べるよりも悪ふざけが大好きな性分でな。婚礼の直前のある日のこと、祖父が仲間を連れて飛んでいると、川沿いを歩くクエララの姿が見えた。彼はピンクの絹と紫のビロードの豪華な衣装を纏っていた。祖父はちょっとした悪戯を思いついた。祖父の合図で猿たちが急降下してクエララを捕まえ、川の真ん中の上空まで運んでいくと、そのまま彼を水に落としたのだ。

『さあ、泳いで戻れ、伊達男さん』祖父が叫んだ。『その水でお前の服にシミができなきゃいいがな!』クエララは賢い男だったので、慌てず泳いで岸に戻った。幸運に甘んじるような器の小さな男ではなかったのだ。彼は水面に顔を出すと、笑いながら岸まで泳ぎ着いた。だが、駆け寄ったガエレットが見たのは、川の水で台無しになった絹とビロードの衣装だった。

王女は激怒した。犯人が誰かは明白だった。彼女は翼のある猿をすべて呼び出し、最初は、彼らの翼を縛り、クエララにしたのと同じように川に投げ込むと命じた。だが祖父は必死に許しを請うた。翼を縛られて川に落ちれば、猿たちは溺れ死んでしまうからだ。クエララも彼らを許してやってほしいと口添えをした。そこでガエレットはついに、猿たちが永久に、黄金の冠の持ち主の命令を三回ずつ聞くことを条件に、彼らを赦免したのだ。この冠はクエララへの婚礼の贈り物として作られたもので、王女の王国の半分に匹敵する価値があると言われている。もちろん、祖父も他の猿たちもすぐさまその条件に同意した。これが、我々が黄金の冠の持ち主の――それが誰であれ――三回ずつの奴隷となった経緯なのだ。」

「それで、その人たちはどうなったの?」物語に興味津々のドロシーが尋ねた。

「クエララが最初の持ち主だったので」猿が答えた。「彼が最初に我々に願いを命じた。彼の花嫁は我々の姿を見るのも嫌がったので、彼は結婚後に森で我々を呼び出し、二度と彼女の目に触れない場所に留まるよう命じた。我々も彼女を恐れていたので、喜んでそれに従ったよ。

それから我々が命令を受けたのは、黄金の冠が西の悪い魔女の手に渡った時だ。彼女は我々にウィンキーたちを隷属させ、後にはオズ様本人を西の国から追い出すよう命じた。そして今、黄金の冠はあなたのものだ。あなたには三回、我々に願いを命じる権利があるのだよ。」

猿の王が話を終えた時、ドロシーが下を見下ろすと、エメラルドの都の緑色に輝く壁が目の前に迫っていた。彼女は猿たちの飛行の速さに驚いたが、旅が終わったことを喜んだ。奇妙な生き物たちは、都の門の前に旅人たちを注意深く降ろした。王はドロシーに深くお辞儀をすると、仲間を連れて速やかに飛び去っていった。

「いい乗り心地だったわ」少女が言った。

「ああ、困難を抜け出す近道だったな」ライオンが答えた。「あの不思議な冠を持ってきて、本当に幸運だったよ!」

第十五章 おぞましきオズの正体

四人の旅人はエメラルドの都の巨大な門まで歩み寄り、呼び鈴を鳴らした。何度か鳴らすと、以前会ったのと同じ門の守護者が門を開けた。

「何だって! また戻ってきたのか?」彼は驚いて尋ねた。

「見れば分かるでしょう?」かかしが答えた。

「てっきり、西の悪い魔女を訪ねに行ったものだと思っていたよ。」

「訪ねたとも」かかしが言った。

「それで、あいつが君たちを帰してくれたのか?」男は不思議そうに聞いた。

「あいつにはどうしようもなかったのさ。何しろ溶けてしまったんだからね」かかしが説明した。

「溶けた! それは実にいいニュースだ」男が言った。「誰が溶かしたんだい?」

「ドロシーだ」ライオンが厳かに言った。

「おやおや、まあ!」男は叫び、ドロシーの前でこれ以上ないほど深くお辞儀をした。

それから彼は一行を小さな部屋へ案内し、以前と同じように大きな箱から眼鏡を取り出して全員の目に鍵で固定した。その後、一行は門をくぐってエメラルドの都へと入った。ドロシーが西の悪い魔女を溶かしたという話が門の守護者から伝わると、街の人々は旅人たちの周りに集まり、巨大な群衆となって宮殿まで彼らの後を追った。

緑の髭の兵士は相変わらずドアの前で見張りをしていたが、すぐに一行を中へ入れた。再びあの美しい緑の少女が迎え、オズが謁見の準備を整えるまで休めるよう、以前の部屋へと一人ずつ案内した。

兵士は、悪い魔女を滅ぼしたドロシーたちが戻ってきたという知らせを直ちにオズへと届けたが、返答はなかった。一行は大魔法使いがすぐに呼んでくれるだろうと思っていたが、呼び出しはなかった。翌日も、その翌日も、さらにその翌日も、音沙汰はなかった。待たされるのは退屈で、精神的にこたえた。あんな苦労や奴隷生活を強いておきながら、このような不誠実な扱いをするオズに対して、ついに彼らは腹を立て始めた。そこにかかしが緑の少女を呼び、オズへの最後の伝言を託した。もし今すぐ会わせてくれないのであれば、翼のある猿を呼び出し、あの方が約束を守るつもりがあるのかどうか確かめさせてもらう、と。この伝言を聞いた魔法使いはひどく怯え、翌朝の九時四分に玉座の間へ来るようにと返答した。彼はかつて西の国で翼のある猿たちに会ったことがあり、二度とあのような目には遭いたくなかったのだ。

四人の旅人は、オズが約束した贈り物のことを考え、眠れぬ夜を過ごした。ドロシーがようやく一度だけ眠りに落ちたとき、彼女はカンザスに帰り、エムおばさんが愛娘の帰還を心から喜んでいる夢を見た。

翌朝、ちょうど九時に緑の髭の兵士が迎えに来た。その四分後、彼らは全員で大魔法使いオズの玉座の間へと入った。

もちろん、誰もが魔法使いが以前見せたあの姿で現れるだろうと予想していた。だが、あたりを見回しても、部屋には誰もいなかった。彼らはドアの近くに固まり、お互いに身を寄せ合った。空っぽの部屋に漂う静寂は、これまで見てきたオズのどの変装よりも恐ろしく感じられた。

やがて、巨大なドームの頂点から響いてくるような、厳かな「声」が聞こえた。

「我はオズ、偉大にして恐ろしき者なり。何ゆえに我を求める?」

彼らは再び部屋の隅々まで目を凝らしたが、やはり誰もいない。ドロシーが尋ねた。「どこにいらっしゃるの?」

「我はどこにでもいる」声が答えた。「だが、卑俗な凡人の目には見えぬ。これより玉座に座るゆえ、語りかけるがよい。」

声は今、確かに玉座そのものから聞こえてくるようだった。一行は玉座の前まで進み、一列に並んだ。ドロシーが言った。

「約束を果たしていただきにまいりました、オズ様。」

「何の約束だ?」オズが尋ねた。

「悪い魔女を滅ぼしたら、私をカンザスへ帰してくださると約束なさいましたわ」少女が言った。

「僕には脳みそをくれると約束したはずだ」とかかしが言った。

「私には心をくれると約束した」とブリキの木こりが言った。

「俺には勇気をくれると約束した」と臆病なライオンが言った。

「悪い魔女は本当に滅びたのか?」声が尋ねた。ドロシーには、その声が少し震えているように聞こえた。

「ええ」彼女は答えた。「バケツ一杯の水で、あの方を溶かしましたわ。」

「おやおや」声が言った。「それはまた唐突な。……では、明日また来なさい。じっくり考える時間が必要だ。」

「時間はたっぷりあったはずだ!」ブリキの木こりが怒鳴った。

「一日だって待てないよ」とかかしが言った。

「約束を守ってください!」ドロシーが叫んだ。

ライオンは魔法使いを脅かしてやるのが得策だと考え、これ以上ないほど大きく恐ろしい咆哮を上げた。そのあまりの凄まじさにトトが驚いて飛び退き、部屋の隅にあった衝立を倒してしまった。衝立が大きな音を立てて倒れたとき、一同がそちらに目を向けると、次の瞬間、誰もが驚愕に包まれた。衝立に隠されていたその場所に、一人の小柄な老人が立っていたからだ。頭は禿げ上がり、顔は皺だらけで、老人自身も一行と同じくらい驚いているようだった。ブリキの木こりが斧を振り上げ、老人に詰め寄って叫んだ。「貴様、何者だ!」

「私はオズ、偉大にして恐ろしき者……」老人は震える声で言った。「だが、叩かないでくれ、どうか……何でも君たちの望み通りにするから。」

友人たちは驚きと落胆に満ちて彼を見つめた。

「オズ様は巨大な『頭』だと思っていたのに」ドロシーが言った。

「僕は美しい『貴婦人』だと思っていた」とかかしが言った。

「私は恐ろしい『獣』だと思っていた」とブリキの木こりが言った。

「俺は『火の玉』だと思っていたぞ」ライオンが叫んだ。

「いや、皆さんの勘違いだ」老人は力なく言った。「私はただ、ふりをしていただけなんだ。」

「ふりをしていたですって!」ドロシーが叫んだ。「あなたは大魔法使いではないの?」

「静かに、お嬢さん」彼は言った。「そんな大声を出さないでくれ。誰かに聞かれたら、私は破滅だ。……私は偉大な魔法使いだと思われているんだから。」

「そうではないの?」彼女は尋ねた。

「全く違うよ。私はただの、どこにでもいる平凡な男だ。」

「ただの男どころじゃない」かかしが悲しげな口調で言った。「あんたは『ペテン師』だ。」

「全くその通り!」老人は、それが嬉しいことであるかのように手をこすり合わせて言った。「私はペテン師なんだ。」

「なんてことだ」ブリキの木こりが言った。「これでは、私の心はどうなるんだ?」

「俺の勇気は?」ライオンが尋ねた。

「僕の脳みそは?」かかしは上着の袖で目元の涙を拭いながら嘆いた。

「皆さん」オズが言った。「そんな些細なことは言わないでください。私のことを考えてください。正体がバレてしまって、今どれほど困っているかを。」

「他に、あなたがペテン師だと知っている人はいるの?」ドロシーが尋ねた。

「君たち四人と、私だけだ」オズが答えた。「あまりにも長く皆を騙し続けてきたから、絶対にバレないと思っていたんだよ。君たちを玉座の間に入れたのが、そもそも大きな間違いだった。普段は臣下にさえ顔を見せないから、みんな私のことを何か恐ろしい存在だと思い込んでいたんだ。」

「でも、分からないわ」ドロシーは当惑して言った。「どうして私の前に巨大な『頭』として現れたの?」

「あれは仕掛けの一つだ」オズが答えた。「こちらへ来なさい。すべてをお話ししよう。」

彼は玉座の間の裏手にある小さな小部屋へと案内し、全員が後に続いた。彼が部屋の隅を指差すと、そこには何重もの紙で作られ、丁寧に顔を描かれたあの巨大な頭が転がっていた。

「これを天井から針金で吊るしたんだ」オズが言った。「私は衝立の後ろに立って糸を引き、目や口を動かしていたのさ。」

「でも、あの声はどうしたの?」彼女が尋ねた。

「ああ、私は『腹話術師』なんだよ」老人は言った。「声を好きな場所に飛ばせるんだ。だから、頭から声が出ているように聞こえたのさ。ほら、君たちを騙すのに使った他の道具もここにある。」

彼はかかしに、美しい貴婦人に見せるために使ったドレスと仮面を見せた。ブリキの木こりが見た恐ろしい獣は、たくさんの毛皮を縫い合わせ、中に横木を入れて形を保っただけの代物だった。火の玉もまた、偽の魔法使いが天井から吊るしたものだった。正体はただの綿の玉だが、油を注いで火をつければ激しく燃え上がるのだ。

「全くだ」かかしが言った。「こんなに人を騙して、恥ずかしくないのかい。」

「恥じているよ、本当に恥じている」老人は悲しげに答えた。「だが、他に道がなかったんだ。座りなさい、椅子はたくさんある。私の身の上話をしよう。」

一行は腰を下ろし、彼の語る物語に耳を傾けた。

「私はオマハで生まれた……」

「まあ、カンザスのすぐそばじゃない!」ドロシーが叫んだ。

「ああ、だがここからは遥か遠くだ」彼は悲しげに首を振って言った。「大人になって腹話術師になり、巨匠について厳しい修行を積んだ。どんな鳥や獣の声も真似できるようになったんだ。」

ここで彼が子猫のような鳴き声を出してみせると、トトは耳をぴくつかせ、どこに猫がいるのかとあたりを見回した。「やがて」オズは続けた。「私はその仕事に飽きて、気球乗りになったんだ。」

「それってなあに?」ドロシーが尋ねた。

「サーカスの日に気球に乗って空へ上がり、見物人を集めてサーカスにお金を払わせる役目だよ」彼は説明した。

「ああ、知っているわ」彼女は言った。

「ある日のこと、気球に乗ったらロープが絡まってしまい、降りられなくなったんだ。気球は雲の上まで高く昇り、気流に乗って何マイルも何マイルも運ばれていった。一日一夜、私は空を旅し、二日目の朝に目を覚ますと、気球はこの見知らぬ美しい国の上を漂っていた。

気球はゆっくりと降下し、私は無傷で着地した。だが、周りには見知らぬ人々がいて、私が雲の中から現れたのを見て、偉大な魔法使いだと思い込んだんだ。もちろん、私は否定しなかった。彼らが私を恐れ、何でも望みを聞くと約束してくれたからね。

ただの退屈しのぎと、善良な人々を忙しくさせておくために、私はこの都と宮殿を造るよう命じた。彼らは喜んで、実に見事にやってくれたよ。この国があまりに緑豊かで美しかったから、私はここをエメラルドの都と呼ぶことにした。名前をより本物らしくするために、人々に緑の眼鏡をかけさせ、何もかもが緑に見えるようにしたんだ。」

「でも、ここは緑じゃないの?」ドロシーが尋ねた。

「他の街と変わりはしないよ」オズが答えた。「だが緑の眼鏡をかけていれば、当然すべてが緑に見えるだろう? エメラルドの都が造られたのはもう何年も前のことだ。気球でここへ来た時、私は若かったが、今ではもうすっかり老人だ。だが私の民はあまりにも長く緑の眼鏡をかけてきたから、ほとんどの者がここは本当にエメラルドの都だと信じ込んでいる。確かにここは宝石や貴金属が溢れ、人を幸せにする良いものに満ちた美しい場所だ。私は民に良くしてきたし、彼らも私を好いてくれている。だが、この宮殿ができて以来、私は自分を閉じ込め、誰にも顔を見せないようにしてきた。

私が最も恐れていたのは魔女たちだった。私には何の魔法の力もないが、魔女たちは本当に素晴らしい力を持っていることをすぐに知ったからだ。この国には四人の魔女がいて、東西南北の民を治めていた。幸い、北と南の魔女は善良で、私に害をなさないことは分かっていた。だが東と西の魔女はひどく邪悪で、もし私が自分たちより強力だと思い込ませていなければ、あいつらはきっと私を滅ぼしていただ価値ろう。だから私は長年、あいつらを死ぬほど恐れて暮らしてきたんだ。君の家が東の悪い魔女の上に落ちたと聞いた時、私がどれほど喜んだか想像がつくだろう。君たちが私の元へ来た時、もう一人の魔女を片付けてくれるなら何でも約束しようと思った。だが、君が本当にあいつを溶かしてしまった今、私は約束を守れないことが恥ずかしくてならないよ。」

「あなたは、とても悪い人だわ」ドロシーが言った。

「いいや、お嬢さん。私はとても良い人間だよ。ただ、魔法使いとしては最低だと言わざるを得ないがね。」

「僕に脳みそはくれないのかい?」かかしが尋ねた。

「君に脳みそは必要ない。君は毎日、何かを学んでいる。赤ん坊にも脳みそはあるが、大したことは知らないだろう。知識をもたらすのは経験だけだ。長く生きていれば、経験は自ずと積み重なるものだよ。」

「そうかもしれないけれど」かかしが言った。「脳みそをもらえないなら、僕はとても不幸だ。」

偽の魔法使いは彼をじっと見つめた。

「よかろう」彼はため息をついて言った。「私はろくな手品師ではないと言ったが、明日の朝、君の頭に脳みそを詰めてあげよう。だが、使い方は教えられない。それは自分で見つけなければならないよ。」

「ああ、ありがとう、本当にありがとう!」かかしが叫んだ。「使い道なんて、自分で見つけてみせるよ、任せておいて!」

「俺の勇気はどうなる?」ライオンが不安げに尋ねた。

「君には十分な勇気がある、間違いない」オズが答えた。「君に足りないのは自分に対する自信だけだ。危険に直面したときに怖くない生き物なんていない。真の勇気とは、怖くてたまらないときでも、その危険に立ち向かうことなんだ。君はそれを十分に持っているよ。」

「そうかもしれないけれど、怖いものは怖いんだ」ライオンが言った。「恐怖を忘れさせてくれるような勇気をもらえないなら、俺はとても不幸だ。」

「分かった。明日の朝、そういう勇気を授けよう」オズが答えた。

「私の心は?」ブリキの木こりが尋ねた。

「それについてだが」オズは答えた。「心を欲しがるのは間違っていると思うよ。心は人を不幸にすることが多いんだ。君は心を持っていないからこそ、幸運なんだと気づくべきだ。」

「それは考え方の違いでしょう」木こりが言った。「私の方は、心をいただけるなら、どんな不幸も文句を言わずに耐えてみせますよ。」

「よかろう」オズは素直に答えた。「明日来なさい。心を授けよう。長年魔法使いのふりをしてきたんだ。もう少しだけその役を続けてもバチは当たらないだろう。」

「それで」ドロシーが言った。「私はどうやってカンザスへ帰ればいいの?」

「それについては考えさせてくれ」老人が答えた。「二、三日時間をくれれば、砂漠を越えて君を運ぶ方法を考えてみよう。それまでの間、諸君を賓客としてもてなそう。宮殿にいる間は、私の民が諸君に仕え、どんな願いも聞き届けるようにさせる。ただ一つ、私の助けと引き換えに約束してほしい。私がペテン師だという秘密を、誰にも言わないでくれ。」

彼らは秘密を守ることに同意し、晴れやかな気分でそれぞれの部屋へ戻った。ドロシーでさえ、「偉大にして恐ろしきペテン師」が自分をカンザスへ帰す方法を見つけてくれるという希望を抱き、もしそうなれば彼のすべてを許すつもりでいた。

第十六章 偉大なるペテン師の魔法

翌朝、かかしは仲間たちに言った。

「祝ってくれ。ついにオズのところへ行って、脳みそをもらってくるよ。戻ってくる頃には、僕も普通の人間みたいになれるんだ。」

「私はそのままのあなたが好きだったけれど」ドロシーは素直に言った。

「かかしを好きでいてくれるなんて、君は優しいね」彼は答えた。「でも、僕の新しい脳みそが素晴らしい考えを次々と生み出すのを聞けば、きっともっと僕のことを見直してくれるはずだよ。」

彼は元気な声で皆に別れを告げると、玉座の間へ行き、ドアをノックした。

「お入り」オズが言った。

かかしが入ると、老人は窓辺に座って深く考え込んでいた。

「脳みそをいただきにまいりました」かかしは少し落ち着かない様子で言った。

「ああ、そうだ。そこの椅子に座りなさい」オズが答えた。「君の頭を一度外さなきゃいけないんだが、許してくれ。正しい場所に脳みそを入れなきゃならないからね。」

「構いませんよ。もっといい頭になって戻ってくるなら、喜んで差し出しますよ。」

そこで魔法使いはかかしの頭を外し、中の藁を空にした。それから裏の部屋へ行き、一升ほどの糠を手に取ると、そこにたくさんのピンや針を混ぜ合わせた。それらをよくかき混ぜてから、かかしの頭の頂点にその混合物を詰め、残りのスペースには形を保つために藁を詰め戻した。

かかしの頭を再び体に取り付けると、オズは言った。「これで君は偉大な男だ。真新しい(ブラン・ニュー)脳みそ(糠の脳みそ[訳注:英語のBran(糠)とBrand-new(真新しい)をかけた洒落])をたっぷり入れてやったからね。」

かかしは最大の願いが叶い、喜びと誇らしさでいっぱいになった。彼はオズに熱烈な感謝を伝えると、仲間の元へ戻った。

ドロシーが不思議そうに彼を見つめた。彼の頭のてっぺんは、脳みそのおかげでこんもりと盛り上がっていた。

「気分はどう?」彼女が尋ねた。

「実に賢くなった気分だよ」彼は真剣に答えた。「脳みそに慣れてくれば、何でも分かるようになるだろう。」

「どうして頭から針やピンが突き出しているの?」ブリキの木こりが尋ねた。

「あいつの頭が『鋭い(シャープ)』っていう証拠だな」ライオンが茶化した。

「さて、次は私が心をもらいに行く番だ」木こりはそう言うと、玉座の間のドアをノックした。

「お入り」オズが呼び、木こりが入って言った。「心をいただきにまいりました。」

「よろしい」老人が答えた。「だが、胸に穴を開けなきゃならない。正しい場所に心を納めるためだ。痛まなければいいがね。」

「いいえ」木こりは答えた。「私は何も感じませんから大丈夫です。」

そこでオズはブリキ職人の大きなハサミを持ってくると、木こりの胸の左側に四角い穴を開けた。それから引き出しのところへ行き、絹でできて中に鋸屑が詰まった可愛らしい心臓を取り出した。

「どうだい、いいだろう?」彼は尋ねた。

「ええ、素晴らしい!」木こりは大喜びで答えた。「ですが、これは『優しい心』ですか?」

「ああ、とてもね!」オズが答えた。彼は心を木こりの胸に納めると、切り取ったブリキの板を戻し、継ぎ目をきれいにハンダ付けして塞いだ。

「さあ、これでどんな男でも誇りに思うような立派な心を持てたぞ。胸に継ぎ当てをしてしまって申し訳ないが、こればかりはどうしようもなかったんだ。」

「継ぎ当てなんて気にしません」幸せな木こりは叫んだ。「心から感謝します。このご恩は一生忘れません。」

「いいんだよ」オズが答えた。

ブリキの木こりは仲間の元へ戻り、皆からその幸運を祝福された。

次はライオンが玉座の間へ行き、ドアをノックした。

「お入り」オズが言った。

「勇気をいただきにまいりました」ライオンは部屋に入りながら告げた。

「よろしい。今持ってこよう」老人は言った。

彼は棚へ行き、高い場所から四角い緑色の瓶を取り出した。その中身を、美しく彫刻された緑と金の皿に注いだ。それを臆病なライオンの前に差し出した。ライオンはあまり好きではないような様子で、その匂いを嗅いだ。魔法使いが言った。

「飲みなさい。」

「これは何だい?」ライオンが尋ねた。

「まあ」オズは答えた。「君の中に入れば、それが『勇気』になるんだよ。勇気というものは常に内側にあるものだろう? だから、これを飲み込むまでは勇気とは呼べないのさ。さあ、一刻も早く飲むことをお勧めするよ。」

ライオンはもうためらわず、皿が空になるまで飲み干した。

「気分はどうだい?」オズが尋ねた。

「勇気に満ちあふれているよ」ライオンは答え、喜び勇んで仲間たちの元へ戻り、自分の幸運を話して聞かせた。

一人残されたオズは、かかしと木こりとライオンに、彼らが欲しがっていた通りのものを与えることができた自分の成功を思い出して微笑んだ。「ペテン師にならずにいられるだろうか」彼は言った。「みんなが、誰にだって不可能なことを私にやらせようとするんだから。かかしやライオンや木こりを幸せにするのは簡単だった。彼らが、私なら何でもできると思い込んでいたからね。だがドロシーをカンザスへ帰すには、思い込み以上の力が必要だ。どうすればいいのか、私にはさっぱり分からないよ。」

第十七章 気球よ、空へ

その後三日間、ドロシーはオズから何の連絡ももらえなかった。仲間たちは皆幸せで満足していたが、少女にとっては悲しい日々だった。かかしは頭の中に素晴らしい考えが次々と浮かんでいると話したが、それがどんなものかは誰にも理解できないだろうからと言って教えてくれなかった。ブリキの木こりは歩くたびに胸の中で心がコトコトと鳴るのを感じ、生身の人間だった頃の心よりもずっと優しく繊細な心を手に入れたとドロシーに語った。ライオンはもう地上のいかなるものも恐ろしくないと断言し、軍隊でも十二頭のカリダでも喜んで立ち向かうと言い張った。

こうして、カンザスへ帰ることを切望するドロシー以外の全員が、それぞれの得たものに満足していた。

四日目のこと、待ちに待った呼び出しがあり、ドロシーが玉座の間に入ると、オズがにこやかに迎えた。

「座りなさい、お嬢さん。君をこの国から連れ出す方法が見つかったと思うよ。」

「カンザスへ帰れるの?」彼女は身を乗り出して尋ねた。

「まあ、カンザスかどうかは分からない。あそこがどの方角にあるのか、私にはさっぱり見当がつかないからね。だが、まずはこの砂漠を越えることだ。そうすれば、帰り道を見つけるのは簡単だろう。」

「どうやって砂漠を越えるの?」

「私の考えを話そう」老人は言った。「私がこの国に来たのは、気球に乗ってのことだった。君もまた、竜巻に運ばれて空からやってきた。だから、砂漠を越える最善の方法は空を行くことだと思うんだ。私に竜巻を起こす力はないが、じっくり考えた結果、気球なら作れると確信したよ。」

「どうやって?」ドロシーが尋ねた。

「気球というものは」オズが説明した。「絹でできていて、ガスが漏れないように糊でコーティングされている。宮殿には絹なら山ほどあるから、気球を作るのは難しくない。だが困ったことに、この国には気球を浮かせるためのガスがないんだ。」

「浮かばないなら、役に立たないわ」ドロシーが言った。

「その通りだ」オズが答えた。「だが、もう一つ浮かせる方法がある。それは熱気で満たすことだ。熱気はガスほど良くはない。空気が冷えれば気球は砂漠に落ちてしまい、私たちは遭難してしまうからね。」

「『私たち』ですって!」少女は叫んだ。「あなたも一緒に行くの?」

「ああ、もちろんだよ」オズが答えた。「もうペテン師でいるのには疲れたんだ。この宮殿を一歩出れば、民はすぐに私が魔法使いではないことに気づくだろうし、騙されていたことを怒るに違いない。だから私は一日中この部屋に閉じこもっていなければならないんだ。もう飽き飽きだよ。君と一緒にカンザスへ戻って、またサーカスに出る方がずっとましだ。」

「ご一緒できれば嬉しいわ」ドロシーが言った。

「ありがとう」彼は答えた。「では、君が絹を縫い合わせるのを手伝ってくれるなら、すぐに気球作りにかかろう。」

ドロシーは針と糸を手に取り、オズが絹を適切な形に切り出すそばから、彼女が丁寧にそれらを縫い合わせていった。最初は薄い緑の絹、次は深い緑、そしてエメラルドグリーンの絹。オズは周囲にあふれる色のグラデーションで気球を作りたいと考えたのだ。すべての布を縫い合わせるのに三日かかったが、完成したときには長さ20フィート(約6メートル)を超える巨大な緑色の絹の袋ができあがった。

オズはその内側に薄い糊を塗って気密性を高めると、ついに気球の完成を宣言した。

「あとは乗るための籠が必要だ」と彼は言った。そこで緑の髭の兵士をやって大きな洗濯籠を持ってこさせ、それを何本ものロープで気球の底にしっかりと固定した。

準備がすべて整うと、オズは民に告げた。自分は雲の中に住む偉大な兄弟魔法使いを訪ねに行くのだ、と。そのニュースは瞬く間に街中に広まり、誰もがその素晴らしい光景を一目見ようと集まってきた。

オズは気球を宮殿の前に運ばせた。民は好奇心に満ちた目でそれを見つめた。ブリキの木こりが薪を山ほど用意して火を起こし、オズが気球の吹き流しを火の上にかざすと、立ち上る熱気が絹の袋の中に吸い込まれていった。気球は徐々に膨らんで空へと浮き上がり、やがて籠が地面をかすめるほどになった。

オズは籠に乗り込み、民に向かって大声で告げた。

「私はこれから訪問の旅に出る。私がいない間は、かかしが諸君を統治する。私に対するのと同様に、彼に従うことを命じる。」

気球はこの時、地面に繋ぎ止められたロープを激しく引っ張っていた。中の空気が熱くなり、周囲の空気よりも遥かに軽くなったため、空へと舞い上がろうとする力が強まっていたのだ。

「早く、ドロシー!」魔法使いが叫んだ。「急がないと、気球が飛んでいってしまうぞ!」

「トトが見当たらないの!」ドロシーが答えた。小さな犬を置いていくわけにはいかなかった。トトは子猫を追いかけて群衆の中に紛れ込んでいたが、ドロシーはようやく彼を見つけ出した。彼女はトトを抱きかかえ、気球に向かって駆け出した。

あと数歩でたどり着くところだった。オズが彼女を籠に引き入れようと両手を差し出したその時――パチン! とロープが切れ、気球は彼女を乗せないまま空へと舞い上がってしまった。

「戻ってきて!」彼女は悲鳴を上げた。「私も行くのよ!」

「戻れないんだ、お嬢さん」籠の中のオズが叫び返した。「さようなら!」

「さようなら!」人々も一斉に叫び、全員の目が空へと向けられた。籠に乗った魔法使いは、刻一刻と空高く昇り、遠ざかっていった。

それが、誰もが目にした大魔法使いオズの最後の姿だった。あの方が無事にオマハにたどり着き、今もそこで元気にしているかどうかは、誰にも分からない。だが、民はあの方を愛着を持って思い出し、こう語り合った。

「オズ様は常に我々の友人だった。あの方はこの美しいエメラルドの都を造ってくださり、去り際には賢いかかし様を後継者に残してくださったのだから。」

それでも、多くの日の間、人々は素晴らしい魔法使いを失った悲しみに暮れ、慰められることはなかった。

第十八章 南の国へ

ドロシーは、カンザスの我が家へ帰る希望が絶たれたことを知って激しく泣きじゃくった。だが、落ち着いてよく考えてみると、気球に乗って空へ上がらなくてよかったという気持ちにもなった。また、オズとの別れを寂しく思っていたし、仲間たちも同じ気持ちだった。

ブリキの木こりが彼女のそばにやってきて言った。

「もし、この素敵な心をくれた人のために喪に服さなかったら、それこそ恩知らずというものです。オズがいなくなってしまったのが悲しくて、少し泣きたい気分なのです。錆びないように、どうか私の涙を拭いてはくれませんか。」

「喜んで」とドロシーは答え、すぐにタオルを持ってきた。それからブリキの木こりは数分間泣き続け、彼女はその涙を注意深く見守り、タオルで拭い取った。泣き終えると、彼はドロシーに丁重に礼を言い、万が一に備えて、宝石を散りばめた油差しで入念に全身へ油を注した。

かかしは今やエメラルドの市の統治者だった。彼は魔法使いではなかったが、人々は彼を誇りに思っていた。「なにしろ」と市民たちは言った。「わらで詰め物をされた男が治めている街なんて、世界中どこを探しても他にないからね。」

彼らの知る限りにおいて、その言葉はまったく正しかった。

オズを乗せた気球が飛び去った翌朝、四人の旅人たちは玉座の間に集まり、今後について話し合った。かかしは大きな玉座に座り、他の者たちは敬意を払ってその前に立った。

「私たちはそれほど不幸ではないよ」と新しい統治者は言った。「この宮殿もエメラルドの市も私たちのものだし、何だって好きなことができる。少し前までは農家のトウモロコシ畑で棒に突き刺さっていた私が、今ではこの美しい街の統治者なんだ。自分の運命には十分満足しているよ。」

「私もです」とブリキの木こりが言った。「この新しい心にとても満足しています。実のところ、世界中で私が望んでいたのはそれだけでしたから。」

「私に言わせれば、これまで生きてきたどんな獣にも負けないくらい、あるいはそれ以上に自分に勇気があると知るだけで十分だ」とライオンは謙虚に語った。

「もしドロシーさえエメラルドの市に住むことに納得してくれたら」とかかしが続けた。「みんなで一緒に幸せに暮らせるんだが。」

「でも、私はここには住みたくないの」とドロシーは声を上げた。「カンザスへ帰って、エムおばさんやヘンリーおじさんと暮らしたいのよ。」

「では、どうすればいいだろう?」と木こりが尋ねた。

かかしは考えることにした。あまりに一生懸命考えたので、脳みそから待ち針や縫い針が突き出してきた。やがて、彼は言った。

「翼のある猿たちを呼んで、砂漠を越えて運んでくれるよう頼んでみてはどうだい?」

「その手があったわ!」ドロシーは歓喜して叫んだ。「まさに名案よ。すぐに黄金の冠を持ってくるわ。」

彼女が玉座の間に冠を持ってきて呪文を唱えると、すぐに翼のある猿の一団が開いた窓から飛び込んできて、彼女のそばに並んだ。

「お呼び出しはこれで二度目ですな」と猿の王は小さな少女の前でお辞儀をして言った。「ご用は何でしょう?」

「私を乗せてカンザスまで飛んでいってほしいの」とドロシーは言った。

だが、猿の王は首を振った。

「それはできません。私たちはこの国だけに属する存在で、ここを離れることはできないのです。カンザスに翼のある猿が行ったことは一度もありませんし、これからもないでしょう。あそこは我々の居場所ではないのです。力になれることなら喜んでお仕えしますが、砂漠を越えることはできません。では、さようなら。」

猿の王はもう一度お辞儀をすると、翼を広げて窓から飛び去り、群れも全員その後に続いた。

ドロシーは落胆のあまり泣き出しそうだった。「黄金の冠の魔法を無駄使いしてしまったわ。翼のある猿たちには助けてもらえないなんて。」

「それは本当にお気の毒に!」と心優しい木こりが言った。

かかしはまた考え込んだ。その頭はあまりにも恐ろしく膨れ上がったので、ドロシーは破裂してしまうのではないかと心配したほどだった。

「緑ひげの兵士を呼んで、知恵を借りよう」と彼は言った。

そこで兵士が召喚された。彼は恐る恐る玉座の間に入ってきた。オズが生きていた頃、彼は扉より先へ入ることを決して許されていなかったからだ。

「このお嬢さんが」とかかしは兵士に言った。「砂漠を越えたいと望んでいるのだ。どうすればいいかな?」

「私にはわかりません」と兵士は答えた。「オズ様ご自身を除いて、砂漠を越えた者など一人もおりませんから。」

「誰か助けてくれる人はいないの?」ドロシーは切実に尋ねた。

「グリンダ様なら、あるいは」と彼は提案した。

「グリンダとは誰だい?」かかしが尋ねた。

「南の魔女です。あらゆる魔女の中で最も力が強く、クアッドリングたちを統治しておいでです。それに、あの方の城は砂漠の縁に建っていますから、越える方法をご存知かもしれません。」

「グリンダは良い魔女なのね?」と少女は聞いた。

「クアッドリングたちはそう信じていますし、誰にでも慈悲深い方です。お聞きしたところでは、グリンダ様は大変な美女で、長い年月を生きておられるにもかかわらず、若さを保つ術をご存知だとか。」

「どうすればお城へ行けるかしら?」ドロシーが尋ねた。

「道はまっすぐ南へ続いています」と彼は答えた。「ですが、旅人には危険な道だと言われています。森には猛獣がいますし、見知らぬ者が国を通るのを嫌う奇妙な人々も住んでいます。ですから、クアッドリングがエメラルドの市にやってくることはまずありません。」

兵士が去ると、かかしが言った。

「どうやら、どんなに危険でもドロシーにとって最善の道は、南の国へ旅をしてグリンダに助けを求めることのようだね。もちろん、ここに留まっていたら、ドロシーは二度とカンザスへは帰れないんだから。」

「また考えてくれたんだね」とブリキの木こりが言った。

「ああ、考えたよ」とかかしは答えた。

「俺もドロシーと一緒に行こう」とライオンが宣言した。「この街には飽きたし、また森や田舎が恋しくなった。俺は本来、野生の獣だからな。それに、ドロシーには守ってくれる者がいたほうがいい。」

「その通りだ」と木こりも同意した。「私の斧も役に立つだろう。だから私も、彼女と一緒に南の国へ行こう。」

「いつ出発しようか?」とかかしが尋ねた。

「あなたも来るの?」みんなは驚いて聞き返した。

「もちろんだよ。ドロシーがいなかったら、私は脳みそを手に入れることなんてできなかった。彼女がトウモロコシ畑の棒から降ろして、エメラルドの市まで連れてきてくれたんだ。私の幸運はすべて彼女のおかげだよ。彼女がカンザスへ完全に帰り着くまで、私は決して離れないよ。」

「ありがとう」ドロシーは感謝を込めて言った。「みんな、本当に親切ね。でも、できるだけ早く出発したいわ。」

「明日の朝に行こう」とかかしが応じた。「さあ、みんな準備をしよう。長い旅になるぞ。」

第十九章 戦う木々の襲撃

翌朝、ドロシーは可愛い緑の少女に別れのキスをし、一行は門まで見送りに来た緑ひげの兵士と握手を交わした。門の守護者は彼らと再会し、せっかくこの美しい街にいるのに、また新たな厄介ごとに首を突っ込みに出ていく彼らをひどく不思議に思った。それでも彼はすぐに眼鏡の鍵を外して緑の箱にしまい、旅の無事を祈って見送った。

「あなたは今や我々の統治者です」と彼はかかしに言った。「ですから、できるだけ早く戻ってきてください。」

「もちろんだ。戻れるようになったら必ず戻るよ」とかかしは答えた。「だが、まずはドロシーが家に帰るのを助けなければならないんだ。」

ドロシーは気さくな守護者に最後の別れを告げながら言った。

「この素敵な街ではとても親切にしてもらったわ。みんな私によくしてくれて、感謝の言葉もありません。」

「お気になさらず、お嬢ちゃん」と彼は答えた。「本音を言えばずっといてほしいが、君の願いがカンザスへ帰ることなら、道が見つかるよう祈っているよ。」

彼は外壁の門を開け、一行は歩み出て旅を開始した。

太陽が明るく輝く中、友人たちは南の国へと顔を向けた。みんな最高に上機嫌で、笑ったりおしゃべりしたりしていた。ドロシーは再び帰郷の希望に満たされ、かかしとブリキの木こりは彼女の役に立てることを喜んでいた。ライオンはといえば、大喜びで新鮮な空気を嗅ぎ、また田舎に戻れた嬉しさに尻尾をぶんぶんと振り回した。トトは彼らの周りを駆け回り、楽しげに吠えながらガやチョウを追いかけた。

「都会の生活はどうも俺には合わん」とライオンは軽快な足取りで歩きながら言った。「あそこに住んでいる間にだいぶ痩せてしまった。今は、他の獣たちに俺がどれだけ勇敢になったかを見せつけるチャンスが待ち遠しくてたまらんよ。」

一行は立ち止まり、最後にもう一度エメラルドの市を振り返った。緑の壁の向こうにそびえる塔や尖塔の群れ、そして何よりも高くそびえるオズの宮殿の尖塔とドームが見えるだけだった。

「オズも、結局のところそれほど悪い魔法使いじゃなかったな」とブリキの木こりが、胸の中でカタカタと音を立てる心を感じながら言った。

「私に脳みそを、それもとても立派な脳みそをくれる方法を知っていたしね」とかかしが言った。

「もしオズが、俺にくれたのと同じ勇気を一服飲んでいれば」とライオンが付け加えた。「あいつも勇敢な男になれたんだろうがな。」

ドロシーは何も言わなかった。オズは彼女への約束を守らなかったが、それでも最善は尽くしてくれたのだ。だから彼女は彼を許していた。彼自身が言ったように、魔法使いとしては落第でも、人間としては良い人だったのだ。

初日の道のりは、エメラルドの市の周囲にどこまでも広がる緑の野原と鮮やかな花々の間を進んだ。その夜は草の上で、星空だけを屋根にして眠ったが、実にぐっすりと休むことができた。

翌朝、彼らが旅を続けていくと、うっそうとした森に行き着いた。避けて通る道はなさそうだった。森は左右どこまでも見渡す限り広がっており、それに道を変えて迷子になるのも怖かった。そこで彼らは、森へ入りやすそうな場所を探した。

先頭を歩いていたかかしが、大きく枝を広げた巨木を見つけた。その下なら一行が通り抜ける隙間があった。かかしがその木の方へ歩いていき、最初の枝の下に差し掛かったその時、枝がぐにゃりと曲がって彼に絡みついた。次の瞬間、彼は地面から吊り上げられ、仲間たちの中へ真っ逆さまに放り投げられた。

かかしに怪我はなかったが、これには驚いた。ドロシーが彼を助け起こしたとき、かかしは少し目を回しているようだった。

「こっちの木の間に隙間があるぞ」とライオンが呼んだ。

「まず私に試させてくれ」とかかしが言った。「放り投げられても私は痛くないからね。」

そう言って別の木に近づいたが、たちまち枝に捕らえられ、またもや放り戻されてしまった。

「なんてことかしら」とドロシーが叫んだ。「どうすればいいの?」

「木たちが俺たちと戦って、旅を邪魔しようと決めたみたいだな」とライオンが言った。

「私がやってみましょう」と木こりが言い、斧を肩に担いで、最初にかかしを乱暴に扱った木へと進み出た。太い枝が彼を捕らえようと曲がってきた瞬間、木こりは猛然とその枝に切りつけ、真っ二つにした。木はまるで痛みを感じたかのようにすべての枝を震わせ、ブリキの木こりは無事にその下を通り抜けた。

「おいで!」と彼は仲間に叫んだ。「急いで!」

みんな駆け出し、怪我もなく木の下を通り抜けた。ただトトだけは小さな枝に捕まって、キャンキャン鳴くまで振り回されたが、木こりが即座にその枝を切り落とし、小さな犬を救い出した。

森の他の木たちは、彼らを妨げようとはしなかった。どうやら最初の列の木だけが枝を曲げることができ、おそらくそれらは森の「巡査」で、よそ者を入れないためにこの不思議な力を与えられているのだろうと彼らは考えた。

四人の旅人たちは木々の間を楽々と歩き、ついに森の反対側の端に辿り着いた。すると驚いたことに、目の前に白い陶磁器でできたような高い壁が現れた。それは皿の表面のようにつるつるしており、彼らの背丈よりも高かった。

「今度はどうすればいいの?」とドロシーが尋ねた。

「はしごを作ろう」とブリキの木こりが言った。「どうしてもこの壁を乗り越えなきゃならないからね。」

第二十章 繊細な陶器の国

木こりが森で見つけた木材ではしごを作っている間、ドロシーは長い歩き旅に疲れて横になり、眠ってしまった。ライオンも丸まって眠りにつき、トトはその傍らに寄り添った。

かかしは木こりの作業を見守りながら言った。

「なぜこんなところに壁があるのか、何でできているのか、私にはさっぱりわからないよ。」

「脳みそを休めて、壁のことなど心配しなさんな」と木こりが答えた。「乗り越えてみれば、向こう側に何があるかわかるでしょう。」

しばらくして、はしごが完成した。不格好ではあったが、ブリキの木こりは丈夫で役に立つと確信していた。かかしがドロシーとライオンとトトを起こし、はしごができたことを伝えた。最初にかかしが登り始めたが、あまりに足取りが危なっかしかったので、ドロシーがすぐ後ろについて彼が落ちないように支えなければならなかった。かかしが壁のてっぺんから頭を出すと、「おやまあ!」と声を上げた。

「進んで」とドロシーが促した。

かかしがさらに登って壁の頂上に座り込むと、ドロシーも頭を出して、かかしと同じように「おやまあ!」と叫んだ。

続いてトトが登ってくると、すぐに吠え始めたが、ドロシーは静かにさせた。

次にライオンが、最後にブリキの木こりが登ってきた。二人とも壁の向こうを覗き込むなり、「おやまあ!」と声を上げた。壁のてっぺんに一列に並んで座った彼らが見下ろした先には、奇妙な光景が広がっていた。

目の前には広大な国が広がっており、その地面は大皿の底のように滑らかで光り輝き、真っ白だった。あちこちに完全に陶器でできて、鮮やかな色で塗られた家々が点在していた。家はどれも小さく、一番大きなものでもドロシーの腰ほどの高さしかなかった。陶器の柵に囲まれた可愛らしい納屋もあり、陶器でできた牛や羊、馬、豚、鶏たちが群れをなして立っていた。

しかし、何より奇妙だったのは、この不思議な国に住む人々だった。鮮やかな色の胴着をつけ、ガウンのあちこちに金の斑点がある乳しぼり娘や羊飼いの娘。銀や金や紫の豪華なドレスを着た王女。ピンク、黄色、青の縞模様が入った半ズボンをはき、靴に金のバックルをつけた羊飼い。宝石のついた王冠を頭に戴き、アーミンの毛皮のローブやサテンの胴着をまとった王子。それに、ひだ飾りのついた服を着て、頬に赤い丸を描き、背の高いとんがり帽子をかぶったおかしな道化師たち。そして何よりも驚くべきことに、こうした人々は服に至るまで全身が陶器でできており、とても小さかった。一番背の高い者でも、ドロシーの膝くらいの高さしかなかった。

最初は誰も旅人たちを見ようともしなかったが、ただ一匹、頭が異常に大きい紫色の小さな陶器の犬だけが壁までやってきて、か細い声で吠え立てた後、また走り去っていった。

「どうやって降りようかしら?」とドロシーが尋ねた。

はしごは重すぎて壁の上に引き上げることができなかった。そこで、かかしが先に壁から落ち、硬い床で足を痛めないように他の者たちが彼の上に飛び降りることにした。もちろん、彼の頭の上に降りて針が足に刺さらないよう細心の注意を払った。全員が無事に降り立つと、ぺちゃんこになったかかしを抱き起こし、わらを叩いて元の形に整えてやった。

「向こう側へ行くには、この不思議な場所を横切らなきゃ。真南以外へ行くのは賢明じゃないもの」とドロシーは言った。

彼らは陶磁器チャイナの人々の国を歩き始めた。最初に遭遇したのは、陶器の牛から乳を絞っている陶器の乳しぼり娘だった。一行が近づくと、牛がいきなり後ろ蹴りを食らわした。牛は腰掛けと桶、さらに乳しぼり娘自身まで蹴り飛ばし、すべてがガシャーンという大きな音を立てて陶器の地面に転がった。

ドロシーは、牛の足が一本折れ、桶がいくつもの破片に砕け、哀れな乳しぼり娘の左肘が欠けてしまったのを見てショックを受けた。

「ほら!」乳しぼり娘は怒って叫んだ。「あんたたちのせいで、ひどいことになったわ! 牛の足が折れちゃった。修理屋に持っていって接着剤でつけ直してもらわなきゃ。ここに来てうちの牛を驚かせるなんて、一体どういうつもり?」

「ごめんなさい」とドロシーは答えた。「どうか許して。」

だが、可愛い乳しぼり娘はあまりの立腹に、返事もしようとしなかった。彼女は不機嫌そうに折れた足を拾い上げ、三本足で足を引きずる牛を連れて立ち去った。去り際、娘は欠けた肘を脇にしっかり抱え、不格好なよそ者たちを何度も恨めしそうに振り返った。

ドロシーはこの不運な出来事をとても悲しんだ。

「ここでは細心の注意を払わねば」と心優しい木こりが言った。「さもないと、この可愛い小人たちを二度と治らないほど傷つけてしまうかもしれない。」

少し進むと、ドロシーは最高に美しく着飾った若い王女に出会った。王女はよそ者たちを見るなり立ち止まり、逃げ出そうとした。

ドロシーはもっと近くで王女を見たいと思い、後を追いかけた。すると陶器の少女は叫んだ。

「追いかけないで! 追いかけないで!」

あまりに怯えたような小さな声だったので、ドロシーは足を止めて言った。「どうして?」

「だって」と王女も安全な距離で立ち止まって答えた。「走ったら転んで、割れてしまうかもしれないもの。」

「でも、修理はできないの?」と少女は尋ねた。

「ええ、できるわ。でも、修理された後は、以前ほど綺麗じゃなくなるのよ、わかるでしょう?」と王女は答えた。

「そうよね」とドロシーは言った。

「あそこにいるジョーカー氏は、うちの道化師の一人だけど」と陶器の貴婦人は続けた。「彼はいつも逆立ちしようとするの。何度も割れているから、何百箇所も継ぎはぎだらけで、ちっとも綺麗じゃないわ。ほら、あっちから来るから自分の目で見てみて。」

なるほど、一人の陽気な小柄な道化師がこちらへ歩いてきた。ドロシーが見ると、赤や黄色や緑の綺麗な服を着ているにもかかわらず、彼は全身ひび割れだらけだった。ひびはあちこちに走り、何度も修理されたことが一目でわかった。

道化師は両手をポケットに突っ込み、頬を膨らませ、生意気に首を振ってみせると、こう言った。

「おきれいなお嬢さん、 なぜそんなにじろじろ見るんです、 この哀れな老ジョーカーを?  まるで火かき棒でも飲み込んだみたいに、 ツンと澄まして突っ立って!」

「お黙りなさい!」と王女が言った。「この方たちは、敬意を持って接すべきお客様だというのがわからないの?」

「へえ、それが『敬意』ってやつか、お呼びでない(けいえい)ね」と道化師はうそぶき、即座に逆立ちをしてみせた。

「ジョーカーさんの言うことは気にしないで」と王女はドロシーに言った。「あの方は頭がだいぶイカれて(ひび割れて)いるから、バカなことばかりするのよ。」

「ええ、全然気にしてないわ」とドロシーは言った。「でも、あなたは本当に綺麗ね。私、あなたのことが大好きになれそうだわ。ねえ、一緒にカンザスへ行って、エムおばさんの暖炉の上に立ってくれない? 私のカゴに入れて運べるわ。」

「そんなことをされたら、私はとても不幸になってしまうわ」と陶器の王女は答えた。「いいこと、私たちの国では、私たちは満足して暮らしているし、好きなようにおしゃべりしたり動き回ったりできるの。でも、ここから連れ出されると、途端に関節が固まってしまって、ただ真っ直ぐ立って綺麗に見えることしかできなくなるわ。暖炉の上やキャビネット、客間のテーブルに置かれたら、当然それだけを期待されるのでしょうけど、私たちの人生はこの国にいる方がずっと楽しいの。」

「あなたを不幸にするなんて、絶対に嫌だわ!」とドロシーは叫んだ。「だから、さよならだけ言わせてもらうわね。」

「さようなら」と王女は答えた。

彼らは細心の注意を払って陶器の国を通り抜けた。小動物や人々は、よそ者たちに割られるのを恐れて、みんな道を開けて逃げていった。一時間ほどして、旅人たちは国の反対側に辿り着き、また別の陶器の壁に突き当たった。

しかし、その壁は最初のものほど高くはなかった。ライオンの背中の上に立つことで、全員がなんとかてっぺんまで這い上がることができた。それからライオンは足を畳んで壁の上に飛び乗った。だが跳んだ瞬間、彼は尻尾で陶器の教会をひっくり返し、粉々に砕いてしまった。

「なんてこと」とドロシーが言った。「でも、牛の足一本と教会を壊しただけで済んだのは、この小人たちにとって幸運だったと思うわ。みんな、あんなに壊れやすいんですもの!」

「本当にそうだね」とかかしが言った。「私はわらでできているから、簡単に壊れなくてよかったよ。かかしでいるより悪いことは、この世にたくさんあるものだ。」

第二十一章 ライオン、百獣の王になる

陶器の壁を降りた後、旅人たちは沼地や湿地だらけの、嫌な場所に出た。そこは背の高い、青臭い草に覆われていた。草があまりに深く彼らを隠してしまうため、泥穴に落ちないように歩くのは困難だった。それでも慎重に道を選び、なんとか固い地面に辿り着いた。だが、そこは以前にも増して荒涼としており、藪の中を長く疲れ果てるまで歩いた末に、一行はまた別の森へと入っていった。そこにある木々は、今まで見たこともないほど大きく、古かった。

「この森は最高に気持ちがいい」とライオンは周囲を喜びで見渡しながら宣言した。「これほど美しい場所は見たことがない。」

「薄暗く見えるけど」とかかしが言った。

「とんでもない」とライオンは答えた。「一生ここで暮らしたいくらいだ。足元の枯れ葉はこんなに柔らかいし、この古木に張り付いた苔はなんて豊かで青々としているんだ。猛獣にとって、これほど快適な家はあるまい。」

「もしかしたら、今も森に猛獣がいるかもしれないわよ」とドロシーが言った。

「いるだろうな」とライオンは返した。「だが、姿は見えんようだ。」

彼らは歩けなくなるほど暗くなるまで森を進んだ。ドロシーとトトとライオンが眠りにつき、木こりとかかしはいつものように番をした。

朝になると、一行は再び出発した。少し進むと、多くの野生動物が唸るような低い地鳴りが聞こえてきた。トトは少しクンクンと鳴いたが、他の者たちは誰も怖がらず、よく踏み固められた道を進み続けた。やがて森の開けた場所に出ると、そこにはあらゆる種類の獣たちが何百頭も集まっていた。トラ、ゾウ、クマ、オオカミ、キツネ、その他あらゆる博物誌に載っている動物たちがいて、ドロシーは一瞬怖くなった。だがライオンは、動物たちが集会を開いているのだと説明し、その唸り声や咆哮から察するに、彼らは大きな困りごとに直面しているようだと判断した。

彼がそう言っている間に、数頭の獣がライオンの姿を見つけた。すると、大集団はまるで魔法にかかったように静まり返った。一頭の大きなトラがライオンの前にやってきて、お辞儀をして言った。

「ようこそ、百獣の王よ! 我らの敵を倒し、森のすべての動物たちに再び平和をもたらすために、良い時にお越しくださった。」

「困りごととは何だ?」ライオンが静かに尋ねた。

「我らは皆、脅かされているのです」とトラが答えた。「最近この森にやってきた、恐ろしい敵によって。それは巨大なクモのような途方もない怪物で、体はゾウほどもあり、足は木の幹ほども長い。その長い足が八本もあり、怪物が森を這い回る際、足で動物を捕まえては口へ運び、クモがハエを食うように食べてしまうのです。この凶暴な生き物が生きている限り、我らに安息はありません。どう対処すべきか集会を開いていたところへ、あなたがお見えになったのです。」

ライオンはしばし考えた。

「この森に他にライオンはいるのか?」と彼は尋ねた。

「いいえ。以前は何頭かおりましたが、怪物がすべて食べてしまいました。それに、どいつもあなたほど大きくも勇敢でもありませんでした。」

「もし俺がお前たちの敵を片付けたら、お前たちは俺にひれ伏し、森の王として従うか?」とライオンは聞いた。

「喜んで従いましょう」とトラは答え、他のすべての獣たちも轟くような声で吼えた。「従いますとも!」

「その大グモは今どこにいる?」とライオンが尋ねた。

「あちら、オークの木々の間に」とトラは前足で指し示した。

「この友人たちを頼むぞ」とライオンは言った。「俺は今すぐ敵を倒しに行ってくる。」

彼は仲間たちに別れを告げ、敵と戦うために誇り高く進んでいった。

大グモは見つかったとき眠っていた。それはあまりに醜かったので、敵であるライオンさえ嫌悪感から鼻を鳴らした。足は確かにトラが言った通り長く、体はゴワゴワした黒い毛に覆われていた。口は巨大で、三十センチメートルほどの鋭い歯が並んでいた。しかし、そのずんぐりした体と頭を繋ぐ首は、ハチの腰のように細かった。ライオンはこれを見て、この生き物を攻撃する最善の方法を思いついた。起きているときより眠っているときに戦うほうが簡単だと知っていた彼は、大きく跳躍して怪物の背中に直接着地した。そして鋭い爪を備えた重い前足の一撃で、クモの首を胴体から叩き落とした。地面に飛び降りると、彼は長い足がピクピクと動かなくなるまで見守った。それが完全に死んだ合図だった。

ライオンは、森の獣たちが待っている広場へ戻り、誇らしげに言った。

「もう敵を恐れる必要はない。」

すると獣たちはライオンを自分たちの王として仰ぎ、ライオンはドロシーがカンザスへの道に無事に送り出された後、また戻ってきて彼らを治めることを約束した。

第二十二章 クアッドリングの国

四人の旅人たちは残りの森を安全に通り抜け、森の暗闇から抜け出した彼らの前には、頂上からふもとまで巨大な岩に覆われた険しい丘が現れた。

「これは大変な登りになりそうだね」とかかしが言った。「それでも、この丘を越えなければならない。」

そこで彼が先頭に立ち、他の者たちが続いた。最初の岩に手が届きそうになったとき、荒々しい声が響いた。「下がれ!」

「誰だ?」とかかしが尋ねた。

すると岩の上から顔が覗き、同じ声が言った。「この丘は我々のものだ。何人たりとも通行は許さん。」

「でも越えなきゃならないんだ」とかかしが言った。「私たちはクアッドリングの国へ行くんだから。」

「通さぬと言ったら通さぬ!」声が答え、岩の陰から旅人たちが今まで見たこともないような奇妙な男が歩み出てきた。

男は背が低くて太っており、大きな頭を持っていた。頭のてっぺんは平らで、シワだらけの太い首に支えられていた。しかし男には腕が一本もなかった。それを見てかかしは、これほど無力そうな生き物が自分たちの登頂を邪魔できるはずがないと考えた。そこで彼は「君の望み通りにできないのは残念だが、君が好もうが好むまいが、私たちはこの丘を通らせてもらうよ」と言い、堂々と前進した。

すると稲妻のような速さで男の頭が前方に飛び出し、首が伸びて、平らな頭のてっぺんがかかしの腹部を直撃した。かかしは丘の下まで何度も何度も転がり落ちた。頭は出たときと同じ速さで体に戻り、男は耳障りな声で笑いながら言った。「そう簡単にはいかんぞ!」

他の岩陰からもガハハという笑い声が合唱のように沸き起こった。ドロシーは丘の斜面の岩という岩の陰に、何百人もの腕のないハンマー・ヘッドたちがいるのに気づいた。

ライオンはかかしの不運が笑われたことに激怒し、雷鳴のような咆哮を上げると、丘を駆け上がった。

再び頭が勢いよく飛び出し、大きなライオンはまるで大砲の弾を食らったかのように丘の下まで転げ落ちた。

ドロシーが駆け下りてかかしを助け起こすと、ライオンもあちこちを打って痛む体を引きずって彼女の元へ来、こう言った。「頭を飛ばしてくる連中を相手に戦うのは無駄だ。あんなものに耐えられる者はいない。」

「じゃあ、どうすればいいの?」と彼女は尋ねた。

「翼のある猿たちを呼ぼう」とブリキの木こりが提案した。「あなたにはまだ、一度だけ命令する権利が残っている。」

「わかったわ」彼女は答え、黄金の冠を被って呪文を唱えた。猿たちは相変わらず迅速で、数分のうちに一団が彼女の前に勢揃いした。

「ご命令は何でしょうか?」猿の王が深々とお辞儀をして尋ねた。

「私たちを丘の向こう、クアッドリングの国まで運んで」と少女が答えた。

「承知いたしました」と王が言い、すぐに翼のある猿たちは四人の旅人とトトを腕に抱えて飛び上がった。一行が丘を越えるとき、ハンマー・ヘッドたちは悔しげに叫び声を上げ、頭を高く打ち上げてきたが、翼のある猿たちには届かなかった。猿たちはドロシーと仲間たちを安全に運び、クアッドリングの美しい国に降ろした。

「これが私たちを呼び出せる最後の回でした」とリーダーがドロシーに言った。「では、さようなら。あなたに幸運を。」

「さようなら、本当にありがとう」と少女は答え、猿たちは空へ舞い上がり、またたく間に見えなくなった。

クアッドリングの国は豊かで幸せそうだった。実り豊かな穀物畑がいくつも広がり、その間を舗装された道路が通り、丈夫な橋がかかった綺麗な小川がせせらいでいた。柵も家も橋も、すべてが鮮やかな赤に塗られていた。ウィンキーの国が黄色、マンチキンの国が青だったのと同じだ。クアッドリングたち自身も、背が低くて太った、丸顔で気立ての良さそうな人々で、全身赤い服を着ていた。それは緑の草や黄色く色づき始めた穀物によく映えていた。

猿たちは彼らを農家の近くに降ろしていたので、四人の旅人はそこまで歩いて扉を叩いた。農家の妻が扉を開け、ドロシーが何か食べるものを頼むと、女は三種類のケーキと四種類のクッキー、それにトトのためのミルク一杯がついた立派な食事を出してくれた。

「グリンダ様のお城まではどれくらいあるかしら?」と少女が尋ねた。

「それほど遠くはありませんよ」と農家の妻が答えた。「南へ続く道を行けば、すぐに着きます。」

親切な女に礼を言い、一行は新たな気持ちで出発した。野原を通り、綺麗な橋を渡って歩いていくと、前方にとても美しい城が見えてきた。門の前には三人の若い娘たちが立っており、金色の縁取りがついた立派な赤い制服を着ていた。ドロシーが近づくと、その中の一人が彼女に言った。

「なぜこの南の国へやってきたのですか?」

「ここを治めている良い魔女に会いに来ました」と彼女は答えた。「あの方のところへ連れて行ってくれますか?」

「あなたのお名前を。グリンダ様がお会いになるか伺ってまいります。」

彼らが名を名乗ると、女兵士は城の中へ入っていった。数分後、彼女は戻ってきて、ドロシーと他の者たちをすぐに通すようにとの言葉を伝えた。

第二十三章 良い魔女グリンダ、ドロシーの願いを叶える

しかし、グリンダに謁見する前に、彼らは城の一室へと案内された。そこでドロシーは顔を洗って髪をとかし、ライオンはたてがみの埃を払い落とし、かかしは体を叩いて形を整え、木こりはブリキを磨いて関節に油を注した。

全員が身だしなみを整えると、女兵士の後に続いて、魔女グリンダがルビーの玉座に座っている大広間へと入った。

彼女の姿は、彼らの目には美しく、そして若く見えた。髪は豊かな赤色で、肩に美しい輪を描いて垂れていた。ドレスは純白だったが、その瞳は青く、小さな少女を優しく見つめていた。

「どうしました、お嬢さん。私にできることはありますか?」と彼女は尋ねた。

ドロシーは魔女にこれまでの経緯をすべて話した。竜巻が自分をオズの国へ運んできたこと、仲間たちと出会ったこと、そして彼らが経験した素晴らしい冒険について。

「今の私の一番の願いは」と彼女は付け加えた。「カンザスへ帰ることなんです。エムおばさんは、きっと私の身に何か恐ろしいことが起きたと思って、喪に服しているでしょう。それに、今年の収穫が去年より良くなかったら、ヘンリーおじさんはそんな費用も出せないはずなんです。」

グリンダは身を乗り出し、自分を見上げる心優しい小さな少女の愛らしい顔にキスをした。

「お利口さん」と彼女は言った。「カンザスへ帰る方法を、きっと教えてあげられますよ。」

それから彼女はこう付け加えた。「ですが、その代わりに黄金の冠を私に譲ってください。」

「喜んで!」ドロシーは叫んだ。「あんなもの、もう私には必要ありません。あなたがそれを持っていれば、三回、翼のある猿たちに命令できますし。」

「ええ、その三回のご用が私にはありそうなのです」とグリンダは微笑んで答えた。

ドロシーが黄金の冠を渡すと、魔女はかかしに言った。「ドロシーが行ってしまった後、あなたはどうするのですか?」

「エメラルドの市に戻ります」とかかしは答えた。「オズが私を統治者にしてくれましたし、人々も私を気に入ってくれています。唯一の悩みは、あのハンマー・ヘッドたちの丘をどうやって越えるかということです。」

「黄金の冠を使って、翼のある猿たちにあなたをエメラルドの市の門まで運ぶよう命じましょう」とグリンダは言った。「あんなに素晴らしい統治者を失うのは、市民たちにとってあまりにも惜しいことですから。」

「私は本当に素晴らしいのですか?」とかかしが尋ねた。

「あなたは並外れていますよ」とグリンダは答えた。

次に彼女はブリキの木こりに向き直って尋ねた。「ドロシーがこの国を去った後、あなたはどうなりますか?」

彼は斧に寄りかかってしばし考えた。それから言った。「ウィンキーたちは私にとても親切にしてくれました。悪い魔女が死んだ後、私に自分たちを治めてほしいと言ってくれたのです。私はウィンキーたちが好きですし、もし西の国へ戻れるのなら、彼らを永遠に統治する以上に望むことはありません。」

「翼のある猿たちへの二番目の命令は」とグリンダは言った。「あなたをウィンキーの国へ安全に運ぶことにしましょう。あなたの脳みそは、見た目はかかしのものほど大きくないかもしれませんが、よく磨かれていれば、実際には彼より冴えているはずです。きっと賢く立派にウィンキーたちを治められるでしょう。」

それから魔女は大きな、むくじゃらのライオンを見て尋ねた。「ドロシーが我が家へ帰った後、あなたはどうなりますか?」

「ハンマー・ヘッドたちの丘の向こうに」と彼は答えた。「荘厳な古い森があり、そこに住むあらゆる獣たちが俺を王にしてくれた。もしあの森に戻れるのなら、俺はそこで幸せに生涯を終えたい。」

「翼のある猿たちへの三番目の命令は」とグリンダは言った。「あなたを森へ運ぶことにしましょう。そうして黄金の冠の力をすべて使い切ったら、私はそれを猿の王に返します。そうすれば、彼とその一団はその後、永遠に自由になれるでしょう。」

かかしとブリキの木こりとライオンは、良い魔女の親切に心から感謝した。そしてドロシーも叫んだ。

「あなたは本当に、お顔に負けないくらいお心が綺麗なのね! でも、どうやってカンザスへ帰ればいいのか、まだ教えてもらっていないわ。」

「あなたのその銀の靴が、砂漠を越えて運んでくれます」とグリンダが答えた。「もしその力を知っていたら、この国へ来たその日のうちに、エムおばさんのところへ帰れていたのですよ。」

「でも、そしたら私はこんなに素晴らしい脳みそをもらえなかったわ!」とかかしが声を上げた。「一生、農家のトウモロコシ畑で過ごしていたかもしれない。」

「私も、こんなに素敵な心をもらえなかった」とブリキの木こりが言った。「この世の終わりまで、森の中で錆びて突っ立っていたかもしれない。」

「そして俺も一生臆病者のままで」とライオンが宣言した。「森のどんな獣からも敬われることはなかっただろう。」

「全部その通りね」とドロシーは言った。「良い友人たちの役に立てて、私も嬉しいわ。でも、みんなが一番欲しかったものを手に入れて、さらに治めるべき王国まで持てた今、私はカンザスへ帰ってもいいと思うの。」

「銀の靴には」と良い魔女が言った。「不思議な力があるのです。なかでも一番奇妙なのは、三歩歩くだけで世界のどこへでも運んでくれることで、その一歩一歩は瞬きする間に行われます。踵を三回打ち鳴らして、行きたい場所へ運んでくれるよう靴に命じるだけでいいのです。」

「もしそうなら」と少女は歓喜して言った。「今すぐ私をカンザスへ帰してくれるよう頼むわ。」

彼女はライオンの首に腕を回してキスをし、その大きな頭を優しく撫でた。それから、関節に最も悪いやり方で泣きじゃくっているブリキの木こりにキスをした。だがかかしに対しては、描かれた顔にキスをする代わりに、その柔らかなわらの詰め物の体を抱きしめた。愛する仲間たちとの辛い別れに、彼女自身も涙が溢れてくるのに気づいた。

良い魔女グリンダは、小さな少女に別れのキスをするためにルビーの玉座から降りてきた。ドロシーは、友人たちと自分に示してくれたすべての慈愛に対して礼を言った。

ドロシーはトトを恭しく腕に抱き、最後にもう一度さようならを言うと、靴の踵を三回叩き合わせた。

「エムおばさんのところへ帰して!」


その瞬間、彼女は空中で渦を巻いた。あまりに速かったので、耳元をかすめる風の音以外、何も見えず、何も感じなかった。

銀の靴はたった三歩進み、それから彼女は唐突に止まったので、自分がどこにいるのかわかるまで芝生の上を何度も転がった。

やがて彼女は起き上がり、あたりを見回した。

「なんてこと!」彼女は叫んだ。

彼女は広大なカンザスの草原に座っていた。目の前にあるのは、竜巻が古い家を運び去った後にヘンリーおじさんが建てた新しい農家だった。おじさんは牛小屋の前で牛の乳を絞っており、トトは彼女の腕から飛び出すと、激しく吠えながら納屋の方へ走っていった。

ドロシーが立ち上がると、足は靴下だけになっていた。空を飛んでいる間に銀の靴が脱げ落ちてしまい、砂漠のどこかで永遠に失われてしまったからだ。

第二十四章 ふたたび我が家へ

エムおばさんがキャベツに水をやろうと家から出てきたとき、ふと顔を上げると、ドロシーが自分の方へ走ってくるのが見えた。

「なんてこと、私の可愛い子!」おばさんは叫び、小さな少女を腕に抱きしめて顔中にキスをした。「一体どこから来たの?」

「オズの国からよ」ドロシーは真剣な面持ちで言った。「トトも一緒よ。ああ、おばさん! 私、またおうちに帰れて、本当にうれしいわ!」

公開日: 2025-09-09